75期二回試験の記録
二回試験おつかれさまでした!!!!!
予想していたよりも体へのダメージが大きいです。もう二度と受けたくないですね。
さて、答え合わせしたい人たちから質問が多数きていることもあり、以下に備忘録も兼ねて、各科目の出題内容と書いたことを覚えている範囲で記しておきます。答え合わせしたくない方は見ないことをおすすめします。
出題内容→私が書いた内容の順で構成されているので、内容だけ見たい方は前半だけどうぞ。
各科目の出題内容
刑事裁判
小問が消えて事実認定のみ(殺意、急迫不正の侵害)
検察
住居侵入、(事後)強盗致傷で送致
小問は証人が「証言したくない、忘れた」と言っている場合の検察官の対応
民事弁護
原告訴訟代理人として最終準備書面の起案
小問は保全・執行、証拠収集、和解、弁護士倫理
民事裁判
本訴についての事実認定
撤回問は留置権、当事者の主張分析は解除後の相殺の意思表示。
小問は書面による準備手続
刑事弁護
想定弁論の起案
小問は異議、Wの反対尋問で引き出すべき供述、本件と別のミニケースを題材とした有利な①犯情事実②一般情状事実③新しく作り出したい事実の検討と示された和解(示談)案についてAと協議すべき事項の指摘
各科目で書いた内容(閲覧注意)
刑事裁判
書いた枚数:20枚弱
結論としては殺意あり、急迫不正の侵害ありにした。
殺意は交差点通過前の蛇行運転は行為の存在を認めたもののAの認識を否定(W供述から蛇行運転認定、AがVを殴る等していたことから反動等により意図せず揺れた可能性ありとして主観は否定)。交差点通過後の50km走行についてはAの認識を肯定して殺意を認定した(Aは前方=工事現場の存在、右側=中央分離帯の存在、後方=後続車がいないことのいずれにも気を配っており、アクセルを踏んでいる意識もあったのに、速度だけ認識していなかったとは認められない)。
急迫不正の侵害はW供述の信用性を肯定した上で、V供述の信用性を否定し排斥、Aの主張するとおりの事実経過だった合理的な疑いが残るとして侵害を認定した。
※A班の集合では「①人が死ぬ危険性の高い行為を、②それとわかって行ったこと」を一体的に検討する問題が出題されたが、教官曰く行為の危険性と危険性の認識を別々に検討する必要があるケースもあるとのことだった。本問は別々に検討したほうがやりやすいように思った。
※認定の対象は事実レベルにまで具体化されていたので、該当する事実が認定できれば法律上の要件も満たすものとしてよいと思われる。
感想
事実認定の対象がちょっと多めなのでその点はハードだが出題自体はスタンダードか。小問どこかに落としてきちゃったのかな…?
検察
書いた枚数:40枚強
犯人性
犯人性の検討対象事実で窃盗犯と致傷(傷害)犯の同一性を認定。
間接事実は以下の通り。
犯罪の成否
書きづらかったが、まず窃盗の客観・主観を認定して、その後事後強盗と強盗致傷を併せて客観→主観の順で書いた(強盗致傷の「強盗」の要件が事後強盗の成立に先んじることになるが、後述のとおり認められるから強盗にあたる、と流した)。財物の占有確保前と考えれば1項強盗の線もありうるが、問題文に暴行の目的を書くように書いてあること、Vの供述を考えると事後強盗が適当なように思われる。窃盗+傷害は微塵も迷わなかった。あとはガラスの破損が親告罪で不起訴。建物共用部分の建造物侵入も頭に浮かんだが捨てた。
小問
あんまよく覚えてないけどビデオリンクとか遮蔽とか駆使して出廷するように説得できないか試してどうしてもだめなら伝聞例外でPS採用。出廷したけど供述が後退した場合も同様。
感想
出題はそれなりにスタンダードだと思うけど、事後強盗書きづらい。あといつものことだけど量が多い。
民事弁護
書いた枚数:32?枚
とりあえず売買は準備書面の書き方的に(当事者、)目的物、代金額について少なくとも黙示の合意があったことを主張していると思われた。契約日はメモを渡した日(尋問で出てた)。あとは時系列で区切ってひたすら事実を主張。
錯誤の抗弁については、正直何を錯誤として主張してるのか書面が意味不明だったが、協議をしており債務不履行はなく、ゆえに損害賠償されることもない=錯誤はないと主張。協議を請求原因に絡めて書いてもよかったが、協議がなかったとしても売買の効力に影響を与えることはない(少なくとも当事者はそういう認識)だと思われたので抗弁にまわした。
