目の前より別の横断歩道の音響のほうが大きくはっきり聞こえる?!―視覚障害の歩き方

大変久しぶりの、上野広小路でのバス乗り換え。
乗り換えするバスの場所は、4車線の広い大通りの横断歩道を横切った先にある。

上野広小路、色々な店の音や街の雑踏の音、車の音、工事の音などで、実は結構、必要な音がかき消されている。

かつて…、とはいえ1か月ぶりくらいなのですが、慣れていたはずのその音響横断歩道で、青になるのを待っていたら、青になったと同じ音が鳴り始めたのだが、どうも右十何メートルも先にあると思われる横断歩道の音響のような。方向が同じなのかわからないが、同じ音なのだ。
(同じ音ということは、同じ方向の横断歩道であるとは思われるのだが。)

しかも、なかなかでかいというのか街のあちこちに反響して聞こえてくるため、本当に初めてだとまるで目の前の横断歩道の音響が鳴っているかに錯覚しかねない。
が、一応かつて慣れていた私の感覚では、「ん?これ、何か違うような…ここの青ではない!」と思い、もう少し待っていた。

すると、また同じ音が別のところから聞こえてきた。今度こそ目の前の横断歩道の青のおとか!と、思ったのだがどうも、先程の音より明らかに音が小さく、少し聞こえにくい。
周囲の雑踏の音や、十字に走っている道路の車の音やそもそもこの横断歩道で止まっている車の音が混じり、4車線の車がとまっているかも自信がない。
う、どうしようどうしようと思いながらしばらく必死で耳をそばだて、よし、きっとここの音だ、渡ろう!と足を踏み出した途端、その音響の音が消えた!まずい!と思って踏み出した数歩をまた後ろに戻ると同時に、おじさんの声

「あ、点滅しちゃった!やめといたほうがいいよ!」

「あ、やはり今ここ、青だったのですか?」と聞くと、

「青だった。今ね、赤に変わったから、次に渡るといいよ。」と教えてくれました。

お礼を言うと、そのおじさんは信号待ちではなかったようで、行ってしまった。

音響信号で一度待っていたのにも拘わらず渡り損ねた、悔しい、と思いながら次の青を待った。

音響が鳴り始めた…が、いやこれは違う、さっきの大きな音、別の音響の反響だ!

更に待って、やっとこの横断歩道の音…のはずなのだが、やはり何だか聞こえにくくて不安がある…
恐々踏み出そうとしていると、隣からお姉さん「青ですよ!」の声。
ありがとうございます…!



音響はあっても、やはり人の教えてくれる声でやっと渡ることができました!!



都会の大道路の音響信号や、4車線で横断歩道自体の長さが長い横断歩道は、横断歩道の4車線の距離を越えて音が届くのが、聞こえにくく、下手をすると別の横断歩道の音響の音のほうがあちこちに反響して、結果的にそちらのほうが大きくしかも道路の向こうから聞こえてくるような錯覚を起こすことがあります。

逆に言うと、今回のような場合、私は目の前の横断歩道の音響のほうが小さく聞こえましたが、それは音波が何かにぶつかったり風で届きにくくなっていただけで、実はまったく別の横断歩道で待っている人にはなぜか反響して響いて大きく聞こえている可能性もあります。

音というのはこういう特性がある上、音響信号があるからといって横断歩道の長さや距離までは白杖使用者にはわかりません。
音響がなぜか鳴らない時もあるし、自分で判断する横断歩道より別の危険性や恐怖を孕むので、やはり横断歩道で白杖使用者を見かけたらお声がけいただけると本当に助かります。


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