「伝説の箔押しマスキングテープ『 ナスカの電子回路 』の衝撃」
皆さんに質問です。
「 印刷会社・加工所・紙屋さんなど印刷業界の会社で、あなたの知っている・思い浮かぶ会社名はありますか? 」
恐らく、ほとんどの皆さんはピンと来ないのではないでしょうか。
僕もコスモテックに勤める前はそうでした。
印刷物は僕たちの日常生活の中に溢れていますが、それらがどこで印刷・加工されたものなのかは 『 興味がない 』『 知る必要がない 』 情報であることがほとんどです。例え、業界内で知名度が高い会社であっても、一般消費者の皆さんは見たことも聞いたこともない、存在すら知らない、ということがままあります。
コスモテックも 「 ある製品 」 を製造販売することになった2015年以前は、箔押し加工を依頼してくださるデザイナーさん・同人作家さん、同じ業界の印刷加工所( 会社 )とのお付き合いがほとんどでした。
それがある日を境に激変します。
大きなきっかけとなった「 ある製品 」というのは、『 ナスカの電子回路 』 箔押しマスキングテープです。
2015年当時、コスモテックでは印刷加工実験の一環で、懇意にしているクリエイターさんたちと共に箔押しマスキングテープの加工実験を繰り返しておりました。箔押しのみのバージョン、印刷してから箔押しを加えたバージョンなど、様々なバリエーションのマスキングテープを作っていました。
そして、その当時、集大成としての加工実験製品のデザインを組んでいただいたのが、グラフィックデザイナーの BULLET Inc. の小玉文さん。
今や伝説の箔押しマスキングテープ 『 ナスカの電子回路 』 の生みの親です。
ナスカの地上絵と基盤を合体させたユニークで秀逸なグラフィックデザインに、特色3色と金箔・銀箔の箔2色を合わせた 『 ナスカの電子回路 』。
そもそもその時点では販売するつもりは一切なく、ただただ 『 どこまでの表現が可能なのかどうか 』 という子供のような好奇心で、興味本位で生み出した実験加工物でした。
これをSNSに投稿したところ驚くような規模で爆発的に拡散され、僕は人生で初めて 「 SNSが炎上する 」 という体験をすることになったのです。
最終的には見ず知らずの一般消費者の皆さんから大量に寄せられた 「 その実験加工物を販売して欲しい! 」 という声に後押しされて、小玉さんと相談した結果 『 ナスカの電子回路 』 を販売させて頂くことになった衝撃は、今でも鮮明に覚えております。
そして、それだけに留まらず、 「 このコスモテックという会社は、おもしろいことをやっている会社だ 」「 キラキラしているグラフィックは箔押しっていう加工なんだ 」と、物( ナスカの電子回路 )から会社( コスモテック )・事業( 箔押し加工 ) に興味を持って頂けたことを感じました。
今まで印刷加工に興味を抱かなかった皆さんからすれば、箔押し加工をやっている会社なんて、正直、自分の生活とはかけ離れた存在であり、知らなくても何も困ることのない情報だったのです。
それが 『 ナスカの電子回路 』 をきっかけにコスモテックという箔押し印刷会社の存在に気づいてくださり、箔押しに興味を持って頂けました。
これは凄いことだと気がついたとき、僕は体が震えました。
一気に自分達を取り巻く世界が広がっていくのを感じたのです。
2019年現在、WEB STORE『 コスモテックサンプル直売所 』 の開設を考えるきっかけにもなった 『 ナスカの電子回路 』 箔押しマスキングテープ。この製品が、今まで縁のなかった一般消費者の皆さんとの架け橋となり、僕たちは 「 もっと箔押し製品を身近に感じてもらえること 」 を意識して動いていくこととなりました。
僕たちは今も加工実験や日々の仕事でインプットした知識や経験・体験を、工場直販のWEB STOREで製品としてアウトプットするという試みを繰り返しています。
そこで得た売上金で購入させて頂いた、新台の箔押し機はコスモテックの宝です。
コスモテックでは新台の箔押し機を大切に手入れして、皆さんに喜んでいただけるような製品・おもしろい加工実験物を作ってはWEB STOREで売っています。
僕たちは、ブログやSNS、WEB STOREを通してコスモテックをはじめとする印刷業界全体を盛り上げる力となり、ひいては僕たちの得た技術や経験を次の世代へと残していければと考えています。
『 ナスカの電子回路 』 という大きなチャンスをコスモテックにもたらしてくれたBULLET Inc. の小玉文さん、そして、『 ナスカの電子回路 』 を購入し、沢山の応援コメントをくださった皆さん、あの時の感動、そしてご恩は忘れません。
そこがコスモテックのWEB STOREの原点になっています。
印刷加工実験から生まれた小さな奇跡は、今もコスモテックをワクワクすることに駆り立てる原動力になっております。
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