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『好きなこと』が、『うまくできること』とは限らない

好きなこと
ありますか?
私はあんまりないなあと思っていたんですが
よく考えてみたら、たくさんありました。
うまくできないから、やりたいことにならず
それに対する「好き」という気持ちを認識しないようになっていました。


好きこそものの上手なれ


といった言葉がありますが
好きだからと言っても初めからうまくできるとは限りません。
好きだからうまくなっていく、ということであります。

とはいえ、

好きだから
努力出来るから
プロとして仕事ができるとも限りません
こればっかりは才能というものが関わってくるのでしょう。

例えば私は運動が得意です。
ですが、好きか?と聞かれたらどうでしょう。
いや、好きだ、と思っていたんですがどうやら
得意だから好きだと思っていたようです。
現に、人から褒められなかったら運動しようとしません。必要にかられて(仕事で必要だ、痩せねば など)することはありますが、運動しなくても太らないのであればきっと動かないことでしょう。

競技は割と好きです。
でもこれは運動というよりゲームが好きなのだと思います。
恐らく私は運動能力において、才能があります。
でも好きではないのでそこまで伸びませんでした。
努力が続かなかったからです。


では、人から少しも褒められなくとも
誰に見てもらえなくてもずっとしていられること
心の底から好きなことはなにかと問われたら
意外かもしれませんが私は

絵を描くことと歌を歌うことです。

昔っからほっとくと絵を描くか歌うかしていました。
絵の方に関しては恐らくまあまあ才能があったのか
小さなころから割とうまく描けました。
しかし自分の好きなものしか描きたくないので
職業にしようとは思いませんでした。

歌に関しては絶望的に才能がありませんでした。
大好きなのに才能がありません。
小学生のとき
いつも元気に大きな声で歌っていたのに
なぜかいい成績が取れず不思議に思っていると、
通知表に驚くべき言葉が書かれていました。


音程が取れない


と。
お、ん、て…い?
そうか、私は音痴だったのか。
初めて気が付きました。
家でも車でもいつでも大きな声で歌っている私を
家族は誰も笑ったり下手だと言ったりしなかったので
いや、厳密には笑っていたかもしれません
しかし私は子供らしくて愛らしいなとニコニコしているんだと捉え、特に気にはしませんでした。
とにかく自分が音痴である事実に自分で気が付いていなかったのです。

そして極めつけは、小学5年生時。
初めて友人とカラオケに行った私は
「下手だね」
とついに他人から決定的な言葉を頂き、ノックアウト
そして決意したのです。

「絶対にうまくなってやる」と。


まずは自分がどのくらい下手なのかを客観的に知るために
お小遣いでテープレコーダーを買いました。
(今はなき宇商通のヤマダ電機を私は一生忘れません)
そして吹き込んでみると、

「思ってるのと全然違う…」

驚愕です。
私が想像する1億倍下手でした。
なぜかその時に歌ったのは特に好きでもない福山だったんですけど
所謂音程が少しもあっていませんでした。

そしてそれからというもの
私の家での歌の時間は
「自由に歌う」から、
「1節ずつ録音して確認しながら歌う」
という時間にシフトチェンジ。
好きだったから少しも努力とは思わなかったのと
少しずつ合ってくるのが面白くって
ほとんど毎日やっていたように思います。
その甲斐あって中学2年生。
同じ友人とまたカラオケに行く機会がありました。
リベンジです。
あの衝撃的な言葉から3年。私は変わった、変わったのだああ!


と歌った渾身の『SWEET 19 BLUES』


採点結果は82点!
文句なし!文句なしのはずだ!
どうだ!と友人を振り返るも…

特にコメントはなく
安室いいよねえ、とか言いながら
友人は『You're my sunshine』を歌い、96点。

完敗である。

まあ、でもね
下手って言われなかったし。
何の曲かよう分からんとこから80点台は立派だよ。
と私は誇らしい気持ちになりました。

その後その友人はASAYANのオーディション受けるわ
と言いだし、私に一緒に受けようと持ち掛けてきたんだけど
私は歌手なんてできるわけがないと思っていたので断り、
その代わり付き添いでオーディション会場に行きました。
結果は、速攻で落ちましたね。
でもいい経験でした。そのオーディションでデビューしたのは鈴木亜美。
ああ、あの中に鈴木亜美がいたのか。
と、夢みたいな東京が近くに感じてそれだけで満足したのでした。

昔話が長くなりましたね。
いまでも音程取るのは苦手だし
すごい練習しないと歌えないけど
前よりはマシになってきた。
どんなに才能なくてもやりこめばそこそこにはなる。
といっても、表現の世界にいるから
歌う機会もあります。
私は好きだから嬉しいけど、当たり前のように仕事は厳しいです。
何回も色んな人に下手だって言われました。

その度に落ち込んで
下手だから、自分なんか、と諦めて
まあまあ傷ついて、臆病になって。
でも、好きなんだよね。


私が人前で歌って何かを伝えるなんて無理だ
と諦めてどちらかというと褒められることをやってきたけど、
やっと今になって
なんにも届かなくても、笑われても
やりたい、好きだって気持ちを止められないのだということに気が付いた。
下手なこと、はやらない理由にはならないんだ。

そんなわけで
もうちょいちょいやり始めてるけど、
本格的に自分の歌いたいを形にしようとしている今日この頃です。
うまくなくても
好きであるということを認めて、

来年の1月、やりたいが詰まった時間をお届けしたいと思ってます。

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