83. 調節反応は使用するディスプレイの種類によって異なる反応を示す。高解像度のディスプレイでは調節ラグが減少するが,近視の人の調節リードを引き起こすかもしれない

The effect of image resolution of display types on accommodative microfluctuations

Hynes NJ, Cufflin MP, Hampson KM, Mallen EA. Ophthalmic Physiol Opt. 2022 May;42(3):514-525. doi: 10.1111/opo.12949. Epub 2022 Feb 1. PMID: 35107178; PMCID: PMC9302673.


目的:調節微動(accommodative microfluctuations:AMFs)が,観察するディスプレイタイプの画像解像度に影響されるかどうかを調べる。また,屈折異常の影響についても検討する。

方法:20名の参加者(近視10名,遠視10名)は,紙,スマートフォン,電子書籍リーダー,視覚表示装置画面(visual display unit screen:VDU)の4種類のディスプレイで目標を観察し,連続記録赤外線オートレフラクターを使用して調節反応を測定した。調節反応と,低周波成分(low frequency components:LFC),高周波成分(high frequency components:HFC),AMFsの二乗平均平方根(root mean square:RMS)からなるAMF測定値が分析された。

結果:紙刺激では,VDUやスマートフォンの条件と比較して,LFCが有意に増加することが確認された。近視は,4つのディスプレイにおいて,遠視と比較して,LFCと調節反応が有意に高いことが示された。解像度が低いディスプレイと高いディスプレイの間で調節反応に有意な差が見られ,画像の解像度が高いほど,より高い調節反応が認められた。HFCとRMSの調節力はディスプレイの種類に影響されなかった。

結論:調節反応とLFCは,使用するディスプレイの種類によって異なる反応を示すようである。高解像度の機器では,調節要求に対する調節ラグが減少した。しかしながら,高解像度のディスプレイタイプでは,近視の人の調節リードを引き起こすかもしれない。

※コメント
画面の解像度によって調節反応が異なり,解像度がデジタル眼精疲労の症状に関与していることが示唆されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?