174. 近視矯正用マルチセグメント眼鏡レンズ。パート2:近視進行への影響
Multiple segment spectacle lenses for myopia control. Part 2: Impact on myopia progression
Radhakrishnan H, Lam CSY, Charman WN. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Jun 28. doi: 10.1111/opo.13194. Epub ahead of print. PMID: 37378880.
目的:初期の研究では、マルチセグメント(multiple segment:MS)レンズが小児近視の進行率と眼軸の成長を抑制できることが示唆されている。この論文では、2つの異なるデザインのMSレンズの有効性を比較し、その抑制効果の本質を探ることを目的とした。
方法:MSまたは単焦点(single-vision:SV)眼鏡矯正を装用した近視小児のマッチさせたグループの平均等価球面屈折率(spherical equivalent refraction:SER)と眼軸長(axial length:AL)の変化を、少なくとも2年間にわたって記録した唯一の2つの臨床試験データをさらに分析し、比較した。両試験とも、同じような年齢、同じような視覚特性を持つ中国の子供たちを対象としているが、試験地は異なる都市である。検討された2つのMSレンズは、MiyoSmartまたはDIMS(HOYA)とStellest(Essilor)であった。
結果:SERとALの絶対的変化は、2つの試験で経時的に異なっていた。しかし、結果を連続した6か月間の有効性で表すと、2つのMSレンズはほぼ同様の結果をもたらした(近視進行抑制の初期有効性は約60%~80%、2年間で約35%~55%に低下)。コントロールは比例的ではなく、絶対的であるようだった。
考察:近視のコントロールは、MSレンズによって誘発される近視性デフォーカス(すなわち、遠見焦点に関するスルーフォーカス像の変化の非対称性)、またはレンズレットが周辺視野で作り出す一般的な像コントラストの減少のいずれかによるものと考えられる。
結論:マルチセグメント眼鏡レンズは、小児の近視進行を抑制するための貴重な新しいアプローチである。その作用機序を明らかにし、設計パラメータを最適化するためには、さらなる研究が必要である。
※コメント
強い近視性デフォーカスが機序として濃厚だと個人的に思っていますが、コントラスト関連も付加価値として存在するのか。その辺りは興味深いところです。
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