8. 不同視弱視の治療中,健眼の屈折変化は小さく治療後に大きくなる。弱視眼は治療前後で屈折変化に差がない

Refraction development in anisometropic amblyopia with patching therapy

Chen Y, Zuo J, Xiong Y, Yu X, Wei L, Luo Y, Bao J, Chen H, Zhou J. Front Med (Lausanne). 2022 Oct 18;9:959085. doi: 10.3389/fmed.2022.959085. PMID: 36330057; PMCID: PMC9623012.

目的: パッチ療法を行った不同視弱視の屈折の発達を調べること。
方法:2003年7月~2020年1月の間にパッチ療法を受けた弱視患者37,528名のカルテを後ろ向きに検討した。追跡期間が2年未満でない不同視弱視を対象とした。合計で371例が登録され,平均4.76±2.11年の追跡調査が行われた。対象者は,初診時の等価球面値(SE)と弱視眼の最高矯正視力(BCVA)に応じて,異なるグループと期間に分けられた。線形混合効果モデルを用いてSEの年間変化量を算出した。
結果:SEは弱視眼と健眼でそれぞれ-0.32 (-0.35~-0.30)D/yと-0.16 (-0.19~-0.14)D/yの年間変化量であった。治療期間と治療成功期間における弱視眼のSEの年間変化は,それぞれ-0.36(-0.43~-0.29;95%CI),-0.27(-0.32~-0.23;95%CID/yであり,健眼の年間SE変化はそれぞれ-0.07(-0.14~-0.01;95%CI),-0.18(-0.22~-0.14;95%CI)D/yであった。
結論:弱視眼は,健眼に比べ有意に大きな屈折異常が変化し,7歳前後で継続的に屈折異常の減少が見られた。パッチ療法終了後も弱視眼の正視化は(パッチ療法中と)同等に起きていたが,健眼の屈折異常の変化はパッチ療法終了後に増加した。

※コメント
弱視治療中と治療達成後で屈折の変化がどうなるか,健眼と弱視眼での違いに着目した報告です。治療中は健眼の変化が小さく,弱視眼は治療前後で変化に差がないとの結果でした。治療達成したら正視化が進むと思いましたがそうでもなかったのが意外です。


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