ミジンコとかバス緊急停止ボタンの話(2022年4月第2週)
毎週土曜、シニアの皆さんを対象にZOOMを通じ、時事ニュースや科学ニュース解説を行っています。そこで扱った話題をダイジェストでご紹介します。
2022年4月第2週は、白黒写真のAI彩色、ミジンコ、電力難民、バスの緊急停止ボタンを話題にしました。
1)戦時中の白黒写真に彩色
ウクライナ被害マッピングにかかわる東大・渡邉教授が、戦時中の白黒写真をAI+手動で彩色。『この世界の片隅に』などで知られる映画監督の片渕須直氏が、その写真に対し膨大な資料と知識をもとにコメントし、さらに修正が加わっていくというツイッター上でのやりとり。当時の空気感がよみがえります。
2)ミジンコのオスはひらたく泳ぐ
ミジンコのオスとメスでは泳ぎ方が違うことを発見した、という新潟大学らの研究成果。通常ミジンコはメスの単性生殖だが、栄養状態が悪くなるとオスが登場し有性生殖となる。オスは体が小さいので容易に見分けることができるが、動画撮影し詳細に分析したところ、全方向にランダムに泳ぐメスと異なり、オスは水平方向(なるべく同じ深さで)に泳ぎがちだということが分かった。オスはなるべく同じ深さにとどまって「まちぶせ」したほうが、メスと出会う機会は増えるから、らしい。
3)燃料高騰で電力業界に異変
「電力難民」という新語が生まれつつあります。2016年の電力小売自由化で生まれた新しい電力会社(新電力)のなかで、燃料費高騰で経営が立ち行かなくなる会社が出てきており、そうしたユーザーは、東京電力など旧電力会社と契約しなおす「出戻り契約」を求めます。が、拒否されるケースもあるようです。
法律ではそういうユーザー救済のため旧電力会社に対し「通常料金の2割増で供給義務」を課し最終保護策としています。
ただ現状は、燃料費が想定以上に高騰し、この「2割増契約」が「出戻り契約」より安いという異常事態となっています。かつ2割増契約は最長1年程度を想定したものであるため、燃料高騰が続くとさらに困った事態になりそう。これらはあくまで法人契約での話ですが、一般ユーザーにも飛び火しそうです。
4)バスの乗客が押す「緊急停止ボタン」
先日、久しぶりに高速バスに乗りましたが、最前列左側の座席の上に見慣れないものを見つけました。「緊急停止ボタン」です。調べてみると、乗客がバスを緊急停止させる「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」というものです。ボタンの場所は私が座った席の眼の前でした。調べてみると、運転手の状態が目視で分かる左側の最前列のみに設置されているそうです。(標題写真)
国交省によればドライバー体調不良で起きる事故は年間200~300件程度あり、平成23(2011)年からEDSSの検討開始。H28(2016)年までにガイドライン(どうやればいいかのルール集)がまとまり、H30(2018)年から「はとバス」など、令和元(2019)年からは京成など路線バスで導入がはじまっているものです。これからはなるべく最前列に乗るようにしたいと思います。
緊急停止のデモンストレーション
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