249. 5-35歳の日本人における後天性内斜視の臨床像とデジタル機器の使用:多施設登録データ解析研究
Clinical presentations of acquired comitant esotropia in 5-35 years old Japanese and digital device usage: a multicenter registry data analysis study
Iimori H, Nishina S, Hieda O, Goseki T, Nishikawa N, Suzuki S, Hikoya A, Komori M, Suzuki H, Yoshida T, Hayashi S, Mori T, Kimura A, Morimoto T, Shimizu Y, Negishi T, Shimizu T, Yokoyama Y, Sugiyama Y, Azuma N, Sato M. Jpn J Ophthalmol. 2023 Sep 11. doi: 10.1007/s10384-023-01023-5. Epub ahead of print. PMID: 37695434.
目的:神経学的問題のない小児、青年、若年成人における後天性内斜視とデジタル機器使用の併発の臨床像を明らかにすること。
研究計画:多施設共同前向き観察研究。
方法:受診時に5~35歳の頭蓋内疾患のない後天性内斜視で、発症から1年以内に事前登録施設に受診した患者を登録した。発症からの期間、発症の約1か月前のデジタル機器の使用時期、生活習慣を調査した。視力、屈折、斜視角を測定した。データは3つの年齢グループ(小児:5~12歳、青年期:13~18歳、若年成人:19~35歳)で分析された。
結果: 2019年11月から2021年12月の間に、55施設から218人の患者が登録され、194人(小児62人、青年期69人、若年成人63人を含む)が分析された。小児群のデジタル機器使用時間は最も少なかった(小児:159分、青年期:210分:若年成人:267分/平日、p<0.05;(以下同順位の平均時間)229分、338分、314分/休日、p<0.05)。そして、斜視角が最も大きかった(近見平均斜視角:30、22、18⊿、p<0.01;遠見平均斜視角:28、26、21⊿、p<0.05)。
結論:後天性内斜視と携帯型デジタル機器使用の臨床的特徴は、12歳以下の小児とそれ以上の患者で異なっていた。本報告では、後天性内斜視とデジタル機器使用の若年患者の現在の臨床的特徴を示す。
※コメント
日本弱斜視学会主導の多施設研究です。
上記文では年齢で分類された群ごとに解析すると、年齢が若い方がデジタル機器使用時間が短く、斜視角が大きいとのこと。
学会では使用時間と内斜視に関連があったと言われていたような気がしますが、使用時間の制限の程度についてはまだ不明だという質疑応答が行われていたと思います。