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靴作りの道具#10『カッター』

今回は、靴作りで使用している『カッター』について述べたいと思います。

『カッター』とは?

刃を持つ手持ちの工具で、紙や革など、さまざまな材料を正確に切断するために広く使用されています。
一般的なカッターは、交換可能な刃を持つ刃物と、手にフィットするように設計されたハンドルから構成されます。

様々なカッター(上:OLFA、中:GLANZ、下:NT)

刃先は、60度と30度のものがあり、通常刃と黒刃(通常刃より切れ味が良いが耐久性に劣る替刃のこと)と呼ばれるタイプがあります。

刃先の角度(上2つ:30度、下:60度)

刃のサイズは、刃幅9mmと12.3mm(厚み0.25〜 0.38mm)、18mm(厚み0.45〜 0.6mm)、25mm(厚み0.7mm)が一般的です。
OLFAやNT、最近ではSDIのGLANZ※1と呼ばれるカッターを使用している人が多いように思います。


使用用途

靴作りでは、主に革やゴムなどの様々な材料の裁断に使用します。
アッパーに使用する厚み約1mm前後の革や厚み約2くらいのハーフラバー※2、アウトソールやヒールに使用する厚み約3〜6mmの革などを裁断することが多いです。
この時、革の厚みによって使用するカッターの刃を変更することもあります。

革を裁断する様子

例えば、厚いものを裁断する時、刃幅25mmのものを装着したカッターを使用することでより安定した切れ味を発揮し、逆に薄いものを裁断する時、刃幅9mmでかつ刃先角度が30度の鋭いものを装着したカッターを使用することで、より細かい作業を可能にしてくれます。


使用方法

1. 刃の確認と交換:
カッターを使用する前に、刃の状態を確認します。
古くなったり、欠けたりした刃先は、刃先を折ることで簡単に新しい刃となります。

刃を折った様子

2. カッターの握り方:
カッターのハンドルをしっかりと握り、手首や指を適切な位置に保持します。
切断する際に手が滑らないように、適度な力で握ります。

カッターの握り方

3. 切断の準備:
切断する物の上に、カッターナイフを垂直に立てて置きます。
切る方向に注意し、周囲に人や物がいないことを確認してください。

刃を追直に立てた様子

4. 切断作業:
カッターの刃を物に押し付け、軽い圧力で切断します。
力を入れすぎないように注意し、安定した切り口を作るために徐々に力を加えます。

5. 安全な保管:
使用後は、カッターの刃を収納し、安全な場所に保管します。刃が外部に露出しないように注意し、周囲の人々や自分自身の安全を確保します。

刃を収納済み(上2つ)


note : 村上紀之


※1:GLANZについて
カッターを使用する際、刃がブレるといった悩みをなくしたカッターのことです。
http://sdijapan.jp/glanz/glanz_cutter.html

※2:ハーフラバーについて
レザーソールの半分くらいに厚さ2mm程度の薄いゴムを貼り付けて、ソールの擦り減りを防ぐ仕様のことです。
街の修理屋さんでもよくやられている修理内容で、vibram社製のゴムが有名かと思います。

つま先から真ん中ほどまでハーフラバーが貼られた状態

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