169. 近視および正視における角膜生体力学的特性に及ぼす眼球摩擦の影響
Effect of eye rubbing on corneal biomechanical properties in myopia and emmetropia
Li X, Wei A, Yang Y, Hong J, Xu J. Front Bioeng Biotechnol. 2023 Jun 6;11:1168503. doi: 10.3389/fbioe.2023.1168503. PMID: 37346798; PMCID: PMC10279860.
目的:近視と正視の眼球摩擦による角膜生体力学的特性の短期的変化を調べ、両群間の反応の違いを比較すること。
方法:45歳以下の健常者57名の眼を対象とした前向き観察研究である。被験者は近視群と正視群に分けられた。すべての被験者に、同じ研究者が同じ手技で眼球摩擦を行った。1分間の眼球摩擦の前後に、Corvis ST装置を用いて生体力学的パラメータを記録した。1週間後、被験者全員が再度テストを受けた。統計的手法を用いて、1分間の眼球摩擦前後のデータの違いを比較し、2つのグループの反応の違いを示した。
結果:1分間の眼球摩擦の後、より小さいSP-A1(p<0.001)、より高い変形およびたわみ振幅(p<0.001、p=0.012)、より高いピーク距離(p<0.001)、より早いA1時間(p<0.001)、より速い速度(p<0.001)、およびより低い最大逆半径(p=0.004)が観察された。自動線形モデリング解析によると、屈折状態(B = -5.236、p = 0.010)および生体力学的に補正された眼圧(bIOP)(B = 0.196、p = 0.016)は、最初のアプラネーション(SP-A1)におけるスティフネスパラメータの減少に影響を及ぼしていた。中心角膜厚(CCT)は近視群でのみ減少した(p = 0.039)。SP-A1の振幅の変化は、近視群の方が屈折矯正群よりも大きかった(p < 0.001)。すべてのパラメータは、1週間後にはベースラインレベルに戻った。
結論:眼球摩擦は角膜の生体力学的特性を一時的に変化させ、特に近視の若年患者において角膜を柔らかくするようである。
※コメント
摩擦について
まぶたの上で円を描くような眼のこすり運動が行われた。こするマッサージは1 分間続けた。目に過度の損傷を与えないように、こするときに加えられる力の量は制限され、左手で右眼をこすり、右手で人差し指の関節を使って左眼をこすった。
との事です。