334. DVDの有無による、小児期の間欠性外斜視の特徴

Characteristics of childhood intermittent exotropia with and without DVD

Kramer AM, Klaehn LD, Hodge DO, Mohney BG. Strabismus. 2023 Dec 6:1-3. doi: 10.1080/09273972.2023.2286379. Epub ahead of print. PMID: 38054427.



目的:交代性上斜位(dissociated vertical deviation:DVD)は間欠性外斜視(intermittent exotropia:IXT)の小児にまれに起こると報告されているが、これらの小児の臨床的特徴についてはほとんど知られていない。本研究の目的は、間欠性外斜視でDVDを有する小児の人口統計学的および臨床的特徴を、DVDを有さない小児と比較することである。
方法:2002年1月1日から2018年12月31日までに当院で間欠性外斜視と診断された小児のうち、2回以上の検査で3回以上のコントロール評価を受けたすべての小児のカルテをレトロスペクティブに検討した。DVDのある外斜視児とない外斜視児を比較した。
結果:17年間の研究期間中、115人の小児が基準を満たし、そのうち25人(21.7%)がDVDを有していた。DVDのない90人の外斜視の小児と比較すると、IXTとDVDのある小児は運動障害(p = 0.021)、平均遠見コントロールスコアの悪化(2.8 vs 2.4;p=0.09)、平均偏位量の拡大(27.8Δ vs 25.1Δ;p=0.04)、立体視中央値の低下(200秒 vs 100秒;p=0.08)がみられた。両群間で初回手術時の平均年齢に差はなかったが、DVDをもつ小児は手術を受けた傾向が強かった(p = 0.17)。
結論:間欠性外斜視の小児における交代性上斜位の存在は、DVDのない小児に比べ、運動障害や両眼視機能の悪化と関連している。このような小児では、より注意深い観察と早期の介入が必要であろう。

※コメント
間欠性外斜視のDVDは頻度がかなり多いと個人的には思っています。
立体視が悪い場合もありますし、斜視角が大きいという本研究の結果にも大いに同意いたします。

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