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「英語0点からカイロドクターへ:夢を追い続けた挑戦の軌跡」②

「アメリカに行きます!」

言葉にはしましたが、その後どうすればいいのか全く分かりませんでした。
今だったら、大学の教授や周りの人に「アメリカに行きたいと考えているのですが…」と伝えてアドバイスをもらいます。(確実にそちらの方が賢明な行動です)

私の場合は違いました。
最初にした行動は誰に相談するでもなく、今まで行っていた就職活動を辞めることでした。(今思えば、なかなか恐ろしいことをしたなと思います。)
アメリカに行けるともまだ分からないのに、自ら退路を断ってしまいました。
ゼミの教授に報告したら、ビックリされていました。(そりゃそうだ…)
その後にとった行動は「家族に伝える」ということでした。

「相談」ではなく「報告」です。
「報告」の中でもたちが悪い「事後報告」というものです。
「事後報告」の後に家族に対してプレゼンをしました。

これからどうしていくのか。
目標ではアメリカにいつ頃行きたいのか。
語学はどうするのか。

そこには挙げていくとキリがないほど、沢山のハードルがありました。


「何が分からないのか分からない」


まずは、「英語をどうするか」ということでした。英語は本当に苦手(勉強全般が苦手…)でしたので、これは本当にどうするか悩みました。体育学部でしたが、TOEFL(アメリカ留学する際に必要なテスト)の対策クラスを受講しました。しかし、英語が全くできない人間が、いきなり対策クラスを受講してもついていけるはずがありません。もちろん周りは英語科など、語学に長けている人たちです。
その反面、私は自己紹介がなんとかできる程度(自分の名前だけで、趣味とかの説明はできない)の人間です。もはや、周りからすれば体育学部が茶化しに来たのかと勘違いされるレベルです。最初の数日は授業中一切口を開きませんでした。
無言です。周りからは、「熱心に授業を聞いている生徒」と見えていたかもしれません。
しかし、実際は先生やクラスメイトが何を言っているのか理解不能だったので黙るしかありませんでした。

なにが分からないのか分からないという、よく耳にするやつですね。

「何が分からないのか分からない」ってホントにそうなんです。

授業は全て英語。日本語一切なしの授業方法でしたので、正直苦痛以外の何物でもありませんでした。先生に相談したところ、別に課題を出してくださったりとても親身に相談に乗って頂けました。(そのおかげで、なんとかクラスもパスできました…)

全く役に立たなかったのですが、日本の英会話スクールにも行きました。
大学を卒業するまでに、できることはやろうと決めていたので、色々動いてみて経験や失敗を重ねて勉強しました。「まずはやろう」という思いが先走っていたので、2回ほど詐欺に遭ったりもしましたが、今ではいい経験となっています。


「新聞の飛び込み営業」


大学卒業してからは、アメリカ留学準備のために3年弱働きました。
詐欺にも遭っていたのでお金を余分に稼がないとだめで、フルコミッションだった新聞の飛び込み訪問の営業を始めましたが、この仕事が私の人生で大きな意味をもつことになりました。
営業というのはコミュニケーション能力がとても大切になってきます。相槌、話し方、声のトーンや波長、相手が持っているリズムなどを敏感に察知しなければいけません。私がやっていた営業は、アポ無し飛び込み訪問の、完全なるDoor to Door営業でしたので、この仕事をとおして沢山の事を学ばせて頂きました。

もちろん最初からうまく行くはずがありませんでした。
研修期間で色々と教えてもらい、いざ独り立ちだと意気込み、訪問営業を開始するも撃沈。
撃沈の連鎖で借金があるのに結果を残せない日々。
フルコミッションの怖さをここで体感しました。
とりあえず結果を出さなければいけないと、毎日もがいてました。
お昼休憩を取らずに1日150件以上のお宅に営業をかけたり、通りすがりの人にも営業をかけたり、雨の日などはあえてカッパや傘を使わずにビチョビチョになってから営業した方がお情けで契約してくれるんじゃないかなど、本当に色々試行錯誤しました。それでも、契約数が伸びない日々。

これはマズイと思い、営業関連やトークスキルなどの本を買って勉強したのがこの時期です。結果を出さないとお給料がゼロ円なので、それはもう必死こいて勉強しました。少しずつ勉強した成果が実り、トライアンドエラーの繰り返しでしたが、数ヶ月後には毎月かなりの金額をいただけるまでになりました。


「TOEFLという悪魔」

アメリカのパーマ大学にTOEFLのスコアを送らないといけなかったので、テストを受けたのもこの時期です。

アメリカの大学に行くと、先に決めたものですから、留学のために何が必要か、どの手順を踏まないといけないのかなどは二の次でした。調べると、願書、小論文と英語のテスト、さらにパーマー大学に入るために必要な必須科目の単位を取らなければならないことがわかりました。
アメリカの大学は入学は簡単だと聞いていたので、”とりあえず”テストを受けて、”とりあえず”結果を送れば問題ないだろうと勝手に思い込んでいましたが、その結果が予想のはるか上をいく結果のとんでもない点数でした。

渡米するちょうど1年前のことです。

TOEFLは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの項目に分かれ、それぞれ30点満点、トータルで120点満点のテストです。

そして、私が取ったスコアは…

合計で「18点」。

これは、1つの項目でのスコアではありません。
4つの項目全てを合計したスコアです。
読解力(リーディング)の項目はなんと「0点」。

今でもどうやったら0点を取れるのか、よくわかりません。

ここが私のスタート地点でした。


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