283. COVID-19パンデミックにおける2人の兄妹の急性後天性内斜視の同時発症:症例報告
Simultaneous development of acute acquired concomitant esotropia in two siblings during the COVID-19 pandemic: a case report
Pujara P, Carter D, Bolton K, Nicholson R. BMJ Open Ophthalmol. 2023 Oct;8(Suppl 3):A7. doi: 10.1136/bmjophth-2023-BIPOSA.20. PMID: 37798005.
5歳の男児(弟)と11歳の女児(姉)が、2021年初めに、互いに3か月以内に急性の大角度内斜視を発症したため、病院の眼科を受診した。2人とも過去に大きな病歴、眼歴、家族歴はなかった。子供たちは同じ家庭で生活しており、COVID-19に対応した英国のロックダウンの結果、2人ともライフスタイルの変化を経験した。弟は中等度の右内斜視で、当初は角膜光反射により目は真っ直ぐを維持していた。彼は、近見で45/50ΔBase out、遠見で45ΔBase outであった。姉は内斜位で、分離すると(おそらくcoverすると)すぐに右内斜視になった。この内斜視は近見30Δ、遠見20Δであった。
4か月後の経過観察では、兄妹とも一定の大角度内斜視を示した(弟:近見54ΔBase out、遠見45ΔBase out、姉:近見45ΔBase out、遠見40/45ΔBase out)。子供たちはそれぞれ、右内直筋後転術(5.5mm)と右外直筋切除術(7mm)を受け、3か月後の経過観察では、両眼視が回復し、内斜は最小になった。COVID-19の大流行によるライフスタイルの急激な変化は、ある種の内斜視の環境的病因の可能性を強調し、長時間のスクリーン使用がその一因である可能性を提起している。
※コメント
流行りの後天性内斜視ですが、兄妹で起こるパターンは始めて聞きました。なりやすいbaseがあったと思われますが、環境因子がトリガーとなって出現してしまうという事を改めて実感させられた内容でした。