中性子カウントレートの予測値について
本ウェブページで表示している中性子カウントレートの予測値は、太陽圏環境(太陽風と惑星間空間磁場)の影響を受けて変動する宇宙線や中性子の量を推定したものです。具体的には、以下に示すように、過去数十年の太陽圏環境の変化をもとに、近い将来の太陽圏環境の予測モデルを立てています。
太陽活動は約11年の周期性を持つことが知られています。地球に到来する宇宙線の量は、この11年に磁場の極性反転も加えた約22年の周期性を持って変化します。今回は、Miyake et al. [1]と同様の手法で太陽圏環境の予測モデルを立て、Miyake [2]と同様の宇宙線伝播計算手法で地球に到来する宇宙線(陽子とヘリウム)の量を数値シミュレーションしました。さらに、その結果を入力値として宇宙線が大気中の粒子と衝突した際に生成される中性子の量、および昭和基地の中性子モニタで期待される観測量を算出しています。また、中性子カウントレートは昭和基地での中性子観測開始時点での観測値で規格化して表示しています。今後、新しいシミュレーションによる予測値に変更する可能性があります。
参考文献
[1] Miyake, Kataoka, and Sato (2017), “Cosmic ray modulation and radiation dose of aircrews during the solar cycle 24/25”, Space Weather, 15, 589-605.
[2] Miyake (2017), “Charge-sign dependence in the solar modulation during the solar cycle 23”, Proceedings of Science ICRC2017, 018.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?