幸福は伝播する
私は流行病の少し前から、当番制のバーのオーナーを務めさせていただいている。このバーは30人のシェアオーナーから成り立っていて、月に一度オーナーの日が回ってくるという面白いシステムを採用している。お店はバーとは言うものの、基本はグランドピアノの置いてあるライブハウス。オーナーは個性的な面々ばかりが揃っている。
どんな人達がオーナーなのかというと、例えば先のパラリンピック公式カメラマンもオーナーに名前を連ねているし、女優、アイドル、シンガーソングライター、世界的に活躍するクラシックピアニストや墨画家、スタジオミュージシャン、音楽プロディーサー等々。その中で私は唯一のジャズ歌手だ。しかし、なぜか私が出演する日の看板には”恋愛マスター”という肩書が書いてある。もちろん、そんなことを自ら名乗ったことはない。恋の歌を歌うからスタッフが洒落で書いたのかなと放っておいたら、そのままそれが看板になってしまった。
オーナーが毎日違うので、お店の内容も毎日違う。
ひたすらベースでソロ演奏をしつつ、チーズ料理を振る舞うオーナーもいるし、生演奏に合わせて墨画を描く画家もいるし、Youtube配信している人もいるし、まぁいろいろである。
私は自分の弾き語りと謎料理を売りにしている。
当日は調理、弾き語り、客相手、その他細々としたことに時間を取られていて、お客様とじっくり話す時間は実はあまりない。ただ、ステージ上で私がいろいろ話すので、ある意味お客様は私と話をした気分になるのかもしれない。
それにしても、だ。
私が調理場に消えていても、私が演奏前の準備をしていても、とにかく私がお客様から離れていても、みんなとても楽しそうに過ごしているのだ。私が楽しませている実感がそれほど湧かないのに、帰る時にはみんな満面の笑みで「楽しかった!」と口々にして帰っていく。みんな、私がいなくても楽しいんじゃん。それぞれ楽しくやってるんじゃん。と思っていたのだが、そうでもなかったのかもしれないと、ある記事を読んで思いを改めた。
それがこの記事だ。
「元気をもらう」の正体は心臓から出る電磁場 TransTechカンファレンスから|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
ここにはこう書いてある。
詳細はリンク先を読んでいただくとして、ここで言われていることをざっくりまとめると「心臓からは電磁波が出ているよ。それには感情の情報も含まれているよ。それは近くにいる人にまで影響するってわかったよ」ってことを言っているのだ。その影響は3m~5m先まであるそうだ。
そして、ここが面白いのだが、ポジティブな感情が周囲に影響することはあっても、ネガティブな感情は影響しないのだそうだ。これは、ポジティブな感情が規則的なリズムなのでシンクロしやすく、ネガティブな感情は不規則なリズムとなるのでシンクロしない、というのが理由だ。
私はこのお店のお仕事をしている時、好きなことしかしていないのでとにかくすごく楽しい。お料理も楽しい、おしゃべりも楽しい、歌うのも楽しい、演奏も楽しい、まるで楽しみのバームクーヘンだ。
それで誰かが楽しくなって、その人の鼓動が楽しさを刻み始めて隣に伝播し、またその人も楽しくなって隣の人にその楽しさが伝播していって…と、楽しさの波が互いにワンワンと共鳴し合うということになるのだ。
みんなが満面の笑みで帰っていくわけだ。
科学的な見地からも、幸福感は伝播するということがわかってきたわけだが、幸福感が人に伝わるのはそれだけではないような気がしている。例えば、文字から読み取れるハッピーさだって読み手を幸福にしてくれる。(残念ながら、この場合はネガティブな感情も伝播する)楽しげな笑い声はそれを聞いている人も笑顔にさせる。なんなら私は笑い袋を一押するだけで意味もなく爆笑できる自信がある。楽しい気持ちで誰かを思っている時も、たぶんその人へと見えないところで楽しさが伝わっている気がする。
幸福は伝播する。
とっても素敵な事実だと思う。
こう言っておいてこれを宣伝するのは、ちょっとハードルを上げてしまったかなあ😅と思うのですが、来る4月22日㈮に人気クリエイターの夏木凛さんが開催しているスナック凛でゲストスピーカーとして出演します。ラジオ感覚でぜひお楽しみください。
楽しいが伝播する一時になればと思います。よろしくお願い致します。
【日時】4/22(金)22:30-24:30(22:28開場)
【場所】Twitter内スペース
【ホスト】夏木凛
【共同ホスト】おんどさん
【ゲストスピーカー】3名
22:40 トミーさん
23:05 おぬき のりこ
23:35 青砥シロさん
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