180. 小児における乱視度数の進行と眼軸長:2年間の追跡調査
Cylinder power progression associated with axial length in young children: a two-year follow-up study
Gong W, Wang J, Zhang B, Xu X, Zou H, Liu K, Xu X, He X, Huang J. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2023 Jul 6. doi: 10.1007/s00417-023-06149-3. Epub ahead of print. PMID: 37410179.
目的:幼児における屈折の発達と眼軸長(axial length:AL)の関連について記述し、円柱度数の進行に関する新たな知見を提供すること。
方法:上海の小学校から児童(2~3年生)を登録し、2年間追跡調査した。屈折、AL、角膜曲率半径を測定した。屈折パラメータは、AL1(AL<23.5mm)、AL2(23.5mm≦AL<24.5mm)、AL3(AL≧24.5mm)の異なるALグループ間で比較した。重回帰分析を用いて、ディオプター・オブ・シリンダー(diopter of cylinder:DC)進行の危険因子を探索した。
結果:登録された6891人の小児のうち、5961人(7~11歳)が最終解析に組み入れられた。2年間で乱視度数は有意に変化し、ALが長い人ほど2年間でDCの進行が早かった(AL1、-0.09±0.35D;AL2、-0.15±0.39D;AL3、-0.29±0.44D)(P<0.001)。DCの変化は、ベースライン時のALと独立して関連していた(P < 0.001)。直乱視の割合は、AL1群で91.3%から92.1%、AL2群で89.1%から91.8%、AL3群で87.1%から92.0%に増加した。
結論:長眼軸の小児は乱視度数の進行が速かった。長眼軸の小児の健康管理には、近視進行の抑制と乱視矯正への注意の両方が必要である。参加者のALが有意に増加したことは、乱視の程度と方向の両方に寄与している可能性がある。
※コメント
眼軸伸展と乱視の関係に着目した報告です。
眼軸が伸びる眼は乱視が増える。確かに長眼軸の小児は乱視が強い場合があります。非常に興味深い内容ですので、カルテを見返してみたいと思います👀
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