岩合光昭さんについて思うこと 【エッセィ】
岩合さんの撮る猫たちを眺めるのはまるでそれがイニシエーションになって私の精神の集中に寄与することがあるように思う。
眺めなくてもいい。思い出すだけでもいい。
写真は、瞬時に通り過ぎるだけでもいい。
私の過去において、その写真の私なりの全情報を取り込んだ記憶が一瞬の想起に於いて直ちに思い出される。
幾枚の写真たちだ。新聞のカラー写真、岩合さんの写真集、いくつかの百貨店の有料展示会、ポストカード。
泉北でお話を聞けた時は感激しました。
一緒に見た妻との記憶、その情景。
イニシエーション、岩合さんの精神と被写体の猫たちとその背景の世界の成り立ち、精神の川の流れが私に流入するが故の。
かように岩合さんと被写体たる動物達の関係、とりわけ猫と呼び習わされる生物群との距離と関係は、神秘的ですらある。
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