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[人工衛星Emmaのキセキ]第5話 予定も予算も想定外!大幅なずれが続いた3つの原因
こんにちは。
あいです。
前回は人工衛星プロジェクトの全体像、~事前準備から衛星の打ち上げ、打ち上げ後にやるミッションまで~ について、概要をご説明しました。
今回は、そんな人工衛星プロジェクトが、どんなスケジュール感で進んできたかについて書いていこうと思います。
スケジュール、めっちゃずれる!
ひとことで言うと、スケジュールはめちゃくちゃずれました!
この「Emmaのキセキ」の3話までの流れだと、ミッションが決まったらあとはトントン拍子に進んだのかと思った方も多いと思います。
ところが、ここからが長い戦いの始まりだったのです。
どれくらい長びいたかというと、
当初、
2020年の春にキックオフし、2022年2月には打ち上げ予定だったところから、
実際に打ち上げたのは今年、2024年の8月5日でした。
なんでそんなに遅れたかというと、理由はいくつか挙げられます。
当初の見積もりが甘く、必要な物やことが後で次々判明した
知識不足により、各種申請に苦戦した
メンバーの入れ替わりが多く、引継ぎも不十分だった
それぞれ掘り下げていきます。
原因その1.当初の見積もりの甘さ
これは打ち上げが遅れた原因のかなりの部分を占めていると思います。
なにせ、このシリーズの第3話で書いたように、「人工衛星を打ち上げるにはまずミッションが決まっている必要がある」ということすら知らなかったような状態なので、いま考えてみればある意味当たり前ではあります。
ミッション以外にも、
「えっ、そんな審査が必要なの?!それでその審査をクリアするために、そんな準備が?!」
とか、
「えっ、それも用意しないといけないの?」
とか、
「あっ、そうか、打ち上げ後のミッションを果たすためにはそれも要るのか!」
……みたいなことが続出し、そのたびに対応に追われつつ、全体スケジュールを修正していったのでした。
原因その2.知識不足により、各種申請に苦戦した
これについては初めからある程度覚悟はしていたことなのですが、
それにしても想像以上に各種申請が難しく、一から勉強したり、これまでにご縁を紡いできたたくさんの方々にお知恵を貸していただきながら、四苦八苦して進めていきました。
原因3.そのメンバーの入れ替わりが多く、引継ぎも不十分だった
上記2つに加え、地味に痛かったのがここでした。
この人工衛星プロジェクトに携わっているメンバーは、全員が会社勤めやフリーランス、経営者など、本業を別に持ちながら活動しています。
そのため、仕事が忙しくなったなどの理由でこの人工衛星プロジェクトの活動を続けるのが難しくなり、プロジェクトから離れる人もいました。
みんな打ち上げを実現したい気持ちは本気だったと思うのですが、佳境に入る頃には各種作業やMTGが深夜に及ぶことも多く、どうしても両立が難しくなる人がいたのは仕方のないことではあります。
そうしたメンバー交代の際に、しっかりと引継ぎが出来ればいいのですが、スケジュールの都合が合わず、満足に引継ぎができずに終わってしまうこともしばしば。ひどいときには、離れたメンバーの手がけていたことをまた振り出しから始めなければならないケースもありました。
こうして書いてみると、1、2、3と書きましたが、それぞれがバラバラではなく、絡み合って遅れの原因となったのだなと思います。
想定外はスケジュールだけではなく
ちなみに、当初の予定より大幅にずれたのはスケジュールだけではありませんでした。
何がずれたのかというと、そう、
「予算」です。
どれくらいかというと、
キックオフの時点で想定していた金額から、最終的には桁が1つ上がりました。
ご察しの通り、これはなかなかとんでもないことで、資金の問題はこの後もずっとついて回ることとなりました。
そんな風に、このEmmaのプロジェクトはスケジュールと予算の両面で大幅なズレに直面し続けました。
その内部的な原因は、先に挙げたようにわたしたちの見積もりの甘さや知識経験不足、人的リソースの問題などでしたが、では具体的には何が大きなハードルだったのかというと、
周波数申請と地上局開設
になります。
ということで、次回はそのことについてお送りします。