22. 場所,時間,日や季節による分光パワー分布値の変動に関わらず,屋外は常に屋内より有意に高いスペクトルパワーを示す。また,短波長,中波長,長波長の光の相対的な構成比は,すべての場所で同様である

Influence of location, season and time of day on the spectral composition of ambient light: Investigation for application in myopia

Dhakal R, Huntjens B, Shah R, Lawrenson JG, Verkicharla PK. Ophthalmic Physiol Opt. 2023 Jan 13. doi: 10.1111/opo.13085. Epub ahead of print. PMID: 36637143.

目的:光のスペクトル組成と近視の関係が考えられるている。本研究では,(a)屋外・屋内,(b)1日の時間帯,(c)季節の違いによる環境光のスペクトル組成の変化を調べた。

方法:屋外3ヶ所(「開放的な運動場」,「木陰」,「canopy (天蓋,ひさし)」)と屋内3ヶ所(「複数の窓のある部屋」,「密室」,「閉じた廊下」)で,短波長(380-500 nm),中波長(505-565 nm),長波長(625-780 nm)に分類される分光パワー分布(SPD)を携帯型の分光器によって測定した。測定は,夏期とモンスーン期のそれぞれ2日間,5つの時間帯(6時30分から18時までの3時間間隔)で行われた。

結果:屋外3地点のSPDの中央値(IQR [25-75percentile] W/nm/m2 )は,屋内地点のそれ(0.0007 [0.0001, 0.001] )より157倍高い。SPD中央値の分布には,かなりの場所的,日中,季節的変動が見られ,「開けた運動場」(0.27 [0.21, 0.28])が最も高く,「木陰」(0.083 [0.074, 0.09]),「canopy (天蓋,ひさし)」(0.014 [0.012, 0.015]),そして「複数の窓がある部屋」(0.023 [0.015, 0.028])の順であった。短波長,中波長,長波長の相対的な構成比は屋外,屋内ともにほぼ同じで,「canopy (天蓋,ひさし)」を除くすべての場所で中波長の割合が短波長,長波長よりも有意に高かった(p < 0.01)。

結論:場所,時間,日や季節によるSPD値の変動に関わらず,屋外は常に屋内より有意に高いスペクトルパワーを示した。また,短波長,中波長,長波長の光の相対的な構成比は,すべての場所で同様だった。これらの結果は,分光パワーと近視の発達の関係を理解するための今後の研究の基礎を確立するものである。

※コメント
日光(光)が近視進行抑制へ影響を及ぼすとすると,木陰でもいいから外へ出ることが大事であることがわかります。外でゲームをしているパターンをたまに見かけますが,その場合の解釈は非常に難しいです…

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