失敗しないクリニックづくり【設計編】
開業のサポートをしているCorrect神戸の小松由佳です。
今日は失敗しないクリニックづくりの設計段階の事例についてご紹介します。
1 設計段階での失敗事例
ビルテナントのクリニックエリア。1階が商業施設で、2階がクリニックエリア、というビル最近増えていますね。その一角を選び、クリニックを開院します。
このような場所で開業を考えられている方に必読の失敗事例をご紹介します。
初期の設計段階で気をつけないといけないのは、ビル本体の柱。
この柱は設計上必要で、動かせないことが多いのです。
2 面談の流れ
今回は全体を通して3回目の面談です。
1回目は、区画を選ぶために大体の間取りを作っていただき、どんなクリニックにするかを設計士さんとすり合わせます。
2回目は、迷っていた2つの区画のどちらかを選ぶ予定でしたが、それまでにもう一方の区画の間取りができていないため、選びようがない、とのことで区画決定は先送り。
3回目には、両方の区画の設計を見比べてどちらにするかを決定することになりました。
ビル本体との不具合がないかを確認し、建具の位置などを確認する必要があります。
3 設計図はくまなくCheck
3回目の今回、頂いた図面を見ながら、受付から待合が見えにくいのでは?そんな話をしていたら、受付の前に柱があることに気づいた医師が、これは柱ですか?柱ですよね?と一瞬皆がしーん。
これでは受付の人は柱の後ろに隠れていて、患者さんが来られるたびに、ひょっこりはん。と顔を出す仕様になっています。
画像はこちらからお借りしました。
自動精算機のマークなのか、柱なのか、設計図だけでは曖昧なところがあり、このようなことに。設計士さんも「あれ?これは、、、柱ですね」
と皆でうんうんとうなづく。
ひょっこりはんみたいですね。と言って和やかな雰囲気をつくり出しましたが、工期や日程が迫っていて皆がピリピリしている雰囲気は設計段階あるあるのようです。
4 看護師目線の設計で効率化
設計図を見て、看護師がどの場所に立って、何を考えて動くか?をイメージしてください。
医師は看護師ではないので、看護師が何を考えているかわからないかもしれませんが、どの位置に立てば、どの範囲まで見えるかは設計図を見ると大体わかると思います。
スタッフの動線を短くすることで、効率化に繋がります。
看護師が一人しかいない、というクリニックもたくさんあります。
看護師が診察の介助をしつつ、点滴中の人も観察できる間取りが良いです。
つまり、点滴室は個室にしない、壁で囲わない。これは鉄則です。
また、診察と処置の部屋を分けるクリニックでは、診察室から処置室の移動が3歩以内、または一歩くらいにしておくことが大事です。
診察室から処置室の往復が予測されるので、処置室への移動が長いとそれだけでタイムロスです。
また廊下から各部屋に入るという基準がありますが、廊下というエリアはなるべく減らせないか?を考えられると良いです。
5 受付スタッフが一人と想定した間取り
一般的なクリニックでは看護師がクラーク業務をすることもありますし、クラークさんが医師の介助をすることも日常茶飯事です。看護師のいないクリニックも多々あります。
そのためになるべく兼務できないか?という視点で設計図を見るのがポイントです。
受付と診察室が離れていたり、間に中待合があると受付とクラークで一人ずつ人員が必要です。
受付をした後にクラーク業務ができるように、受付と診察室を隣接しておくのがベストです。
電子カルテがメインとは言っても、預かった診察券を診察室に持ち運ぶという手間が発生しているクリニックもあります。
受付から診察室までのカルテ移動がスムーズであることも効率化のポイントです。
カルテは結局人が持ち運ぶので、移動時間を少なくし、できれば受付とクラークが兼務できる配置にしておくのがおすすめです。
診察室の受付側にクラーク席を設けることで、椅子の移動だけでクラークができると思います。
6 驚愕の損失額
クリニックの開業は一生に一度きり。
そのときにどういう間取りにするかで、その後の出費に大きく影響します。
もし、スタッフ5人が1日に30分残業したとしたら、1年間にどれぐらいの損失になるかイメージしてみてください。
たった30分が年間120万円の損失になります。
これは大きな出費だと思いませんか。
医療収納コーディネーターは失敗しないクリニックづくりをお手伝いします。
7 その他の失敗事例募集中
すでに開業された方で「もっとこうしておけばよかった」と思うような事例があれば、ぜひ皆にシェアしてください。
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