安心の暮らしを届けたいから「プロの管理者」におまかせ。
※上部掲載の写真はグランコスモ ザ・リゾート沖縄豊崎にて2022年12月に撮影したものです。
─どのような取り組みを行われたのでしょうか?
シニアのためのサービス付き分譲マンション
「イニシアグラン(旧:グランコスモ)シリーズ」の
管理組合運営に第三者による「管理者管理方式」を導入しました。
「管理者管理方式」
つまり、
管理組合の運営を一般的な「理事会方式」
(管理組合の理事を入居者さまから選定する方式)ではなく、
同マンションでサービス提供を行っている
株式会社コスモスライフサポート(弊社100%子会社/以下「CLS」)が
「管理者」として管理組合を運営する方式にしています。
「管理者」とは区分所有法で定められた
管理組合を代表する人のことで(法人でも可)、
一般的な管理組合でいう「理事長」さんと同じ役割です。
冒頭にあったとおり、
所有者さまの高齢化がすすんだマンションの
管理組合運営の難しさは社会課題です。
理事のなり手がいないから。
と放っておいたらマンションはすぐに劣化し管理不全に陥ります。
「シニアのためのサービス付き分譲マンション」は
当たり前ですが、
入居者が高齢者であるとわかっているのに、
そのリスクをそのままにして分譲マンションを分譲していいのかな…?
というところからこの取り組みは始まっています。
そもそも、
専門家でもないのにほかの居住者さまから預かっている
莫大なお金(管理費や修繕積立金)を管理したり、
共用施設の家具が壊れたら修繕を発注したり、
共用部のルールを現実に即して見直したり・・・
高齢者でなくてもやりたくないのが理事会の仕事。
ご年齢を重ねられた方々にとって、
管理組合の運営、とくに理事になった方々の
理事会運営はかなりの負担なんですよね。
また、イニシアグランシリーズのように
大浴場やレストランなど共用施設が多数あるマンションの
資産価値を管理組合として維持していくのは、
管理会社さまが伴走してくれていても大変なんです。
そうなのであれば、
日々入居者さまとコミュニケーションを取り、
共用施設のこともよく分かっているサービス提供会社である
CLSが「管理者」をやれば、
区分所有者さまの声もリアルタイムで拾えるし、
常駐しているから建物の不具合にもすぐ気付けるし適任なのでは?
と考えたのがきっかけです。
─この取り組みへの想いはどのようなものでしょうか?
一般的な理事会方式をとっている
マンションの「理事長」さんと言っても、
ボランティアでイチ居住者さまである「理事長」さんと、
委託費をいただいて「管理者」を行うCLSとでは
やはり居住者さまからの期待値が違いますよね。
最初は居住者さまが少しでもラクになるように!
と思って導入した「管理者管理方式」ですが、
複数物件手がけるうちに「プロの管理者」として、
少しでもほかのマンションよりも管理組合運営がスムーズに、
そして、
マンションの資産価値を維持するだけでなく
良好なコミュニティを築いて
経年優化していくようにするにはどうしたら良いか?
と考えるようになりました。
また、高齢者だからといって区分所有者さまを
置いてきぼりにせず、
「管理者」としての活動の見える化や
運営の透明化に力をいれ、
あくまでも最終意思決定者は区分所有者さまの
皆さんであることをしっかり示すことで
信頼していただくことにも力をいれています。
─取り組んだ感想を教えてください。
実際に「プロの管理者」の業務をやってみると、
ものすごく大変です。
とりあえず区分所有法と
標準管理規約を理解していないと話になりません!
私はたまたま「管理業務主任者」の試験に合格していたのですが、
勉強しておいてよかったー!と心の底から思いました。
人が生活しているマンションって生き物みたいで、
毎日いろいろなことが起きます。
現場を預かるCLSの支配人と私たちは、
管理会社、マンション管理士の先生や弁護士の先生など、
パートナーになってくれるプロの方々と一緒に
日々マンションで起こるいろいろなことに
対応していっていますが、本当に毎日勉強です。
世の中の流れも早いので、
去年まで当たり前でも
今年は見直さなければならないことも沢山あるんです。
そんな「管理者管理方式」ですが、
実はここ数年マンション管理業界では
管理会社が「管理者」を担う流れが出てきています。
また、シニア向け分譲マンションを扱う同業他社さんでは、
あえて「理事会方式」を導入される会社さんもあります。
私はどちらも「アリ」だと思っているんです。
「シニア」とひとことで言っても
70代と80代では価値観も生きた時代も違う。
あと10年経って、
PCやスマホを使いこなす今の50代や60代が高齢者と
呼ばれる世代になったとき
今の高齢者が求める価値観と同じ訳がないですよね。
─読んでくださっている方に、伝えたいことはありますか?
私たちは「売って終わり」ではなく
「売ってから始まるビジネス」まで関わっています。
10年、20年と関わるなかで変わらない、
変えないものも、もちろんあると思います。
ただ、世の中の流れに合わせて
積極的に変えていかなければならないものも沢山あります。
今日、
「管理者管理方式」は一定の評価をいただいていますが、
管理会社さまがやる「管理者」も良いかもしれないし、
区分所有者の方々が「理事会やりたい!」と
おっしゃるなら理事会方式のほうがいいかもしれない。
これが正解、と決めつけず、
入居者さまのニーズや世の中の流れをきちんととらえながら、
これからも「イニシアグラン」の未来を考えていきたいと思っています。
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