セラミック矯正orワイヤー矯正
こんにちは
歯並びが気になるから矯正したい
一般的な歯医者で矯正したいと言うと、ワイヤー矯正ないしはマウスピース矯正をすすめられます。一方で審美歯科クリニックなどでは歯を削って被せて歯並びを変えるセラミック矯正というものがあります。
えー、歯を削るの!
とこの治療法自体を否定的に感じる方もいるかもしれませんが、私自身は選択肢としてありだと思っています。その理由をお話ししていきます。
あくまで選択肢としてありなだけで推奨しているわけではないのでご了承ください。
分かりやすくするために2つの矯正の一般的に言われるメリット、デメリットを挙げます。
ワイヤー矯正、マウスピース矯正
[メリット]
・歯を削らない
[デメリット]
・治療期間が長い
セラミック矯正
[メリット]
・治療期間が短い
[デメリット]
・歯を削り、場合によっては神経をとる
これは事実なのですが、これだけ見るとワイヤー矯正の方が歯には優しそう。。
と思うかもしれません。
でも一概にそうとは言えないんです。
ワイヤー矯正はワイヤーを口の中に数ヶ月固定して歯を徐々に動かします。
ここで歯にワイヤーを固定するためにやっていることがあります。
それはエッチングという作業です。簡単に言えば歯の表面にワイヤーを固定するためにボンドをつける面を酸でガサガサにします。
歯に酸をつけることで、表層は脱灰し色は白く濁ります。虫歯になるときにも虫歯菌の出す酸に反応して歯が白く濁ることはしばしばあるのですが、ワイヤー矯正ではこれを全部の歯の真ん中にやります。
ワイヤー矯正したことがある方は見てみてください。歯の中央が白く濁ってませんか?これは中央が脱灰しているからです。
脱灰すると歯質が弱まり見た目だけではなく、その後の虫歯にも罹患しやすくなります。
これがワイヤー矯正の隠れたデメリット1つ目です。
2つ目のデメリットは矯正をうまくやれば起こらないこともあるのですが、歯根が吸収するという点です。
歯は骨に杭のように生えています。
歯根吸収とはその杭が短くなるということです。
これにより歯周病に罹患した際にすぐに抜けやすくなってしまいます。
歯根吸収は見かけでは分からないし症状もないので、このデメリットに伴って歯がグラグラになってくるのは矯正治療が終わってしばらくしてからです。まさか矯正で?とは思わないでしょう。
ワイヤー矯正をやる場合にはこれらの説明があるかもしれませんが、
矯正したくて来ているわけなので、患者さんはここをそこまで気にせず「治療します!」となってしまう場合が多いんです。
だから
数本の歯並びを治すだけならば歯を削るとはいってもセラミック矯正が有利な場合もあるんです。
わかりやすく言えば
セラミック矯正は
敵(歯)単体に中程度のダメージ
ワイヤー矯正は
敵全体に小ダメージ
ってことです。
繰り返しにはなりますが、私はセラミック矯正を推奨しているわけではありません。
ケースバイケースということです。
これを読んだ方が少しでもコスパ良く治療を選べると幸いです。