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アインシュタインが解き明かした重力の正体!一般相対性理論とは?

「相対性理論」って響きはかっこいいけど、具体的に何?と思う方も多いはず。
相対性理論とは「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」の総称で、前回の記事では「特殊相対性理論」について紹介しました。

今回はさらにその先!「一般相対性理論」がどんなものなのかを一緒に掘り下げましょう。


重力の正体とは?

さて、いきなりですが、
「重力」とはなんでしょう?

・・・・・

様々なアプローチがあると思いますが、わたしが一番最初に思いついたのは、
「りんごが木から落ちる」
というものです。

りんごが木から落ちる

庭のりんごが木から落ちるのを見たアイザック・ニュートンは後に「万有引力の法則」を発見しました。
万有引力の法則とは、「あらゆる物体と物体は互いに引き合う力をもっており、物体が重さをもっているのは、物体と地球の間の万有引力による」というものです。
これは重さが大きいほど引き合う力も大きく、りんごと比べてはるかに重い地球など、星などに引っ張られる力を「重力」と呼ぶことが多いです。

ちなみに余談ですが、ニュートンの庭にあったりんごは「ケントの花」と呼ばれる品種で、収穫前に落果する性質が強い品種だそうです。
なので、もしこれがあまり落果しない性質のりんごであったら、万有引力発見の逸話は生まれなかったかもしれません。

さて、話を戻して、物体同士の引き合う力に着目したニュートン。

万有引力の法則(地球-月)

それに対し待ったを唱えたのは、またもやアインシュタインです。(実際には生きている時代が違うので、待ったは唱えていないですが。)

アインシュタインは、「重力は空間の歪みなのではないか?」と提唱しました。
正確には、時間も合わせて「時空の歪み」と考えました。

時空の歪み?と思う方もいるかもしれませんので、例え話で説明します。
ここに1m四方の布があります。
その四隅をしっかりと引っ張って、しわのないようにピンと張ります。
ここに小さいビー玉を弾き飛ばすとどうなるでしょうか?
弾き飛ばす強さにもよりますが、小さい力で弾いても、大抵の場合そのまままっすぐ進んでいくでしょう。
では、真ん中にとても重い鉄球をのせます。
当然布は鉄球によって下に沈んでしまいます。
そこに、先ほど飛ばした小さいビー玉を同じ力で弾き飛ばすと、ちょっと曲がったり、なんなら鉄球によって出来た穴に落ちていってしまうでしょう。

このように重い物体ほど布が凹み、周りの物体に影響を与えているのがわかります。
この布を時空とすると、重い物体ほど時空を歪ませ、周りの物体に影響を与えているということになります。

地球と月の関係(時空)

これが、アインシュタインが提唱した重力の正体です。
では、最初に話したニュートンは間違っていたのか?というとそうではありません。
現に、人類が進めている宇宙開発を支える科学技術には、全てこのニュートンが発見した重力の理論が基本にあるのです。
ただ、太陽やブラックホールなどより重いもの、つまり重力が強いものに関しては、アインシュタインが提唱した重力理論を適用する必要があります。
アインシュタインが本当にすごいのは、この重力理論はニュートンの重力理論をも包括しており、重力が弱いものにも適用できるのです。

一般相対性理論のおかげで迷子にならない!?

改めて、一般相対性理論は重力の理論で、重力は時間や空間を歪ませます。
宇宙の構造や星の成り立ちなどを考える際には必要不可欠なものです。

「必要なのは、宇宙関連の仕事や研究を行ってる人でしょ!!」

そんな声が聞こえてきそうですが、実は私たちの生活にも一般相対性理論は必要不可欠なのです。
皆さんは、初めて行く場所に向かう時どうしますか?
わたしは、スマホの地図アプリを開き、目的地を検索し、現在地からの所用時間を調べた上で最適な方法で向かうことが多いです。
特に住宅街など目印が少ないところを歩く時は、自分の位置情報が頼りになっていることもしばしば。
たまに電波が悪いからなのか、日頃の行いのせいなのか、本来いるべき場所と地図アプリ上の場所が違うことで迷子になることもあります。(とはいえ、10年前くらいの話で、今はとても正確!)

地図アプリ

この位置情報を把握するために使われているのが「GPS」です。
そして、この「GPS」にこそ、一般相対性理論が使われているのです。

GPSは、人工衛星からの位置や時刻に関する情報を用いて、自分の現在地が計算されています。

人工衛星と地球

そして、その人工衛星は地球の周りを飛んでいるので、地球上よりも重力が弱く、一般相対性理論によると、時間の進み方は早くなります。
この時間のズレは、1日でおよそ38マイクロ秒(38/100万 秒)です。

「なんだ!ほんの少しじゃん!」

と思うかもしれませんが、
実は、人工衛星の時刻情報が1マイクロ秒(1/100万 秒)違うと、地上では 300mもの誤差になるそうです。
つまり、単純計算で1日10km以上ずれてしまうことになります。
迷子どころか、そもそも地図アプリを使わない選択をしそうですよね。

なので、GPSでは一般相対性理論を考慮することで、時刻のズレを補正して正確な位置情報を求めているのです。

宇宙史を変えた!「一般相対性理論」

この一般相対性理論の誕生で一番発展した分野。
それは「宇宙論」です。

宇宙(イメージ)

宇宙全体を理論的に議論できるようになったのは、一般相対性理論が構築された後のことで、実はまだ100年程しか経っていません。
もちろんそれ以前、なんなら紀元前から宇宙については様々な考えがありました。
しかし、今ではよく知られている宇宙に関することは、すべて一般相対性理論構築後のことなのです。

例えば、宇宙がどう始まったか?
現在の宇宙論では、宇宙はビッグバンというとても熱い状態から始まり、今もなお膨張し続けているとされています。
そもそも、宇宙は無限でずっと変わらないものと考える科学者が多かったので、始まりという概念すらありませんでした。
しかし、一般相対性理論が構築され、数式によって宇宙を表すことができるようになったことで、科学者たちは様々な宇宙を表現しました。
その中には、宇宙が膨張しているものなどもあり、そこから宇宙論は始まったと言っても過言ではないのです。

また、ブラックホールという存在すらも一般相対性理論が構築されてからのもので、およそ100年後の2019年に初めてブラックホールが撮影された時は、鳥肌ものでした。

以上のことからも一般相対性理論が与えた影響は凄まじいものだとわかりますよね。

一般相対性理論が世界を変えた!

いかがでしたか?
きっと読者のみなさんにも、一般相対性理論が与える影響のすごさや面白さが伝わったことでしょう!!ぜひ今回をきっかけに、宇宙はもちろん、物理のことも好きになっていただけたら嬉しいです。

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