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放浪画家、山下清さん

昔からこの人には敵わないな。という画家に山下清さんがいる。
小学生の頃の教科書に貼り絵の見本で出ていて、これは一体なんだ。下手なのか上手いのか分からないと思っていたが。
先生からこれらは知的障害者の生徒が描いた絵だと言われて、障害がないと作れないのかとも思っていたのだ。

それから大人になり展覧会を観る機会があり現物を観たがこれが聞きしに勝る緻密な貼り絵で、特に線路や花火がこよりのように細くされたものを一つひとつ重ねて貼っているのには凄いとしか言いようは無かった。
絵画鑑賞はいつも作家が創っていく過程を想像しながら観るのだが、この過程を想像するだけで大変である。

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又TVの影響でフラリと全国をルンペンや物乞いをしながら旅をして行き、その土地で好きな絵や貼り絵をしてその土地の人たちと交流していく姿に羨ましい感じもする(流石にルンペンや物乞いは出来ないが)
本当の山下さん本人は至って無愛想、朴訥、無口でTVの愛嬌のある人では無かったようだが。
しかし小学低学年の知能だったみたいで、いつまでも子供の感性を持っていたのだろう。

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出版された「放浪日記」を読んで見ると、その過程はとても辛い人生を歩んで来てるのもわかる。又好奇心の塊で大人になって忘れてしまったものを持ち続けていたんだろう。時に人に対しての質問などでやり込める頁は笑ってしまう。又昭和という時代の悠長な時代もあるだろう。

山下清さんは、現地でスケッチはせずに2〜3年間の放浪の旅で観たものを驚異的な記憶力で戻って来た際に創っていたという。旅は珍しいもの見たさに出かけて行くがスマホやカメラのない時にこれは凄いとしか言いようがない。
又貼り絵1作に20日間くらい毎日朝から夕方まで決まった時間に制作していたようだ。とても几帳面な人だった。
「と、とてもド、ドラマのように2、3日で仕上げられるものではないんだなぁ。」山下清 調

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私の絵も今は水彩画が基本になっているが、これは昔からの自分のせっかちな性格にあっているからなのだろう。どうも油絵の悠長に時間がかかるものは苦手だ。

又描く前にはラフスケッチを描くのだが、大まかに出来上がった段階で其れを基に一気に描いて行く。5〜6枚は描き上げて行くのだ。
大切なのは必ず自分で行ったところで観たもの、感じたことや物事を表現することだ。
これはネットで拾ってきた写真では感動のレベルが違う。
今はカメラや動画も撮れるし何度も見直すことも可能だと思うが、特に動画は感動してる声やその場の匂いも感じられていいな。


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