108. 未熟児の在胎週数と出生体重が低いほど斜視発症の確率が高く,特に内斜視の発症が多い
Level of prematurity as a predictor for the activity of retinopathy of prematurity and strabismus
Gadzo AP, Miokovic AP, Halimic JA, Zvizdic D. Rom J Ophthalmol. 2023 Jan-Mar;67(1):57-61. doi: 10.22336/rjo.2023.10. PMID: 37089800; PMCID: PMC10117192.
目的:未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)スクリーニング後の未熟児における斜視の有病率を評価し,未熟度(出生体重と在胎週数)を斜視発症と疾患活動性の両方の予測因子として用いることができるかどうかを検討すること。
方法:2013年12月から2017年1月までの期間に,サラエボ臨床センター大学の小児眼科セクションの眼病クリニックで行われた後ろ向き研究である。126名の患者が対象となった。包含基準は,在胎週数34週以下,出生体重2000g以下,ROPのスクリーニング検査を実施した。患者は,ROPのない患者,自然消失した患者,活動性ROPの患者の3群に分けられた。
結果:52.4%の患者が斜視を患っていた(30.2% esotropia, 22.2% exotropia)。活動性ROPの患者では,全例が内斜視であった(60.0%)。平均出生体重と在胎週数は,斜視のある患者で低かった(それぞれ1371.3±58.0gと29.7±0.4週)。
結論:未熟児の在胎週数と出生体重が低いほど斜視発症の確率が高く,特に内斜視の発症が多いことが示された。未熟児レベルは活動性ROPの患者で有意に低かった。
※コメント
この研究では,斜視と未熟児のレベルに相関関係があり,在胎週数と出生時体重の両方が,ROPの活動型の発症と斜視診断(特に内斜視)の予測因子として使用できることが証明されたようです。