『新潟発のAI起業:にいがたAIビジネス株式会社』~ 同級生の絆と情熱が紡ぐ地域経済の未来 ~
はじめに
こんにちは、株式会社コーポレートGPT代表取締役の照山浩由です。
株式会社コーポレートGPTは、生成AIの社会全体への普及を目指して、各地域に根差したAIコミュニティの立ち上げ・運営を支援しています。
2025年1月、そのコミュニティのひとつがある新潟の地から、日本全国、さらには世界へ向けて中小企業のAX(AIトランスフォーメーション)を推進する新たなプロジェクトが始動しました。
その名は「にいがたAIビジネス株式会社」。
東京で培った経験を武器に、故郷・新潟へ戻った、大竹崇仁さんと朝妻拓海さん。二人は中学の同級生。そんな彼らは生成AIを活用した支援事業を通じ、最新テクノロジーと地元新潟の実践的なノウハウの架け橋となることを目指しています。
今回は、同級生でありながら異なる強みを活かしAIビジネスの創業に至った経緯、事業の特色、そして今後の展望についてお話を伺いました。
1. 起業の背景とストーリー
故郷・新潟に戻る原点
「新潟の経済を発展させることが私の原点です」と語る大竹さん。東京での大学生活を通じ、経済規模や街の変化の速さの違いを実感し、地元・新潟への思いが一層強まったといいます。
「東京に行ったとき、『新潟とは全然違う』と感じたダイナミズムが、いつしか自分の原動力になりました。新潟ももっと活性化できたらと強く思ったのです。」
一方、朝妻さんは2017年に企業での経験を経て独立。コロナ禍で自身の英会話事業が変化する中、ビジネスモデルを転換し、スキルをどう組織的に活用するか模索していました。
「英会話業界が大きく変わったとき、個人の力だけでは限界があると痛感しました。組織として動くことの大切さを実感し、現場の声を直接聞きながら事業をつくることの重要性を学びました。」
そんな二人が新潟の街で偶然再会し、コーポレートGPTのAIコミュニティでそれぞれの経験を話すうちに、「新潟でAIのビジネスできないか?」という問いを立てたことが今回の起業の大きな転機となりました。
2. ビジネスの概要・差別化ポイント
生成AIによる導入支援とマーケティングの融合
同社の取締役COOである朝妻さんによれば、にいがたAIビジネス株式会社の事業は、大きく3つの柱で構成されており、それぞれが独立して機能するのではなく、相互に連携することで、AI導入の効果を最大限に高める仕組みになっているようです。
① 生成AIの導入支援・研修・コンサルティング
近年、多くの企業が業務の効率化を目指しAI導入を検討しています。しかし、AIの導入にはコストや専門知識が必要であり、中小企業にとってはハードルが高いのが現実です。そこで、にいがたAIビジネス株式会社は、企業ごとの業務フローに合わせた具体的な導入支援をされています。
「一般的なAI支援企業は、業務効率化を目的とした汎用的なソリューションを提供することが多いですが、私たちはそれだけではなく、企業ごとの実務に即した具体的な成功事例を積み上げることを重視しています。」(朝妻さん)
「企業が実際にAIを活用できるように、専門的なトレーニングやワークショップを提供し、従業員がAIを業務に組み込めるようにサポートします。また、各業界に応じた導入モデルを確立し、企業ごとに適したカスタマイズを行うのも特徴の一つです。」(朝妻さん)
② オールインワンサービスの提供
AIを導入する際、多くの中小企業が抱える課題は、単に「AIを導入すれば解決する」というわけではありません。「AIを導入したものの、活用の仕方がわからずに結局使わなくなってしまった」というケースもしばしば見られます。
にいがたAIビジネス株式会社では、AI導入に伴う資金調達、AI運用体制の構築、マーケティング施策の実施まで、AIをビジネスに定着し、企業が利益を上げるための包括的な支援をされています。
「地域経済の主体である企業の実態をしっかり見つめ、単なる技術提供ではなく、地に足のついた企業の改善提案を行いたいと考えています。」(大竹さん)
③ マーケティング支援とデータ活用
AI導入が成功するかどうかは、適切なデータ収集と活用にかかっています。
