SideMの各ユニット曲から一つずつ、だいすきを選んだら
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最初に結論を書きます。
一つになんて決めきれません。全部好きです。
全部好き=どれも特別じゃないのと同じでは?と悩みましたが、知らん。好きなものは好き。曲の数だけ、初めて聞いた時の思い出や、何度も聞いた今になってふと気付いたことがあります。
これは備忘録です。今書かないと消えそうな、あとでわたしのSideMの思い出として振り返るためのアルバムです。ゆえに、とは言いませんが私事ばかりでたいへん読みにくいです。万が一読まれる方がいらっしゃる場合は予めご注意ください。
(思いついたことを書いてるに過ぎないので、ユニットごとに文章量が違っても感情の差だと断定しないでもらえるとありがたいです)
Jupiter:Over AGAIN
アニメ9話のラストにかかるイントロの優しい音に引き込まれました。初めて聞いた日からずっと大好きです。
「この道」をきちんと3人分持ち寄って重ね合わせ、その後たった一言「自分の答えだ」と歌い上げるJupiterに強く心を揺さぶられます。次の「No turn」が3つでなく2つなのは(曲のリズムがそうだからというだけでなく)961時代もその後も彼らが振り返らなかったからだと勝手に解釈しています。「Because Over AGAIN」がアニメ0話EoJを経た9話の(その時点での)答えなのかな、だとしたらかっこいいなと昂ります。
アニメ視聴当時、961時代を知らなかった人間の個人的所感として、Jupiterは勢いのある曲か焦げつくような曲のイメージだったので、こんな過去の歩みを見つめる優しく逞しい音楽を発されるなんて思いませんでした。後から知った恋はじとも異なる温度で、新しいところに進み続けるだけでなく過去も蔑ろにしない姿勢がうつくしく感じられました。
アニメED映像では、秋の爽やかさと寂しさがJupiterのこれまでと重ねられているような気がして、じんわりとした読後感のようなものを味わいました。
3rd幕張のフルメン披露は円盤で拝見しましたが、新参の胸にもぎゅっと温度を届けてくれる素敵なステージでした。また聞きたいな〜。
※泣きの二曲目:運命光年
どうしても入れたかった。
6th東京フルメンありがとう。
Aメロで響いてるアコギの音がだいすきです。
優しくて強い、Jupiterそのものみたい。
わたしは子どもの頃から星空が好きだったので、星を見上げてるような歌詞と全然儚くない音がすごく胸に刺さりました。わたしにとって星は希望なので、それを勝手に肯定されてる気持ちになっているのかもしれません。
星のありかはとても遠くて、この瞬間も生まれたり死んだりしてるのに今は光が見える、それが嬉しいです。Jupiterが歌っているのを見るたび、星を見つけたときみたいな喜びがじんわり湧きます。
特に好きな歌詞はCメロ〜ラスサビです。
翔太の元気な「彗星さRainy day」を聴くと、雨降りの日が憂鬱でも窓を見れば流星群みたいに綺麗だよね!って世界をよく捉えるやり方を明るく教えてもらってるみたいで泣きそうになります。
北斗の「切ない日もorbit」は会えなくて寂しい日やすれ違ってしまったときも、そばにいる(いたい)って気持ちを優しく壮大に語っていて、気持ちの中身はいじらしいのに視点が高くて思わず微笑んでしまいます。
冬馬の「きっと全て運命へと愛を呼ぶために」は、愛とI(アイ)がダブルミーニングになっていそうで聴くたびどきどきします。ここでの「運命」=OAでいう「This way」「My answer」なのかな……。「愛」は冬馬たちが自分たちの道に誇りを持つことも含まれてそうだし、冬馬たちを応援するファンにも向けられているかも……? なんて、短い言葉でも思い出すことがたくさんあって、わたしでこうなら担当Pやファンの方々はもっと色々考えることや思い出があるんだろうな、それって至福だなと胸がいっぱいになります。
この曲は1番Aメロの歌詞でスケールの大きな夢を見せてくれるけれど、綴られた想いは何一つ傲慢じゃなくて、ただ切実だなと思えるので、そこもJupiterだ……とため息が出ます。
DRAMATIC STARS:ASTERISK
6th東京day2ありがとうございました。
わたしは桜庭薫が好きなので桜庭の話をします。
歌い出しを初めて聞いた日からずっとだいすきです。
