329. 人工知能に基づく学童期の屈折異常における視神経乳頭変化の定量的解析

Quantitative analysis of optic disc changes in school-age children with ametropia based on artificial intelligence

Liu F, Yu XH, Wang YC, Cao M, Xie LF, Liu J, Liu LL. Int J Ophthalmol. 2023 Nov 18;16(11):1727-1733. doi: 10.18240/ijo.2023.11.01. PMID: 38028515; PMCID: PMC10626368.


目的:カラー眼底写真と人工知能(artificial intelligence:AI)技術を併用し、学童期の屈折異常における視神経乳頭と乳頭周囲萎縮(peripapillary atrophy:PPA)の変化を探ること。

方法:2021年10月から2022年5月にかけて、レトロスペクティブ症例対照研究に基づき、6~12歳の小児113人226眼を登録した。等価球面(spherical equivalent:SE)の結果により、弱度近視群(66眼)、中等度近視群(60眼)、強度近視群(50眼)、遠視コントロール群(50眼)の4群に分けられた。すべての被験者は、未矯正視力、瞳孔散大の計測、最高矯正視力(best-corrected visual acuity:BCVA)、眼圧、眼軸長、カラー眼底写真撮影をした。

結果:PPAの幅、PPAと視神経乳頭の水平径比、PPAと視神経乳頭の面積比は4群間で有意差があった(P<0.05)。強度近視群では、鼻側および耳側神経網膜リムの幅、視神経円形度、PPAの高さ、PPAの視神経円形度に対する垂直径比、PPAの平均密度が他の3群と比較して有意に異なっていた(P<0.05)。SEと視神経乳頭に対するPPAの面積比の間には強い負の相関があり(r=-0.812、P<0.001)、眼軸長と視神経乳頭に対するPPAの面積比の間には強い正の相関があった(r=0.736、P<0.001)。

結論:学童期の強度近視では、鼻側および耳側神経網膜リムが狭小化し、さらには高感度を有する神経網膜リムが消失している。視神経乳頭に対するPPAの面積比は、近視進行の早期予測因子として使用できる可能性があり、近視の進行予防と管理に大きな意義がある。

※コメント
近視進行に関して、早期から乳頭周囲の状態を観察する意義を唱えています。

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