これは、もしかして”起業”なのか!
こんにちは。CO-SAKU谷の代表・タカハシアキコです。6月中旬、世田谷区下北沢に「シモキタFABコーサク室」を立ち上げて、2ヶ月と少し。オープン前の5月大型連休には、お披露目イベントをしようとしたら緊急事態宣言でストップ。さあ、夏休みだっ、子どもたちと楽しむぞっと思ったら、また宣言発令。予定どおりにいくなんてことは平常時だってほぼないけども。こんなに素敵なコーサク室ができたのに、なかなか人に来ていただけない悔しさと継続への不安を抱きながら、皆で突破口を模索しています。そんな時にコーサク室に来てくれたのは、孫泰蔵さん。実は、このコーサク室をつくる挑戦のきっかけは泰蔵さんとの出会いにありました。オープンのお知らせを思い切ってメッセージしたら、「今度日本に行ったら必ず寄ります!」と返信いただき、本当に来てくださったのでした。わわわわわっ!
泰蔵さん:「いいね! ここだけ、なんだか秘密基地みたいだね」
私:「そうなんです! めちゃいいとこなんです! 自宅より丁寧に掃除してます!」
泰蔵さん:「わかるわかる。そうなるよねー」
私:「でも、貯金残高が日に日に減る怖さ、って起業した友人が話してたこと、ヒシヒシ実感してます(汗」
泰蔵さん:「そうだよねー。あーこのことかって、おもむろに、起業の本とか引っ張り出して読みだしたりするよね。僕も起業したばかりの時、いかにお金かけないかを考えて、会議室まで友達の会社の借りたりしてたよ」
こんな会話を交わし、「相談にのるよ!応援するよ!」とエールを残して次の予定に向かわれました。お忙しい中、ありがとうございます!
コロナ禍は終息どころか悪化するばかり。人が集まってコーサクしてナンボのコーサク室をどう維持していくか悩むなか、この会話を思い出し「あれ、私もしかして、今やっていることは、起業なのか?」と今さらながら気づいた次第。そして、ベタなタイトルと黄色いカバーが目立った『起業成功マニュアル』を本棚から引っ張り出しました。私は普通のお母ちゃんで起業家を目指したこともないですが「新しいことを始める」のが好きなので、起業系の本は積読状態でたくさんあります。ただ、昨今のビジネスのあり方や使われる手法などの変化は目まぐるしい。最近の本であっても、内容が陳腐化してしまうことは多々あります。この本の初版は2009年、しかも新版が2016年に発行されていました。どうかな、と思いながらパラパラめくり斜め読みすると、変化に左右されないベーシックかつ本質的、そして実用的な内容が多く目につきました。第1章は「起業の要諦」、わずか5項目。よし、メモがわりにnoteに書きながら読み、思考整理をしてみることにしました。
「起業の要諦5項目」を書いてみる。
①意義を見出す:年齢や所属を問わず人が共に経験し共に学ぶことは、私たちの人生の選択肢を豊かにする。
②標語(マントラ)を決める:子どもも大人もコーサク(工作/交錯/Co-Creation)する。
③走り出す:シモキタFABコーサク室、もう走り出してる! 製品・サービスのプロトタイプは「VIVITA ROBOCON in CO-SAKU谷プロジェクト」
④ビジネスモデルを明らかにする:会員制モデル(が、自信ない)
⑤マットを織る(3つのリストを作る):あまり意識していなかったのでこれから考える。(1)マイルストーン(2)仮説(3)タスク
ビジネスモデルを明らかにする。
③「走り出す」ことで期待される成果は、製品・サービスの初リリースだとこの本には書かれています。私たちCO-SAKU谷のルーツは「世田谷VIVITA ROBOCON チャレンジプロジェクト」ですが、それを今回「VIVITA ROBOCON in CO-SAKU谷 プロジェクト」として開催しました。あえていうなら、これがサービスの初リリースです。さらにこの本には「見込み客の気にいるように製品を修正してはならない。顧客がすでに気に入っているから修正するのだ」とあります。「本プロジェクトを経験してきた私たち自身=見込み客」であり、確かに自分たちが「こうすればよかった、こうだったらもっと良かった」ことを修正してきたのですが、この対応はもしかして「気にいるように修正」してしまったのかも? うーむ。そもそも「すでに気に入っているから修正するのだ」というのは、どういうことなのか?