アニメの桜庭は、PとぶつかるくらいにはPを頼っているように思えました。「君が僕の夢を阻むのか! 僕をここに導いた君が(要約)」という台詞にも、それが表れているように感じます。モバはもう少し先までいっているというか、信頼を預けている感じがあります。
どっちも好きなので、歌い出しの「君がいてくれたから」に疑問はありませんでした。桜庭が頼りないわけではない。Pが越権しているということでもない。本当にドラスタと、或いは桜庭薫とPで歩んできた道の、当時の答えが桜庭薫にとってのこの曲だったのだと思います。ゴニバソロコレ聴きたい。
モバのサイメモタイトルにあった「薫染」は、まさにドラスタの桜庭薫を一言で示す的確な言葉であり、この曲がドラスタそれぞれにとっての「ここにいるワケ」=薫染の過程と結果を歌うもの、と勝手に捉えています。
アニメの話をなぜしたかというと、この曲を聴いているとなぜかアラスタを思い出すからです。明るいアラスタと、冬の星空を思わせる冷厳な音の*、違うはずなのにわたしの中で結びついてしまうのは、貫かれている精神が違わないからなのかもしれません。
Altessimo:mermaid fermata
6th神戸day1での初披露が未だに忘れられません。CD試聴で聞いたきり買わずに、勝手に会えないと諦めていた片思いの相手のように遠くへ置いてきたこの曲が、ライブで瑞々しく奏でられるさまにただ涙しました。泣いたから偉いわけでも泣けないから無感動なわけでもないけれど、泉のように感情と嗚咽が溢れてくる謎現象を久しぶりに味わうきっかけの曲でした。
うつくしく気高い、切実なこの曲は、同日披露のネバエンと比べて希望を強く感じました。ネバエンにも希望はあります。絶望の中にも届く音であり、希望に向かう足をそっと包む音です。
しかし、mfはアルテの苦しみというより「苦しみに寄り添うアルテ」の姿が見えたので、ネバエンとは少し違うのかなと思いました。
mfは略すとメッゾフォルテになるとおり、今までよりもう少しだけ強く! と嵐の海原で息を吸う情景が見えました。そこにはどこか芯の強い勇気が窺えます。
痛んだことのある喉を震わせながら、もう歌えないかもしれない恐怖を間近に感じながら、それでも歌うためにブレスをする。声を失ってしまったマーメイドが、過去をやり直すのでも精霊に生まれ変わるのでもなく、今の自分として声を取り戻すまでの過程を想像しました。
すごくアルテです。
「苦しみを知るアルテ」が「それも歌にしよう」(ネバエン)と奏でた音色に思えます。それが、海を越えて空を突き抜け大地を進んで、わたしのところに届いた気がしました。画面を隔てているというよりは、ある意味で地続きのような。
わたしにとって発信元が画面向こうではない(と感じられる)ことは希望でした。画面の中のファンに向けて、画面の中のアイドルが歌っているのを遠くから見ている、という構図がどうしても寂しくなってしまうからです。わたしのことを歌う曲なんてありません。誰もわたしを知りません。当然のことなのにそのことに落ち込む謎人間でした。曲が悪いのでは勿論なく、単に好きな曲を聴いても頑張れない自分が嫌だったのだと思います。
でもmfを含めたSideMの楽曲は、寂しさを感じることがほとんどありません。相変わらずわたしは入ってないはずなのに、わたしの毎日に寄り添ってくれているように感じるのです。不思議でした。
6th神戸day1を見た当時、理由あって行き詰まっていた毎日の最中に聴いた、mfのまっすぐで優しい音色。わたしのそばにいてくれるという、わたしだけの大切な幻想が嬉しかったです。
Beit:Secret Ornament
軽やかに吹き抜ける風のようなアコギが心地良くて好きです。アンニュイな小雨の窓辺で頬杖をついているみたいなAメロも好きだし、サビ前のアコギ→サビで凛と視界が開けていく感じも素敵。
なのに少し切ないのは、咲き綻ぶ花と同じように命がいつか必ず散るから、永遠の輝きでないからなのかなと思いました。お城にいるだけの王子様だったら、ずっと続くまばゆさしか知らないかもしれないけれど、Beitは終わってしまう時間や笑顔を知っているから、今ある輝きの美しさを歌えるんじゃないだろうか……? 明るいだけでもない、暗いままで終わらない、かっこよくてまぶしくて優しいBeitが窺えてだいすきです。
真崎さんの詞もすごく素敵で、物の名前や仕草など、身近な風景から描かれるきらきらとした世界観を味わうたび、自分の周辺も綺麗に見えてきて嬉しいです。音楽って世界の見え方変えるんだな……。
フルメン披露、あるといいな横浜!
