【宇宙イベント✖️コスモ女子】超小型衛星の先駆者から学ぶ！私たちの生活になくてはならない人工衛星とは？
コスモ女子では現在、宇宙分野で活躍する方をゲストに迎えて、宇宙に関する基礎的な内容を学ぶことができる「コスモ女子宇宙の基礎講座」を開催しています。
宇宙の基礎講座は2023年12月から2024年11月にかけて全12回実施予定です。
今回は「人工衛星」をテーマに、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻教授の中須賀真一氏をお招きし講義をしていただきました。
中須賀氏は東京大学工学部航空学科を卒業後、同大学院博士課程を修了。
日本アイ・ビー・エムに研究員として就職し、人工知能（AI）や工場の自動化について研究を行っていました。
その後、東京大学航空学科の講師を経て同大学助教授となり、1999年には小型衛星「CanSat」の打ち上げに成功。世界初の超小型衛星の発明は、宇宙業界の発展に多大なる影響を与えました。
現職に就かれてからは教育の分野に留まらず、宇宙ベンチャー企業の設立や様々な宇宙関連プロジェクトに携わり、今なお宇宙業界の発展のために最前線でご活躍されています。
私たちの生活がより豊かに、より便利に！身近で活躍する人工衛星たち
今回は中須賀氏より、人工衛星を通した宇宙開発利用の全体像や今後の課題についてや、地球規模課題に対する宇宙技術の利用まで、幅広くお話しいただきました。
昨今は、「人工衛星を作ること」が目的だったところから「社会や産業に役立つための衛星作り」へと変わってきました。
人工衛星は普段目にすることがないため身近に感じることが難しいですが、私たちの生活をより豊かに、より便利に、そしてより安全な社会を目指して様々な分野で活用されています。
日本の代表的な人工衛星
・地球観測衛星 ALOS-2「だいち2号」
地上600kmの上空から地球の地盤の動きを5mm単位で観測することが可能。火山噴火を察知し地震発生などの自然災害を予期したり、飛行機が着陸するたびに起こる空港の地盤沈下も観測することができるため、インフラの調査などにも役に立つそうです。
・航法衛星「みちびき」
日本版GPS（準天頂衛星）。現在は3〜5m精度で受信機の動きを探知していますが、近い将来には6cm精度の探知が可能になるそうです。精度の高い遠隔操作が可能となり、自動車の自動運転や農機の自動操縦などへの活用が期待されています。
・気象衛星「ひまわり」
2.5分に1回観測するため、精度の高い気象予報を行うことが可能。現在、5年後に打ち上げを予定している「ひまわり10号」の開発が進んでいます。
人工衛星に限らず、ロケットや国際宇宙ステーション（ISS）の開発など、宇宙業界の発展は私たちの生活にも大きく影響しており、この宇宙業界全体の発展を担っているのが宇宙ベンチャー企業です。
近年は宇宙開発が政府主導から民間へとバトンタッチされてきており、現在約100社の宇宙ベンチャー企業が立ち上がると同時に、宇宙業界への投資も年々増え続けています。
令和6年度の宇宙予算は約9,000億円にまで到達し、ますます宇宙業界が盛り上がってきています。
2050年には市場が200兆円にまで成長すると言われている宇宙産業ですが、今後は「宇宙×◯◯」といったように宇宙と様々な業界がコラボレートすることで、さらなる宇宙業界の発展に繋がると中須賀氏はおっしゃっています。
これからどんな「宇宙×◯◯」が誕生するのか、想像するだけでもワクワクします。
知識や技術がなくても人工衛星は飛ばせる！「アマチュア無線クラブ」の挑戦
コスモ女子から発足し、独立した団体である「コスモ女子アマチュア無線クラブ」は現在、人工衛星の打ち上げプロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトは、もともと宇宙の専門的な知識や技術をもたないメンバーが中心となり、人工衛星「Emma（エマ）」の打ち上げに挑戦し、「宇宙は特別な場所ではなく、だれでも挑戦することができる」という認識を広めることを目指しています。
2024年の打ち上げに向けて、アマチュア無線クラブの活動からも目が離せません。
▼アマチュア無線クラブ公式HP
https://cosmosgirlham.org/
さいごに
今回は中須賀氏から人工衛星を通して宇宙の魅力だけでなく、失敗を恐れずチャレンジし続けることの大切さを教えていただき、とても有意義な時間となりました。
そして宇宙をとても身近に感じることができ、これからの宇宙業界の発展がより楽しみになりました。
次回の第6回宇宙の基礎講座は2024年5月17日（金）に開催予定。テーマは「ロケット」です。ぜひ奮ってご参加ください。
【イベントのお申込みはこちらから】
私たちコスモ女子は今後も宇宙業界を盛り上げるべく、コミュニティやイベントを通して皆様に宇宙の魅力を発信してまいります。
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