④ビジネスモデルを明らかにする、私たちの強みは、保護者も子どもも混沌として正解のない環境の中で自分で役割を見出したりゴール設定をするプロセスの経験価値です。私たちは、プロジェクト型のサービスで経験価値を提供したいのです。課題は、プロジェクトに参加する動機をどうやってつくっていくのか、ということ。「プロジェクト会員」のようなしくみがあればいい、というものでもなさそうです。動機の源泉は、ワクワクするコンテンツと共に経験する人にあります。人が「面白がる」プロジェクトコンテンツは、当然ながら、簡単に、私たちだけではできません。「これ、やって見たいんだよね」「これ、好きなんだよね」といった面白がるタネを持つ人がコーサク室にきてくださること、さらにそのタネを一緒に面白がって育てる人が集まって来る、そんな仕掛けが必要だと考えています。
また、経験の捉え方は人それぞれ違う。販売メカニズムをシンプルに表現すると「経験料と(ものづくりの)素材費用、サポート費用がかかります、以上」となるけれど「経験料」と言われても、経験する前にその価値を伝えるのは至難の業です。うーむ。参考になるビジネスモデルを探しています。
流れに身をまかせる「ポジショニング」
この本の第2章は「ポジショニングの奥義」。「ポジショニング」というワードは、以前から苦手です。改めて検索すると「ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、ユニークな差別化イメージを植えつけるための活動」といった説明が目につきます。この説明を読んでやっぱり苦手と思いつつ本に目を向けると、次の一文がありました。
市場にあなたのポジショニングを決めさせることはできないのと同様、あなたも結局は自分のポジショニングをコントロールできない。・・・意外な顧客が意外な方法であなたの製品・サービスを使うがゆえに起こることだ。・・・市場はあなたのために、ありのままのポジショニングを見つけてくれたのだから。・・・無理やりこじつけたポジショニングに従おうとするよりも、現実の流れに身をまかせるほうがよい。
『完全網羅 起業成功マニュアル』(海と月社/ガイ・カワサキ著)より抜粋
シモキタFABコーサク室の使い方は、仕事場、子どもの居場所、学び場、工作室、親子共同作業場など、人とその時々に任せてさまざまです。私はと言えば、子どもと同じ場所にいながら、子どもも私も自立して各々の時間を過ごせる場所が欲しかった。コーサク室は使い手ありき。100人の使い手さんがいれば、100とおりの使い方が生まれます。結果的に「年齢を問わず、工作/交錯/Co-Creationという3つのコーサクができる場所」になっていけばそれでいい。意外な人による意外なコーサク室の使い方、お待ちしています。
本を読み解きながら、こうして文章で表しながら考えること思考整理ができ、問いに対して解が見えないことも「それなら、これをやってみて結果から考えよう」と具体的なアイデアがいくつか浮かんできました。私たちの事業は、「学び」や「まちづくり」がテーマになり、かつ、学校でも習い事でもない、いわば「セミパブリック」な事業です。共感をベースにした資金調達、さまざまな人の能力を多重に活かした運営など、私たちなりの事業継続のしかたに挑戦したいのです。もう少し、このやり方で本を読み進め、具体的なチャレンジアイデアを見出していきたいと思います。
クラウドファンディング 挑戦中! 残り5日です!
私たちの挑戦を、ここに至る背景や思いをしっかり書きました。すでにたくさんのご支援をいただいており、本当に心強く、感謝です。残すところあと5日。150万円のゴールを目指しています。ご支援、拡散など、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。