人生初のカンボジア⑧'タ・プローム寺院
前回は、
というお話しでした。👇
まだ、「タ・プローム寺院」の話は続きます。(*ᴗ ᴗ)⁾⁾
遺跡の大部分は苔やシダ植物に覆われ、緑一色なのだが、「緑一色」という一言でくくったら自然に対して失礼と思ってしまうほど、ここには多くの緑が存在していた。
よく陽が当たる場所に生えている苔は、くすんだ黄緑色をしており、あまり陽が当たらない場所に生えている苔は深い濃い緑色をしているのだが、その濃い緑色をしている水分を含んだ苔から生える新芽や草は、鮮やかな黄緑色をしている。また、シダ植物は、鮮やかな緑色をしているのだが、その緑のコントラストもアートのように美しかった。
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あらゆる所に施された、女神や仏像。デバター(女官や踊り子たち)やアプサラ。馬などの動物や模様など、数え切れないほど多くの素晴らしいリリーフを見て回ったが、そのあまりの美しさに私はため息をつくことしかできなかった。
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「凄い、凄い」と独り言を言いながら、遺跡の壁面に施されたレリーフや、遺跡を侵食しているスポアン。そして何色もの異なる緑を見、思い出したかのようにたまに深呼吸をするなか、私は絡み合った根の中にひっそりと佇む女神を見つけた。
その女神の右目と、体のほとんどの部分は根で覆われてしまっているのだが、その目はにこやかで微笑んでおり、とても平和そう。
根に飲み込まれ、そこから出られない身になりながらも微笑んでいる姿に、私はなんとも言えない感情を抱いた。
「この女神は、なにを思いここに佇んでいるのだろう?」
「根に押し潰されて窮屈じゃないのかな?」
「ここから出たいと思ったことはないのかな・・・?」
そんなことばかり考えた。
私だったら、根に縛りつけられたくないし、窮屈な場所にいたくない。
同じ状況に自分が陥ったら、こんな平和な顔をしていられるだろうか?
いや、していられない。
私だったら、ここから出たいと思うし、どんな手段を使っても根を切り、自由になりたいと考える。
私の目の前にあるのは石に彫られた、ただのレリーフだということは分かっているが、それでも、その像に同情してしまうほど、その精妙に彫られた表情からは、なにか伝わるものがあった。
大分長くなったので、一旦区切ります。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ꕤ
次回もよろしくお願いします(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ꕤ*.