第1章
大好きな人物の論評を読んだ。私はその人とその人にまつわる映像が好きだけど、情熱が漲ったさまざまな文章には私よりももっと濃くてドロドロした愛が流し込まれているように見えた。それは古く野暮にも見えるし、洗練され美しく羨ましくも見えた。でも私ならどうするかと考えた時にやはり回答法は文章ではないと感じてしまった。
美しい映像には、映像で。
美しい詩には、詩で。
美しい音楽には、音楽で。
それらに今までの感謝と希望と情熱を込めて、それを産んでくれた母親の元へそれらを返すべきだと思ってしまった。
いつか全部できますように。全部出来なくても、この悔しさと気高さを失わないで生きていけますように。お願いだから。