2023年4月まとめ 小説・街とその不確かな壁。映画・世界の終わりから
あっという間に過ぎてしまった。例年よりも花粉に苦しめられる期間が短かったような気がする。坂本龍一が死んだ。
大逆転裁判1・2
PS4版の大逆転裁判1・2をセールで買って遊んでいたのだけど、大逆転裁判2の第四話をうっかり飛ばしてクリアーしてしまった。一体お前は何を言っているのだ、と某コップ(略し方)の顔をしてしまうと思うが、この大逆転裁判1・2はセット売りであり、最初からどの話数からでも遊べるシステムとなっているのだ。僕もDS版を買って遊んだ時は、ちゃんと1話目からクリアーしないと、2話を選べなかったし、もちろん3話も選べなかった。当然の事だ。初めて遊ぶ人がうっかり手を滑らせて2話から始めてしまったら、一体何のゲームなのかわからないまま「クソゲー」呼ばわりされてしまう。今回のPS4版は「もう昔のゲームだし、知ってる人しか買わないっしょ」的な考慮で、最初から全話どこからでも遊べますシステムが導入されたのではなかろうか。だから、第一話をクリアしたときは、いちいち自分で第二話を選ばなきゃいけないし、第二話をクリアしたら第三話を自分で選ばなくてはならない。嫌な予感はあった。遊んでいて、自分が第何話を遊んでいるとか、絶対覚えてられない。「CLEAR!」みたいな印がついてればまだセーフですけど、そういうのもついていないから、第三話を遊び終わった後、大ボリュームだったし、確かこの後第五話だったよなと思い込んで、そのまま行っちまった訳である。第五話を始めたらいきなり裁判パートで、見覚えのない証拠品がギッチリと詰め込まれており、「ナルホドウくん…頼りにしてるわよ」みたいな事を突然言われてしまって、今までで一番リアルナルホドウ君の気持ちが味わえた。裁判当日に頭を打って記憶を失った弁護士の気分を味わえた。それでも一回だけインターネットでネタバレを見た後は、何とかクリアーできた。いきなり大逆転裁判1・2における大切な仲間みたいなひとが死んでるのがすごく面白かった。なので、不思議と満たされた気持ちでエンディングを見て、そのあと第四話やってない事に気付いたけれど、まったくやる気が起きやしない。たしか、つまんなかったんだよなあの第四話(酷いことを言う) 無くて良いと思う、第四話。とばせ、とばせ!
ホットドッグブーム
寒天ブームが去って、ホットドッグブームが僕だけにやってきた。ソーセージを焼いて、ホットドッグのパンに挟んで喰うだけである。ホットドッグのパンは焼いておくと美味しい。映画ハード・ウェイで、ジェームズ・ウッズが鬼旨そうに公園の小汚いワゴンで売ってるホットドッグを食べているシーンがあって、その食べ方というのはホットドッグの上にフライドポテトをガン乗せしてめちゃんこトマトケチャップとマスタードを掛ける、というものなんだけど、あればっかりは本場アメリカでやってみないと味の再現はできないだろうな、と思ってやらなかった。あの作品は面白かった。ジェームズ・ウッズのファンになった。
街とその不確かな壁
村上春樹先生の新刊が出て、大喜びで買いに行った。本体価格2700円で、ぎり3000円に届かない、という感じで(高くて)驚いたし、本屋で手にとった時の分厚さにも驚いた。何日か掛けて読み終えて、充実した読書体験であった、とまとめたい所だが、とても寂しい気持ちにもなった。静かで難しく、アクションシーンもない、けど、とっても親密な気分になる映画が終わった後の虚しさ、というか、何というか。
僕は文章を書く方面の者でありながら、あまり村上春樹以外の本を読まないので、このコロナ禍で月イチで様々なプロ作家の本を読み、腹に落として感想を述べる、というような事を30回繰り返していたので、かつその間、村上春樹の本をほとんど読んでいなかったので、久しぶりの村上先生の文章を読んで、断酒してた準アル中がキンキンに冷えた中ジョッキを飲み干したみたいな(アル中になった事ないから、想像でしかないのだけど)「これこれコレェ〜〜!(アヘ顔)」みたいな気持ちになって、毎晩寝る前に読むのが楽しみだった。この、これこれ〜!っていうのが、どれだよ!