白杖使用者の冒険ーバスに乗って着席するまで

家の近くのバス停ではあるが、初めての系統のバスを試したときのこと。

バスが開いて乗り込み、目的地へ行くかどうか確認後、「空き席がありますか?」と聞いたら、
「あ、はい、空いてますよー」との返事。

あ、あ、あ…ええっと!
「空いている」ことがわかったのはありがたいが、このままではどの席が空き席かはわからない!

ではキャッチボールもういっこ!

「どこが空いてますかね?」

「あ、ええっと…な、なんて言えばいいのかな(焦り出し)。左側どこでも大丈夫ですよ!」

「左…こっちですかね。」と、一応確認と思い、私から見て左、運転手さんの真後ろ側の列を示したら、

「あ、ああっと違います、逆側です!」

あ、やはり運転手さん、バックミラーで見て「あ、左側(優先席側)あいてる!」と思ってそのまま口に出してくださったのでしょう。

お礼を言って優先席側にそろりそろり近づくと、「はい、もうちょっとそのまま進んでください!」との声。

運転手さんも多分白杖使用者への声かけは不慣れだったのでしょう、お互い何度か会話のキャッチボールを要したため、ちょっと時間をかけてしまいました。

その後、何名か次々乗り込んできた間に私も無事着席をしましたし「お待たせしました、ありがとうございます!」と声も発しましたが、一生懸命丁寧に対応してお時間くださり、運転手さんも他の乗客のかたも、ありがとうございました!

バスの運転手さんによっては、私が「空き席ありますか?」と聞くと即座に、「はい、そのまま進んでいただいて右側の優先席、3つとも全て空いていますよ。」と言った上で私が進むとすぐ「はい、そこの右側です!」などとスムースに声をかけてくださったり、時には私が聞く前、ICカードをぴっとしたら「〇〇の席が空いていますよ」などとさらっと教えてくださる場合もあります。
が、こういう、キャッチボールの回数をすこーし要してしまう場合、「空いてますよ」と言われて(あ、これ以上聞くのは…)と遠慮してしまい空き席があるのに結局立っているという選択をしてしまう場合や、そもそも最初に空き席を聞く、ということ自体、ためらってしまう場合もあります。
しかし、そうすると、乗車中危険なことが起こったり体調不良を引き起こしたり、あとで別の場所でそのツケ(つまりバスの中で通常のかたがたの何倍もの緊張集中状態を引き受けて精神体力を消耗したツケ)で危険なことが起こるなどなど、逆に時間をかけ世の中に迷惑をかけてしまうこともあります。
そのため、最初のちょっとのお互いの判断、配慮がかなうと、本当にありがたいし、普段急いで生活しておられるみなさんにとっても、結果的にスムースになります。

ほんのわずかな間のご協力、見守り、本当にありがたいです。
そして、白杖使用者側も、なるべくスマートにスムースに、お互い安全なかたちで必要な情報を得る技能を成長させていきたいですね。


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