W:AFTER THE RAIN
7th愛知での披露、本当にありがとうございました。3rd円盤で拝見した時よりも『だいすき』って気持ちが積み重なっているからか、生披露を聞いたのが初だったからなのか、あの日とても幸せでした。
現地でイントロ聴いた瞬間、思わず(ああ……)みたいな息が漏れました。嬉しくて泣き叫びたい気持ちと、じんわり湧いてくる「好きでいてよかったSideM」みたいな感情が忘れられません。
Wの音楽がSLから始まったのはわかっていても、思い入れが深くてつい、この曲もWにとって一つのスタートラインに位置付けられるんじゃないかなと思ってしまいます。アニメで初めて聴いた時からこの曲がずっと好きです。
アイマス給湯室でアニメ6話コメンタリーをやったとき、きくてぃこと菊池さんがこの曲をとても好きだと仰っていたのを伺って、嬉しかったです。きっと演者さんは、全部の曲にわたしが想像する以上の思い入れをお持ちだとは思うのですが、名前を挙げて詳しく話をしてくださったのがとってもありがたかったです。
最初の台詞がとても好きなので、披露のたびに入れてもらえたらいいな、それくらいたくさんこれからも見たいな、と夢を見ています。
FRAME:Plus 1 Good Day!
担当になった理由。
気付いたら好きになっていました。
明るくて、優しくて、頼もしい歌声が、青空そのものみたいな爽やかサウンドに乗って届く。なんて幸せなんだろう。朝起きて瞼を擦りながらテレビをつけたらFRAMEがいて、おはようと一人の部屋に温かく降る声があって、いってらっしゃいまでサポートしてくれる。朝が来るたび嫌だったのに、いつの間にか明日またFRAMEを見るのが楽しみな自分がいる。すごい。
アルテのところで散々書いたのですが、この曲も自分の存在を寄り添わせてもらえる気がして嬉しかったです。かれこれ一年弱の錯覚。わたしにとっては体の一部みたいな音楽になりました。
何かわたしにもできることはないか、そう考えるようになったのは間違いなくこの曲とFRAMEのおかげです。ありがとう。その気持ちを、届けてくれただいすきなアイドルたちとそれを支える方々にこれからもずっと伝え続けられたらいいな。
彩:装 ~so beautiful~
恋も旅立ちもなんだって応援してくれるし、落ち込んでいる時に聞くと奮い立つ不思議な曲。美しいと心から思います。
披露された6th東京は1月頭で成人式シーズンだったのを踏まえ、MCでも言及してくださったのが印象深いです。あの日の現地や配信に参戦していたあらゆる世代の方に届くような言い方が優しくて、この曲には温かい想いがたくさん乗っているんだなと心震えました。迷っていたCD購入も決めました。
歌割りが彩高なのでSLみたいに無理かもしれないですが、ソロコレでも聴いてみたいです。
翔真さんだと「とんぼ玉に見透かされて」が特に聴きたいです。憧れた最初の気持ちがずっと眩しく輝いてる翔真さんなら、その思いが道を示す助けになってそうだし間違ってからでも進み出せそうな気がします。
九郎くんは「幼いあの日は」。九郎くんは弱冠19歳でもう誰かへ伝える側に立てるすごい人で、でも伝える側の人にもかつて「伝えられる側だった頃」があるんだと思います。その初心を九郎くんは実直に何度も思い返してそうなので、ここの歌詞を九郎くんの歌でも聴きたいです。
キリオくんは「着付けているその姿」の後に翔真さんがやってるコーラス。キリオソロで聴く想定をしていたら、なぜか特に聴きたい歌詞を一つ取り出そうとは思いませんでした。なんとなく、キリオは言葉じゃなくて音楽だけでも人をほっと微笑ませることができそう。
特にキリオはどこの歌詞をあてても「不思議な歌い方だ〜」って笑うひとはいるかもしれなくて、でもそれすら「(落語の、努力して磨いた芸を懸命に披露しているのにそうとは言わず)毎度下らない小噺」とする精神の裡に巻き込まれている気がします。それもキリオらしく感じられます。
