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戦争反対! 恋愛賛成!

ペイネ 愛の世界旅行というイタリアのアニメーション映画のDVD。長女が二歳の時のクリスマスプレゼントだ。 五歳になった今でも、飽きずに見続けている。

というのも、最近はジブリやプリキュアを経て、また小さいころ見ていたDVDを引っぱりだしてみているのだ。

主に、チェブラーシカとかそんな感じ。 若干親の趣味が入ったDVDというかね。

プリキュアという、女子の王道からまた原点回帰か!? しかしこのペイネという映画はどちらかというと、

大人のアニメである。 バレンチノとバレンチナという二人の恋人が本当の愛を探して世界中を旅しながら、

イエスキリストからフェデリコフェリーニ、シェークスピアに毛沢東といった偉人たちに出会う物語なんだけど、

全編に渡り、愛と平和のメッセージと鋭い風刺が色彩豊かに描かれていて、思わずハートを持っていかれる。

ある戦争のシーンで、空が爆撃により、模造紙のように破けると、天使たちがつぎはぎを持ってきて空に

貼りつけると、そこには 戦争反対! 恋愛賛成!の文字が踊る。

ウィリアムテルが息子の頭に弓の的のリンゴをのせていると、「くたばれ!大人!」とデモをする子どもたち。

旅の途中に日本も出てくるが、背広を着た日本人の顔はみんなテレビのブラウン管になっており、画面には

NHKの文字が浮き出てくる。などなど風刺を利かせたユーモアがたっぷりなのだ。

それでも、うちの子が何度もこの映画をリピートする理由は、純粋にレイモンペイネの描くキャラの魅力と

画の綺麗さにあると思う。 とにかく純度が高くかつポップ。ここに尽きると思う。

そして、物語のラストまで愛と平和のメッセージに溢れているのだが、エンドロールには

夢でごめんなさい の文字が。。。ここに表現者としての葛藤が痛いほど読み取れて思わず涙がでてくる。

映画が終わって、夢から覚めた俺は何ができるだろう? 一瞬、そんな無力感に襲われるが、手にはしっかり

愛と平和のバトンが手渡されていた。 そんな気持ちにさせられる素敵な映画だと俺は思う。

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