131. 内斜位に対する手術前のプリズム順応の期間と量(部分矯正か完全矯正か)は,1年後の成績に関与せず,術前の長期のプリズム順応(365日以上)は結果を改善しない
A comparative study of various prism adaptation forms in the surgical management of esophoria
Pichler U, Schmidbauer E, Hermann P, Wagner H, Bolz M, Mursch-Edlmayr AS. Acta Ophthalmol. 2022 Jun;100(4):e1010-e1014. doi: 10.1111/aos.15004. Epub 2021 Aug 24. PMID: 34431217; PMCID: PMC9291304.
目的:内斜位に対する手術を受けた参加者において,術前のプリズム順応試験(prism adaptation test:PAT)を3つの異なる方法のいずれかで行った場合のアウトカムを評価すること。
方法:この前向き多施設研究は,2012年から2019年にかけて5つの眼科で実施された。116名の参加者が含まれ,治験責任医師の選択により3つのグループに割り付けられた:グループ1(n = 55),診察時に1時間から5時間の短いプリズム順応時間を設けた。グループ2(n = 36),手術前に少なくとも4週間,部分的なプリズム矯正を行った。第3グループ(n = 25),手術の少なくとも4週間前に完全なプリズム矯正を行った。運動面の成功は術後の偏位角(angle of deviation:AOD)で,感覚面の成功はLangとBagolini線状レンズ試験で評価した。
結果:PAT後のAODは全群で有意な増加(p < 0.001)が認められ,群間で有意差はなかった(遠見:p = 0.22; 近見:p = 0.31)。運動面および感覚面の成功は,術後3か月(p = 0.52; p = 0.55)および1年(p = 0.53; p = 0.29)において,グループ間で同程度だった。365日以上の長期間のプリズム順応(n = 24)は,より良い結果とは関連していなかった。
結論:我々の研究は,術後の結果は少なくとも1年間の追跡調査までは,術前のプリズム順応の期間と量(部分矯正か完全矯正か)に依存しないことを示す。手術前の長期のプリズム順応(365日以上)は結果を改善しない。
※コメント
長期的にプリズムを装用した後にオペをした方がいいという論文へのdisagreedな報告になります。内斜視でなく内斜位です。
数時間のPATで問題ないよということですね。