High×Joker:Sunset Colors
アニメも3rd仙台円盤も最高でした。
ハイジョなら「少しずつ変わる」結果、夜になっても真っ黒だから何もできない!じゃなく、様々な色が輝いてるのを見つけて歌ってそう。
夕暮れに対して勝手におセンチなイメージがあったので、夕焼け→放課後→学生にとってはまだまだこれからのお時間!っていう発想がハイジョらしくてすごく好きです。でも一度しかない今日が少しずつ終わりに近付く切なさも感じられて、たくさんの表情が見える曲だなと思います。
曲を聞くたび、彼らはまぶしいけど目を細めてるだけじゃだめだなとも考えさせられます。
青春してる子たちはいいな、と中心をぼんやり眺めていたときと同じ気持ちで、今を悩むハイジョのみんなに「大いに悩め」「君たちはいいよな」みたいなことを思うのは無責任だと思うので、直接担当したりお近付きになったりすることが現実になかったとしても、ファンとして、応援の気持ちを届けられるようにしたいです。
神速一魂:RIGHT WAY SOUL MATE
清水さん作曲、編曲に山下さんを加えての松井さん作詞、好きしかない。WAYとMATEで韻を踏んで、RIGHTとSOULは母音が分かれてるの、同じユニットだけど背中合わせで別の方向を向いてる神速の姿が浮かんで心が燃えます。神速一魂が二人ユニットで本当に良かった。
なんだかこの曲は、ここまで自分らが歩いてきた道を振り返るときに失敗や後悔じゃなく「オレら、一緒だったよな」って今もずっと背中合わせの温度で実感してるイメージがあります。要するに、過去っていう後ろに目は向けてるけどネガティブじゃない。それがすっごくだいすきです。
神速にそういうのは似合わないってことじゃない。人間相手に喜びや楽しさしか持ってないんだろと思い込むのは非常に心ないと思います。彼らにも絶対、つらいことや苦しいこと、わからないこと、迷うこと、不安、懊悩、困難がたくさんあったはずです。なかったとしてもそれはたまたまです。なのに神速の二人はこんなに燃えた心でこれまでの道から目を逸らさず見つめ、その上で「じゃあこっから先も共に行こうぜ」って肩を組んで歩いている。
なんてかっこいいんだろう。
ずっとそんな気持ちが燃えて、曲が終わると深いため息が笑いに変わって、もう笑顔です。神速に心を救われています。お子さんからじいさんばあさんまで遍く人に魂を燃やす喜びを届けてる高校生、まぶしすぎる。ついていきやす。取り止めもなくそんなことを浮かべてはまた神速が好きになる、そんな曲です。
Café Parade:Delicious Delivery
全部だいすきです。その上でさらに好き200%なのが2番サビ前。アスランの「寂しい気持ちなんてさせない」から始まる歌詞、全部が彼ら自身に響く言葉だけど「自分は頑張る!」で終わらず「自分が味わった悲しみや喜びを糧にして、あなたの感じる寂しさや悲しみをほどきにいくよ! 知ってるからわかるよ!」とするのがカフェパレのすごいところだなと思います。キャラソンで終わらないアイドルの歌、まぶしすぎる。
567プロの跋扈に際し、カフェパレは、あと一歩どころか何十歩も重ねておうちまでお届けにあがりました〜!お邪魔しまーす!してる。この曲を聴いていると「客になってるだけじゃだめだ!」と強く思います。わたしにとっては、まだ何かできないか、彼らのことをわかったつもりになってないか、問い直すきっかけをくれる曲です。負担でも義務でもなく、そうしたい、それができる自分でいたい、と思えるので、前向きでいられるのも幸せです。
