月の土地がブーム!?わずか2,700円で買える月の土地とは?
月の土地が買えるって本当!?
地球人に最も身近な惑星「月」。いままでも月面探査や月面調査が試みられたとおり、常に地球人は月を何かに活用できないか、調査してきました。
そんな月の「土地」が買えるのをご存じでしょうか!?実はこの地球上には「月の土地」を販売する会社が存在し、日本人だけでも既に15万人のオーナーがいるというのです。
実際に月の土地を買ってみた!
月の土地を販売しているのは世界でただ一つ、アメリカのLuna embassy社で、日本では正規代理店であるLuna embassy Japanの公式サイトで購入することができます。公式サイトをみると、プランがいくつか並んでいます。
基本的には紙の権利書と、それにどんなオプション(オーナーシップカードやファイルホルダーなど)を付けるか選択するようになっています
権利書だけの値段はなんと2,700円(税込)!
びっくりするぐらい安いです。どうしてこんな安いかは後々触れていきます。
月の土地は1エーカー単位で購入することができます。1エーカーあたり2,700円ということですね。日本ではあまり馴染みがない単位ですが、およそサッカーコート1つ分(約4,047㎡)に相当します。サッカーコート一つ分あると自分の家はともかく、自分用の宇宙船などもそこに置くことができそうだなと思いました。
また、権利者名のほか、権利を取得した日を任意に選べます。
これを自分の誕生日にしたり、結婚記念日にすることもできます。プレゼント用としてももってこいですね!
ちなみに購入するときに権利者の名義を指定することができ、本名以外の他、連盟での記載も可能です。推しのアイドルとの連盟で購入する人もいるのだとか。
通常の通販サイトと同じく、配送先の住所などの情報を入れると、注文完了です。
月の土地の権利書が届いた!
待つこと1週間ばかり。ついに月の土地の権利書が届きました!
権利書だけ注文しましたが、専用のスリーブに入っています。
中身は権利書、おおよその位置が示された地図、月の憲法の3点。
権利書にはきちんと自分の名前(権利者)と権利取得日が記されています。
月の土地のどの区画かも記されています。区画は選ぶことはできませんが、隣同士の区画を購入することは可能のようです。
私が購入した土地は、「J-5/Quadrant Bravo Trot」というエリアのうち、216/953の土地です。953区画あるうちの216番目ということでしょうか。地球から見たときに左下のあたりです。おおよその緯度と経度が書いてあります。
これで、月を見るたびに自分の土地を眺めることができます。すぐに向かうことができないのが残念ですが、遠くに見えるあの月に自分の土地があると思うとワクワクしますね!
いつか、月面旅行が当たり前になったら、自分の土地に行って、看板を立ててみたいですね。
そもそもどうして月の土地が販売されているのか?
月の土地を所有したい、という発想はなかなか出てこなかったと思います。地球上の土地ですら所有のハードルは高いですが、一体誰が実行しようと思ったのでしょうか。
月の土地の販売を思いついたのはアメリカのデニス・ホープ氏です。彼は月の土地の所有権について調べていました。すると宇宙に関する法律は当時1967年に発効された宇宙法しかなく、そこでは国家の月の土地の保有は禁止されていても、個人の月の土地の保有は禁止されていませんでした。
そこでデニス氏は1980年、サンフランシスコの行政機関に所有権を申し立て、受理されました。その後、権利宣言書を作成し、当時のソビエト連邦、国連、アメリカ合衆国に提出。意義がなかったためルナ・エンバシー社を設立し、月の土地の権利書を販売しました。
一方、国連は1979年に月協定を発行しました。月協定では、月の土地は国家、機関、団体、個人などに所有されないとしています。しかし、所有協定に加入していない国には効果は及ばず、アメリカ、ロシア、日本などは加盟していないどころか、国連加盟国中6カ国しか支持していないので、ほぼ死文化といっていいでしょう。
この抜け穴を利用して、月の土地の販売が今でも継続されています。2022年現在、世界で130万人の購入者が存在しています。
月の土地の権利書は本当に有効なのか?
こうして月の所有権が販売されているものの、真に所有権が認められているかというとグレーなところが多いです。
例えば日本の土地であれば、重複所有を防ぐために法務局を通して所有権を登記し、所有権を主張できます。
一方、月の土地はルナ・エンバシー社が発行した権利書のみが証明となります。一個人、一団体が所有権を主張しているだけなので、公的に「この土地はあなたの土地ですよ」と証明されているわけでもなく、他者の同意が得られていない状況です。もし自分の土地の権利を他の人が主張したときは、絶対的な対抗手段もなく、法整備もされていませんから裁判で争うこともできなさそうです。
このような状況ですから、本気で土地を所有し権利を主張するというより、月の土地を保有しているというロマンや話題を購入する、と言ったニュアンスが大きいといえるでしょう。
まとめ
月の土地の活用方法は置いておいても、2,700円なら買ってもいいかな、と思った方も多いのではないでしょうか?
私もその一人です(笑)
月の土地の権利書を持っているだけで、もっと宇宙のことを好きになれるし、色々な妄想も膨らみます。
実はルナエンバシー社では、月と同じように火星と金星の土地も販売しています。これから月面旅行や宇宙旅行が当たり前になると、地球以外の惑星を拠点に活動することも増えるかもしれませんので、いつかこの権利書が役に立つ時が来るかもしれません。
【参考文献】
公式HP LUNAR EMBASSY JAPAN
https://faq.lunarembassy.jp/hc/ja/articles/16154214855193
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