「OKフロートいいかげん折り」
こんにちは、現場の前田です。
今回は、篠原紙工さまからご依頼いただき、アパレルブランド「 ENFÖLD / någonstans 」さまの合同展示会用DMのお手伝いをさせていただきました。
本田千尋さまデザインによるこちらのDMは、篠原紙工さまオリジナルの「いいかげん折り」という特殊な折りの加工技術と、コスモテックの加熱型押し加工( 箔を使わずに熱と圧力だけを加える加工 )で製作されています。
本田さまより篠原紙工さまへ、「 いいかげん折り 」でDMを制作したいというご依頼があり、その段階でご希望の仕様は既にほぼ決まっていたそうです。
本田さまは箔押し加工をして「 いいかげん折り 」で仕上げるという仕様をお考えでしたが、当初は用紙の候補が何種類かあり悩まれていたそうです。
打合せの中で、今回のDM製作にあたり本田さまに篠原紙工さまをご紹介された、平和紙業の西谷さまより「 OKフロートに熱型押し加工をすると色が変わって面白いよ 」というアドバイスをいただきました。
本田さまも西谷さまの案を気に入られたため、最終的に箔押しは無しで「 OKフロートに加熱型押しし、いいかげん折りで仕上げる 」というプランが採用されました。
篠原紙工さまも加熱型押ししたものへの「 いいかげん折り 」は今回が初めての試みだったそうですが、想像以上に仕上がりが良く、「 いいかげん折り 」の可能性が広がったそうです。
採用された紙 OKフロート(ホワイト)は、パチカと同様、熱を加えて押すと、押した個所が半透明に透けたり、色彩が変化したりする特殊素材です。
光に当てると、より透け具合いを感じられます。
今回は印刷や箔押しをせず、全面加熱型押しのみの仕様ですので、いかに透けるかが重要になってきます。そのため、加工時の温度は高めに、押し圧もかなり強めにして透け具合が強く出るように加工しています。
パチカと同様、全体を均等な透け具合にするための調整が特に難しく、透け具合いが弱い個所の下に薄い紙を一枚一枚足してかさ上げして圧力のかかり具合を調整していきました。
調整に使用する薄い紙の厚みにも種類があり、透け具合を確認しながら足していく紙の厚みを変えています。
たかが薄い紙一枚ですが、その一枚を足すだけでムラのある個所の透け具合が変化するため、慎重に透け具合を予測しながら薄紙を足す地道な調整を繰り返しました。
篠原紙工さまの熟練の職人さんの技術による「 いいかげん折り 」加工と、紙の特製を生かした加熱型押しの加工技術によってできあがったDMは、シンプルな装いですが、職人の技術がぎゅっと詰まったこだわりのDMになりました。
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
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