カフェパレがいてくれるから、あと一歩を踏み出せる。お店なのに、アイドルなのに、あるいはだからこそ彼らはいつも心に寄り添ってくれる存在です。だいすきで、もっとたくさん愛されてほしいから、これからカフェパレと出会う方にも、この曲で心をほどくひとときの嬉しさと安堵が伝わったらいいな……なんて謎目線で思ってしまいます。
もふもふえん:伝えたいのはこんなきもち
ソロコレ最高だった〜!!仕事終わりに聞いては涙腺を潤ませてしまう、心身のおくすり。もはや寝床。元気いっぱいのもふが歌う優しいおうたがだいすきです。
いたいのとんでけして、にっこりさせる作戦いっぱい立ててくれて、ただ無造作にこぼれた笑いを「ムリヤリじゃない笑顔」といってこれからも見ててくれるアイドル……なんでそんなに素敵なことしてくれるの……何を返せばいい……? ファンレター書くからね……。
もふの歌を聴いてると、幼児退行でなく対等な相手への思いやりをたくさんの人に届く言葉にしたら、こうなったんだなって思えるので嫌な気持ちにならない。子ども扱いされて喜んで馬鹿みたいとか微塵もない。だって侮られてるわけじゃない。歌の中でもふは「キミ」がとても大事で、元気になってほしくて、思いつく限りの手段を試している。そんなの侮る相手にできるわけない。含まれた意味を理解しようとしなくていいくらいに優しい言葉だから、幼い頃似たようなことを家族に言われたことある人もそうでなかった人も、思いやりの気持ちをきっと感じられる。もふの届け先の多さ、視野の広さに胸がいっぱいになります。
S.E.M:√EVOLUTION
SLベスト(2021年7月発売)購入後、SideMでは2枚目に買ったCDがゴニバ04なので思い入れがあります。アニメを見て舞田を担当すると決めた頃でした。
どのパートも好きで、音楽からしてもう好きだったのですが、特に歌詞が素晴らしくてお気に入りです。舞田類の「違ってることを恐れずに」とミスターやましたの「欲しがってることを隠さずに」、Cメロ舞田の「必ずたった一人だけで」とミスターやましたの「問われる時が来るさ」、そしてミスターはざまの「だから見せてほしい」はS.E.Mにしか歌えないと感じます。
よくある応援ソングなら、みんな仲間だ頑張ろうで終わり。だけどS.E.Mは「必ずたった一人だけで問われる時が来る」と言うのです。進む勇気を出さなければならない道がこの先に、または君の足元にもう伸びていると。恐ろしいことです。逃げたくなります。だけどS.E.Mは「だから見せてほしい君の真価(進化/深化)を」と続けます。都合の良い解釈ですが、わたしはどうも、君ならしんかできるとこれまでの過程を見てきたかのように背中を押して送り出してくれている気がしてなりません。なんで知ってるの……一人で勝手に頑張ってたことなのに……? 気付いたら背後に、あるいは道の先にS.E.Mがいてくれる。音楽がそばにある。歌が寄り添ってくれる。なんて頼もしいんだろう。ミスターはざまのだいすきなオリピソロLearning Messageラスサビ『共に進もう 教えてほしい 共に解き明かそう』を想起して滾ります。社会に出たらそうなるのだから成果だけを評価しよう、失敗したら呆れて鼻で笑う、逸脱など許さない、じゃない先生、心強い。
要するに、この曲の歌詞はアイドル本人に寄り添うものであると同時に、聞く人の背中を押す言葉にも聞こえました。錯覚でいいです。わたしはこの曲に幾度となく助けられています。キャラソンで終わらないSideMの歌がとても好きです。
聞いているうちに知識の防護服を着て、宇宙シャトルに乗り込んでいるような気持ちになります。自己肯定感爆上がり。わたしを搭載したロケットが未知に飛び立っていくぜ! 推進力になるエンジンも衝撃から守ってくれる外殻もS.E.M! なんなら何時何分にセンターから打ち上げられたのか見ててくれるアナウンスもS.E.M! バッチリだネ!
