「気分はグルービー」を追いかけて:(最終)20小節目
「気分はグルービー」という漫画をご存知でしょうか?
週刊少年チャンピオン1981年52号から1984年22号まで
連載されたある地方の高校生バンドの物語です。
ここでは単行本と雑誌掲載版の違いや登場楽器、音楽やグッズなど
気が付いた事を書いていこうと思っています。
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前回からの続き
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解散コンサートについて
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1984年 3月15日 片岡公園 野外音楽堂
註:架空の公園だと思います。
鎌倉にある公園ではありません。
(※P.29 より3月15日が解散の日(ライブ)との記述)
ちなみにその日は木曜日でした。
セットリスト
01) SMOKE ON THE WATER / DEEP PURPLE (1972)
https://www.youtube.com/watch?v=yt0eI5VZkqc
76年に解散したディープパープルですが
奇しくも84年に再結成をしました。
02) THROW DOWN THE SWORD / WISHBONE ASH (1972)
https://www.youtube.com/watch?v=frouiwRcNQQ
70年代に活躍したイギリスのロックバンド
03) May All Your Dreams Come True / 不明 オリジナル曲?
04) Don't Move Me / オリジナル曲
(第9巻 さらば相棒PART.4 で演奏)
05) A Part Of Your Life / Kris Kristofferson & Rita Coolidge (1973)
元は71年Charlie Richの作品らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=LPqU-YT3bWs
今回、ヒサコとケンジがデュオで歌っているという事で
73年Kris Kristofferson & Rita Coolidgeのバージョンの
カバーではないかと思われます。
https://www.youtube.com/watch?v=uUzahmLgpXs
ユーチューブのお蔭で
この曲を聴くことができたと感謝する
ブログやツイッターをいくつも見かけます。
06) BORN TO BE WILD / STEPPENWOLF (1968)
https://www.youtube.com/watch?v=egMWlD3fLJ8
映画「Easy Rider」からの名曲
07) PURPLE HAZE / JIMI HENDRIX (1967)
https://www.youtube.com/watch?v=cJunCsrhJjg
08) LAZY LADY GOOD BYE / オリジナル曲
(第5巻 直立猿人 熱狂雷舞 で演奏)
ハウンドドックの曲名をもじったのではないかとの
ネットの書き込みを見たことがあったので
こちらを紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=x2IU9-ivURo
09) GET BACK / TEH BEATLES(1970)
https://www.youtube.com/watch?v=jqZjUEpp9s4
10) THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING) / GEORGE HARRISON (1975)
https://www.youtube.com/watch?v=FvrdVfNXf3s
意外な選曲に思います。
11) タイトル不明
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Ending
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解散コンサート終了後、彼らはそれぞれの道を歩みます。
ヒサコは北山産業大学へ進学
松原は早稲田大へ進学
奥田は札幌でヒモ生活
稲村とケンジはミュージシャンへの道へ
これで本編は終了になりますが
彼らがその後どうなったかを描いたイラストがあります。
最終巻である13巻の表紙です。
画像1 13巻表紙
これは高校卒業後、何年経ったイラストなのでしょうか。
喫茶eveのマスターの肩車に乗っている男の子が
8歳くらいでしょうか。
卒業の年に恵利が第一子を生んでいるはずなので
8年くらい経った設定でしょうか。
左上の担任は定年を迎え、ご隠居状態でしょうか。
その下のお蝶は社会人、
あるいは水商売でもしているのでしょうか。
右を見るとツネが板前の恰好。
年齢的にはまだ修行中なのかもしれません。
右上、奥田と尻を触られ憤慨しているケンジの妹、
かおりもいます。
ケンジの後ろから声をかけているのは松原の妹であり
クラスメートだった麻美。
ケンジに何を語りかけているのでしょうか....
ケンジの前には妊娠中のヒサコと次男の手を握る義姉の恵利。
ヒサコの右前にはYシャツにネクタイ姿の松原:大将が。
既に就職しているように思えます。
裁判官を目指していましたがどうなったのでしょうか。
恵利の連れている次男にアカンベェをしておりますが
この描写により、ひょっとしたらヒサコの旦那は
大将になったのではないかという憶測もできます。
(仲の悪いおじさんと甥っ子の関係にも見えます)
中央には稲村と付き合っていた晶子らしき姿が。
そしてみすぼらしい恰好のケンジ、稲村、本間の3人。
ミュージシャンとしてやっていけてるのでしょうか。
ひょっとしたらミュージシャンを
辞めているのかもしれません...
イラストからは断定が難しいです。
皆、元気にしているという点では嬉しくなるイラストですが
各々の道については色々と想像してしまいます。
(ちなみに中央下の男性は作者:佐藤宏之氏のデフォルメ)
これらについての考察は「気分はグルービー」を検索すると
最初の方に出てくるヤスワンさんのブログも
是非お読みください。素晴らしい内容です。
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やはりこの作品はロックバンドの漫画としては
最高峰だと思います。
ハロルド作石氏の「BECK」などその後のロック、
バンドを題材にした漫画に影響を与えた作品として
語られ続けるものだと思います。
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以上で「気分はグルービー」を追いかけては終了です。
読んでいただいた方々、
さらに「いいね」をくださった方々に
厚く御礼申し上げます。
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※このコラムは2019年12月10日にフェイスブックにて公開した文章を転載したものです。