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本当にアートメイクトラブルは多発していたのか

アートメイクトラブル多発や急増が通達や取締りの理由となっています。本当にトラブルは多発急増していたのか検証してみましょう。

国民生活センター5年間の危害報告。 
アートメイク:121件
マツエク:599件
美容外科:10,823件(国民生活センター美容医療サービス各種相談の件数や傾向より。2017年を除いて年ごとに分かれているのを合計しました。この数字の中には広告内容や販売方法の問題も含まれています。)

アートメイク技術者は2014年ごろまでは推定で約1万人強、たいして美容外科医は1,039人(厚労省統計)。

アートメイク危害に関しては上記数値から1年間で平均24件です。では1年間でアートメイクを受ける人は何人ぐらいになるでしょう。

それぞれの技術者が年間平均何日働き、1日何人の顧客を持つかははっきりした統計がありません。サロンは通常休みは週1回、1日何人もの方にアートメイクをするもあります。祝日や連休に営業して、その分は別の日に休むケースもあります。

なるべく公平を期すために、控えめな数字で計算してみましょう。

仮に10,000人の技術者が、週3日1日1人のお客様にアートメイクをした場合、1年間は52週ありますから
1人年間 52 X 3 = 156人のお客様
年に複数回受ける方もいるし、1週間に3人よりお客様が少ない施術者もいるかも知れません。

週に3人以上のケースは除外して(トラブル多発を前提にするなら分母を大きくはできません)1人の技術者が1年間100人のお客様を持つと考えて見ましょう。
1万人の技術者が1年にだと100人の施術を行うと
100 X 10,000 = 1,000,000 人のお客様が日本国内で1年間にアートメイクを受ける事になります。
1年で1,000,000人中24件のトラブル。24 / 1,000,000 X 100 = 0.0024%です。

この数字を甘く見積もり過ぎと思われる方もいるかも知れません。トラブルの相談をしなかった方もいたでしょう。

では、報告件数の100倍のトラブルがあったとした場合
2,400 / 1,000,000 X 100 =0.24%

実際にトラブルに会われた方には申し訳なく思います。

ですが、アートメイクトラブルの確率はそれほど高くない事はご理解いただけると思います。

また、画像を見て頂くと分かりますが、2006年に20件が2007年に31件に増加、2009年に16件が2010年に24件に増加していますが、急増と言うほどの変化でしょうか?最高値が2007年の31件で、2011年は10件、トラブルはむしろ減少傾向にありました。

あるメディアでは「90年代にアートメイクトラブルが多発したため」とあります。でも90年代のトラブル多発の取り締まりを、20年近くたって強化するのはおかしくないでしょうか?

また、もし90年代のトラブルが国民健康センターの数値より多かったのであれば、トラブルは減少傾向にあるため、やはり取り締まり・摘発を15年前より強化するのは不自然です。

この国民生活センターの数値より90年代の方が、トラブル件数が少なかったのであれば、「多発」と言う言葉を使って通達を出す事自体に疑問が生じます。

実際、アートメイクによるトラブルが本当にどこでも深刻な数に及べば、世界各国で様々な規制がかかるはずですが、今のところ免許制や登録制など国や州のルールに従って営業することが認められています。トラブルが少ないからではないでしょうか?

重要なのは、公表されている121件のアートメイク被害には5%の医療機関の行ったものが含まれていることです。2006年から2009年の数字ですが、この間アートメイクを提供していた医療機関は極端に少なかったのに医療機関でのトラブルが発生している。

この発表だけでは分母がないのでサロンの方がトラブルが多いように見えますが、総数がないデータはそのまま信用できないのではありませんか?

分母のない数字では実態は分からないのです。そういう数字を統計など呼ぶ人はいないでしょう。

衛生管理に関して言えば、アートメイクやタトゥーの世界では医療現場で採用されている「スタンダード・プリコーション」に従っています。医療現場のスタンダード・プレコーションは感染症予防や拡散防止に役立っていると評価されています。同じスタンダード・プレコーションくをアートメイクやタトゥーの現場でも使っています。

より高い安全性を確保するためには、医師や看護師に限定するのではなく、国が一定の基準を設けて、それを守らせることではないでしょうか?

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