THE 虎牙道:PROOF OF ONESELF
6thありがとうございました。
届けてくださったおかげでファンになりました。
ラップに馴染みのないわたしでも、THE 虎牙道のおかげで叩きつけるリズムの快感を知ることができました。ユニゾンが強く尊い彼らの歌もバチバチのリリックも好き。
タケルに入場曲があったかどうか、3人のパラメータコンセプトがどうなっているのかは存じ上げないのでさておき、およそ音楽と密接には関わりがなかったであろうTHE 虎牙道から「旋律が魂に呼びかける」という歌詞が、しかもサビで出てくる箇所、最高に熱くて好きです。歌やダンスという武器と戦場を得た彼らの高らかな叫び、今までも今もこれからも全部乗せてるその在り様がこの曲は特に強く感じられて、鼓膜も脳も四肢も震えます。他の方にとってはまた違うんだろうな、それは可能性の具現じゃん……ってもう何でも好きじゃん状態です。
7th愛知で彼らの生のパフォーマンスを浴び、一番ない話だとはわかっていながら、THE 虎牙道の曲こそオーケストラで聴きたいなと思ってしまいます。荒々しいビートだけでなく、獣に感じるような生の輝きや美しさをTHE 虎牙道からも感じたからです。オーケストラで奏でられるのは俗世とかけ離れたことを讃える音楽なのかもしれないけれど、SLのA面「強く尊き獣たち」イントロ〜歌い出しまでの間に来るストリングス(ヴァイオリン単体?)がとても好きなのでつい、ミスマッチじゃないのでは? などと妄想してしまいます。
F-LAGS:Hope’s Journey
6th神戸で初披露を聞いて画面前で大泣きし、東京で短期間でなんでこんなパフォーマンス向上をぶつけてくださるの!?と突っ伏し、北海道で画面越しに白旗スイングしました。いつだって背中を見せてくれて、旗を掲げてくれる。遠いときも近くにいるときも励ましてくれる。かっこいい。
WFと続けて聴くのがお気に入り。
苦難や光の差さない日々、壁の多い夢路を「旅」と捉えて進む彼らは、旅の途中で出会う良いことも悪いことも大事にする意思が感じられて非常にまぶしいです。
なのに彼らは見ててじゃなく「行こう」とこちらを振り返ってくる。いいよ今の日々は夢と関係ないし、そもそも夢とかないし、と虚無だけの自分に、大きいことだけが夢じゃないよって言ってくれているみたいで、すごくつらい。「身のまわりに目を向けてみて、何を感じる? そこで感じたことと同じように、たとえ人に話すと恥ずかしいことも、他にいくらでもすごい考え方の人がいても、自分の中に持っているのはいいんじゃない? 視野が広くなるかもよ!」って遠ざけてたことをもう一回教えてくれる。多分そんなことは言ってないとわかってても、それがつらくて、でも嬉しい。
風のように爽やかで、厳しくて、なぜかいつも新しく感じるこの曲がだいすきです。
Legenders:Time Before Time
レジェの曲はどれもダンスが好きで、レガスピやFOYLのような激しいダンスも、動きは易しくないけど優しいシンブレのようなダンスもかっこよくてライブがとても楽しいです。
この曲を3DMVで見たとき「今までにないレジェだ!(○年ぶり○回目)」と震えました(非P並の感想)。
思わずリズムを取ってしまう心地良さ、夜を思わせる雰囲気が自分の好みに刺さって今も抜けません。星を見ながら豪華客船でクルーズか、レストランでのディナーシーンを見ているような気持ち。これ月9ドラマの主題歌では!?(パマフロもそうじゃん……サイスタイベはそんなことしてないよ……)
