母は私にとって大きな権力を持った、絶対的な存在だったのですが、幼いながらに、母の愛情を感じたこともありました。
それは私が5歳くらいの時。
夕食時に食べたエビにアレルギー反応を起こし、両手の手の平が湿疹で真っ赤になっていった時、母は、私の手を引き、積もった雪をかき分け、病院まで連れていってくれたのです。
結局、湿疹は治まったのですが、湿疹が出た時の母の表情や、真っ暗ななか、懐中電灯と、街灯と月明りのみを頼りに、もこもこの上着を着、長靴を履いた私を一生懸命病院に連れていってくれた母の姿は、今でも記憶に残っていて、その時ばかりは愛を感じていました。
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