にいがたAIビジネス株式会社では、AIを活用したマーケティング支援を提供し、企業がより効果的にデータを活用できるようにサポートされています。
「AIの強みは、過去のデータを分析し、未来のビジネス戦略を予測できることです。しかし、多くの企業はその活用方法がわからず、せっかくのデータが十分に活かされていないのが現状です。」(朝妻さん)
たとえば、企業が自社の商品やサービスの売上データをAIに学習させることで、顧客のニーズを予測し、よりターゲットに合ったプロモーションを行うことが可能になります。
また、AIを活用したチャットボットやカスタマーサポートの導入支援も行い、顧客対応の自動化・効率化を促進しています。
さらには、同社は外部パートナーであるコーポレートGPTと連携し、東京をはじめ全国の最新情報をリアルタイムで収集。その結果、地方企業でも最新のAI技術を活用し、全国で戦える体制を整えることが可能になっています。
④ 他社との差別化ポイント
にいがたAIビジネス株式会社の強みは、単なる技術提供ではなく、「現場での実践」にこだわる姿勢にあります。
多くのAI導入支援企業が「システム導入」や「AIツールの提供」にフォーカスしているのに対し、同社は企業が直面する現場の課題に向き合い、解決策を提案することを重視しています。
「中小企業の方々は『AIは難しい』『どう活用すればいいのかわからない』と感じることが多いですが、私たちは実際に企業に足を運び、具体的な事例とともにAIの活用方法を提案します。その結果、すぐに実践できる形で導入が進むのです。」(朝妻さん)
さらに、地域密着型の支援を徹底することで、AI導入後の継続的なサポートが受けられる点も大きな強みです。
全国規模のAI企業では手が届かない、地方企業ならではの課題に応じた柔軟な対応が可能になっています。
3. 苦労話・乗り越え方
スピード感と現場の信頼関係
2024年7月にコーポレートGPTとともに新潟でAIコミュニティを立ち上げ、わずか半年後の2025年1月に法人化を実現。急速な展開に不安もあったものの、朝妻さんの経営者としての経験が支えになったと大竹さんは語ります。
「ボードメンバーは本業を持つ中でどこまでコミットしてもらえるか不安もありましたが、志を共にする仲間たちが迅速に動いてくれたおかげで、スピード感を保ちながらプロジェクトを進めることができました。」(大竹さん)
また、長年の信頼関係を背景に、二人は互いの強みを活かし合いながら課題を乗り越えられたとのことです。
「私は直感で動いてお客様とコミュニケーションを取るタイプ。一方で大竹さんは経営や資金調達、組織のマネジメントを担う。この役割分担が成功の鍵だと感じています。」(朝妻さん)
4. 今後の展望・メッセージ
地域から全国、そして世界へー「Local to Global」
二人は「新潟でAIと言えば、にいがたAIビジネス」と認知される地域密着型のハブ構築を目指しています。
「新潟の現場の声をしっかり受け止め、実践的な成功事例を全国へ発信していきたい。そのためには、上場企業へAI活用支援をされていて、全国にネットワークのあるコーポレートGPTさんとの連携は必須。最先端情報や大企業の動向を教えていただきながら、AIを活用した地域企業の成長が全国、世界に繋がる『Local to Global』を目指し、それを支援するハブになりたいです。」(大竹さん)
5. 最後に
今回のインタビューを通じ、大竹さんと朝妻さんが目指すのは、単なるテクノロジー導入支援を超えた地域密着型のマーケティングや経営支援であることがわかりました。その根底には、二人のそれぞれ異なる経験をAIというテクノロジーを通して故郷新潟へ届けたい、という強い愛情を感じました。
「新潟×AI」を確立し、地域から全国、さらには海外へと成功事例を発信し、中小企業の成長を力強くサポートしていく彼らの挑戦に、コーポレートGPTとしても力強く支援していきたいです。
新潟の未来を共に創る、同級生起業家たちの挑戦は、今まさに始まったばかりです。
【インタビュー企業】
にいがたAIビジネス株式会社
HP:https://www.nabai.jp/