バス停で白杖使用者が困ること

家のほぼすぐの道路にバス停があることはわかっていたが、初めてのバスに乗る必要があった。

この道路、1ブロック程度の間にバス停が3つくらいあり、しかも一つのバス停につき3系統くらいある。

どのバス停かまではインターネットで調べてもわからない。
一か八かで行ってみようと、家から本来なら1分の距離に15分近く見て玄関を出ていたのだが、思いのほか3つあるはずのうち端っこのバス停が見つからぬ。

何とか見つけたが、周囲に人がおらぬ。

何とか必死でビーマイアイズ(画像認識アプリ)を立ち上げ、バス停の方向へ向けて撮影して画像解析、それでも「バス停らしい」くらいしか最初はいわないので、その後にテキストフィールドに文字入力で「このバスの系統は」と入れて詳細を聞く必要がある。
四苦八苦しながら何とかテキストフィールドを探り当てて入力、何とかがんばって入力完了ボタンを探して再解析したが、このバス停はハズレ!

では仕方ない…次のバス停へ。

次のバス停を発見し、また人がいない(ヒトの気配を感じない)。

解析するにも、時間のある時に落ち着いてゆっくりやればできるが、ささっとできる機能ではない。
解析自体に失敗して何度かやらねばならない場合もある。

声を出してみたが周りに人がいないし通行人らしき気配は反応がない、恐らくただ通り過ぎてしまっている。
時刻がどんどん迫っており、もう仕方がない、と、歩道の真ん中で、あっちに向かいこっちに向かい大声で「すみません!どなたかいらっしゃいませんかー!」と何度も叫んだ。

が、私が叫んでいる意図も逆に訝しがられるのか、通行人の気配はあるのに誰も反応してくれない!

そんな時、「すみません!誰かいらっしゃいませんか!バス停を探しているんですが!」と叫んでみると、どうやら今しがたいたバス停からか?私が叫んでいる間に来たのかな?おじいさんが近づいてきて、「どこ行きたいの?」

バスの系統を答えると、「ここ、ここ」と言って、次に来る時刻まで教えてくださいました。


本当に本当に、救いの声でした。


白杖使用者は「話しかけられそうな人がいるかどうか」を見つけたり、その方向を特定して話しかけることができませんので、路上で叫ぶしかありません。
が、すみませんと叫べば、逆に、これは晴眼者文化では普通やらないことなので、「誰に何の用で道の真ん中で叫んでいるのか」と構えられ訝しがられてしまい、逆に遠巻きに避けられてしまいます。
かといって聞きたい内容を道の真ん中でつらつら叫ぶわけにもいきません。


バス停で白杖使用者を見かけたら、例え慣れているバス停でわかっていたとしても必要な情報が不足状態であることが多いですので、一声、お話かけいただけますと本当に助かります。

次にどこ系統のものが来るのか、そもそも何分に来るのか、わからずに待っていることが非常に多いと思います。
バス停に近づいたときに静かに立って待っている人にぶつかってしまったり、待つための椅子の位置がわからなかったり、並んでいる場合は、どれくらい並んでいるのか、最後尾がわからなかったり…。
時にはバスが来ても、音が聞こえにくかったりアナウンスがなくてどこ行きかわからずドアの前で反応が遅れて後ろの人がつかえてしまったり、少し停車位置がズレて扉とステップの位置を探すのに手間取ったり、乗り込んでも空いた座席がわからなくて運転手さんに聞いたりしている間にやっぱり後ろの人がつかえてしまったり…。

バス停は、最近はどうやら電光掲示板のようなもので、次のバスを教えてくれているものもあるようですね。
その時、音声も一緒に流してくれるか、もしくは音響信号や駅の音声案内のように、せめてボタンを押したら系統や時間の案内などが流れてくれたら、ものすごくありがたいですよね。

しかし、今のところ、まだそのようなバス停は聞いたことがありません。

ぜひ、一言のお声がけがあると、街中を白杖歩行をしているひとたちも、また、一緒にバスを待っている人たちにとっても、ひとつ大きく、とても暮らしやすい社会になります。

いつもあたたかいお見守り、本当にありがとうございます。

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