感想
補助参加人出てきてえっっっっっ、ってなったけど実際起案に与えた影響は記録が増えたくらいでそこまで大きくなかったような気もする。ただ「補助参加人」の画数多すぎ。省略させてくれ。
あと錯誤の主張の書面がゴミすぎて主張内容が汲み取れなかった。代理人クビにしろ。
民事裁判
書いた枚数:33枚
訴訟物
本訴の訴訟物は売買契約に基づく本件土地及び本件建物の所有権移転登記請求権1個(不動産2つあるので単に所有権移転登記だと特定不足な気がする)。
反訴は賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての本件建物の明渡請求権、賃貸借契約に基づく賃料支払請求権、上記明渡の履行遅滞に基づく損害賠償請求権の3個単純併合(3つ目の損害賠償は答案には不法行為で書いたものの、書面の記載的には履行遅滞が正しかったのだろうと思う)。
要件事実
本訴は請求原因のみのはず。反訴は請求原因が性格悪いと思った。
当事者の主張に関する問題
原告(反訴被告)の2回目の相殺の意思表示については、解除の効力発生後(停止期限経過後)にされたものであって実体法上無意味な主張。したがって抗弁等のいずれにもあたらない。
撤回問
適法に占有を開始してても占有が不適法になった以後の必要費等を理由に留置権は成立しない(295条Ⅱ類推、らしい。類推なのかよく覚えてなかったので同項の趣旨でっちあげて適当に書いた)。3ページも使う内容なのかは正直よくわからんかった。
事実認定
事実認定は請求認容(ぶっちゃけどっちもあり得ると思う)
事実は35個くらい?挙げた。
売買認定方向だとたぶん賃貸借契約書(から推認される賃貸借契約の存在)が一番不利な事実。処分証書性は認められないこととしたが、類型的信用文書にはあたるとし、特段の事情を検討した。
その中で、そもそも契約内容が不自然、賃貸借契約を前提としない当事者らの行動の存在(当時80歳の原告母が借主、賃料23万と高額で資力不足の不安もあるのに保証人なし、敷金礼金更新料なし、賃料高すぎ、更新もしてない、原告は修繕費払って請求してない、台風の際原告にだけ問い合わせすらしてない)等から認められないことにした。
※賃貸借契約の成立は本訴との関係で言えば理由付き否認の理由にあたるもので、被告は本訴で立証責任を負っているわけではないし、本来これが認められないから本訴が認容されるものではない。もっとも事実上売買vs賃貸借になっていて、賃貸借契約の存在が反訴の請求原因でもある(そっちでは被告=反訴原告が立証責任を負う)ことを考えるとどちらがよりありそうか、という事実認定をせざるを得ない気がする。あと反訴だと賃貸借契約の認定が第一類型になるはずだけど、上で述べたような立証責任の問題があるので、本訴でそのまま使っていいのかはよくわかんなかった。
小問
書面による準備手続きの条文あげて適当にあてはめて終わり
感想
刑裁に続いて、J教官の中には修習生を混乱させて喜んでいる人たちがいるのかもしれない、と思わずにはいられない出題。売買契約認定のための証拠構造が意味不明(賃貸借契約が認められないことを間接事実として他の事実とあわせて主要事実を推認…?)。
刑事弁護
書いた枚数:19枚
想定弁論
証予1,2→W2人の変遷後供述について変遷部分の信用性を弾劾→両名の供述が根拠となる事実(被害品は第3ボタン部分がほつれていた、Aは退店時コートをバッグに押し込もうとしながら足早に退店した)は認められない
→その余の事実を総合しても証明予定第1,2の事実は認められない
証予3→番号通知して問い合わせするのは購入希望者の行動としては理解できるが窃盗犯の行動としては不自然。推認力なし。
+第三者による犯行可能性
→全て総合しても、Aが犯人でないとしたら合理的に説明できない事実関係は存在しない
→無罪
異議問等については割愛
感想
散々他の科目には裏切られたが、刑弁だけはいつもどおりだった。実家のような安心感。
あと登場人物の画数は少ない方がいい。刑弁はその辺をわかってる。他の科目もみんな川上とかにしてくれ。山とか川とか上とか下とか適当に組み合わせればそれっぽい名前になるから。
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