ってちゃんと説明できたり、少なくとも自分だけででも理解ができればいいんですけど、とっても難しい。今回の小説も「こういう話!」って一言で難しいから、リアルで会う人に「村上春樹の新刊買って読んでさ〜」という話もしなかった。新刊も「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の世界を踏襲しているというか、利用しているので、そこに戻れてまた懐かしい気持ちに浸れて面白かった。どちらの小説にも言えるのは、終わり方最高か、という事くらいです。終わりを読むためにあの分厚い(あんまり意味の分からないような、分かるような)小説を読み切った感がある。理屈も、筋も通っているようで、通っていないようで、やっぱり通っている(ような気がする)事が数年後に分かるような事が何度もあったので、これはまた読み返すのを楽しみにしていきたい。色んな作家の小説を読んで、改めて村上先生の小説を読んで思ったのは、確かに、真剣さを持って文筆で身を立てている人たちにとって、村上春樹小説というのはイラッとくるものなのかも知れないな、という事だ。
読書の習慣が戻ったので、その後続けて海辺のカフカも読み返した。やはり、カフカは良いものだ。長編で一番好き。今は1Q84のBook2で、青豆が教祖をぶっ殺したところまで読んだ。牛河がダントツで良い。もうすぐ酷い死に方をするけど。
映画 世界の終わりから
紀里谷和明監督がこれを最後に監督を引退する、というのをツイッターで見掛けて、「それはイカン! 見に行かねば!」と慌てて観に行った。前情報無しで行ったから、岩井俊二監督が役者として出てたり、夢の中でいたいけな女の子が異世界に転生していったり、世界がアレしたりと、まさに衝撃の連続でしかなかった。面白かった。僕の紀里谷監督暦はFINAL DISTANCEの MVからで、ズビョーンと脳天を貫かれてからは欠かさず映画館へ行ったり、DVDで GOEMONを本編とコメンテータリーで続けて二周しちゃうくらい好きだったので、引退はとっても寂しい。光のMVも良かったし、サミュエル兄貴が出てた映画も良かった。その後Twitterでスペースを聞いて、あの映画キャシャーンがもたらした影響というのが、どれだけ監督を苦しめたのかを知るにつれ、辛い気持ちになった。また、岩井俊二監督と語るYouTubeなどでも、「お客を映画館まで足を運んでもらって、二時間座席に拘束する」事について、二人程の監督でもものすごく大変な事なのだと意識している事にハッとさせられた。楽してる創作者は一人もいないんだぞ、という事を肝に銘じたい。紀里谷監督にはいつかまた映画なり、MVを作ってくれれば嬉しい。名前が変わっていても、見れば絶対「あ、これは!」って分かる。その日を楽しみに待とう。
シン・仮面ライダー
観る気はなかったのだけど、高野ザンクが観ると言うので行ってきた。日比谷というキラキラなシアターで鑑賞し、その後マクドでしこたまジャンクフードを買い込み、薄汚い御徒町のいつもの俺たちのカラオケまねきねこにシケこんで喋った。雨が降ってきても楽しかった。映画はあんまよく分かんなかったけど、血が沢山出てて面白かった。後日、NHKでやってたメイキング・ドキュメンタリーが面白かった。そんなシーン、あったっけ?っていうのを沢山苦労してスタッフの方々が撮っているのを観て、映画ってガチで大変なんだなぁ…と言葉を失った。特に庵野監督と、アクション部門の水と油ぶりが、オタクvs陽キャの代理戦争のようにも見えて、何とも言えない気分になった。ライダーの着ぐるみは文句なしで格好よかった。
というような感想を語ったツイキャスのYouTubeはこちら。ツイキャスのYouTubeとは。
五月からは19日(金)から毎週何かしら小説を更新していきたい。
頑張るぞ!
観たやつ ☆超おすすめ ◯変だけど面白い
テトリス(Apple TV)
ブレット・トレイン アマプラ ◯
ガンズ・アキンボ アマプラ
卒業試験(1974) アマプラ
世界の終わりから 映画館 ☆
シン仮面ライダー 映画館
べ、別にお金なんかいらないんだからね!