自分がタイアップなどに疎いせいか、風景が浮かんだ歌をすぐドラマの主題歌にして劇中劇の構想を練る病に罹っているため、勝手に滾りました。
この曲は冬の夜。明るくなって別々の時間を過ごしても、一緒に過ごした夜を思い出してしまい、そういう経験に乏しくて友人との時間に浮かれているのだろうか、なんて思っていたがその夜のことを考える頻度も時間も増えて、仕事で同僚に話したりして、浮かれ過ぎだと言われるつもりでいたら向こうは「いや〜、それは……」と意味深に言葉を濁すやつ。首を傾げる主演の役。自覚の決定打は、ありがちだけど思い出に惹かれるまま同じ場所を訪れたら相手もだった!パターン。そこで成就するのか、相手の「……一緒に来たいなと思う人が、いるんです」という言葉で凍りつく(相手にとっては大胆な言葉になっちゃって、告白を続けるつもりだったけど主人公には伝わらないまま話が進む)とか! もう曲の話じゃなくなっている。
ともかく、レジェに「必ず変化していく歴史」としての溶けてしまう氷も「凍りついて大地の一部になる」遺産としての氷もあてるセンスに、脳が噴火しました。シャニのまみみちゃんソロもそうだけど、松井さんの皮肉に混ぜた祈りや願いが感じられる作詞、すきだな……。
C.FIRST:Trust Me Now
クラファで一番好き。普段こういう系統の曲はあまり聞かないので新鮮でした。サビの眉見「雨が降っても」あたりのリズムも好きだし、天峰の「強くな〜れる〜」のメロも百々人の「っいくたっにっあっるっ選択っを〜」の歌い方も好きです。クラファが好きだからなのか音楽が好きなのか、卵か鶏かわからない。
わたしはこの曲を勝手に「クラファは要庇護者じゃないしそれで終わらない」みたいな公式からのメッセージと受け取りました。
今の時点ではまだ彼らを頼ろうと思えなくて、歌詞の荷が重いなと感じてしまうけど、それはおそらくこれから劇的に変わるものじゃなくて「それでも、と言い続ける強さ」をそうとは見せずに示し続けるんじゃないかと思います。だからファンからは特に気兼ねもなくかっこいい!すごい!素敵!って大切に思われてそうだし、たまに隙が出てもギャップになる気がします。弱さを決して画面向こうに見せようとしない三人のユニットなんじゃないかと。
だから最後の「ついてきて」が軽やか。頑張らねえとな……って感じ皆無でした。あ、行けばいいんだ、じゃあ行こうってついて行けそうな感じ。その実、彼らや周囲の夥しい努力があるけどファンは知らなくて、それは誰が悪いとかの話じゃない。ないのと同じにしてくれてる。ないわけないのに。爽やかで、不遜でなく不敵。レジェとはまた違う「後発」の力を出してくるユニットだと感じました。
タイトルが、いつか未来で信じてじゃなく「今、信じて(しかも俺たちweじゃなくて俺/僕/俺me)」なのも、ファンは暇じゃないんだ、長くなんか待たないでしょ、もう今だからって歩いていっちまう印象を受けました。クラファが戦う相手、他人じゃなくて自分だからなのかな……。
以上、取り留めもなく書きましたが、サブスク解禁時の参考になれば嬉しいです。なるか……?
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