記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

最高の超傑作スピンオフ「ベター・コール・ソウル」をようやく見終えた

海外の人に「ブレイキング・バッドが好き」といえば世界共通言語のように通じる超有名作品「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品として世の中に登場した「ベター・コール・ソウル」。

最近になってインスタグラムで本作のネタバレに近いものを見かけてしまい、「最後までなにも知らずにドキドキしたい」と一念発起し、2024年8月から約3ヶ月かけてシーズン6までを見届けた。シーズン6は気になりすぎて3連休初日で約12時間の贅沢な一気見をした。天晴れだった。

ちなみに投稿主の私は、大学時代にエル・カミーノ配信直前に課題でブレイキング・バッドの雑誌?を作るほど、本家にハマった経歴あり。2022年4月にシーズン6が配信開始されていたものの、シーズン5を観てからかなり時間が経っていたことと、1話約1時間の体力を使う根気がなかなか出ずにいたため最近までサボっていた。サムネの画像はこちらから拝借して加工した。

様々な人が言うように、この物語は主軸が「ジミー・マッギルとキム・ウェクスラーの愛の物語」であり、「ウォルター登場以前の様々な人から見たアルバカーキを舞台にした物語」だった。

愛の物語たる理由は、最終話の刑務所で一緒にタバコを吸うあたりに込められていると思う。なんとなく見ていても、白黒の画面にあからさまに色がついているタバコの火。ジーン・タカヴィクとして孤独にブレイキング・バッド以降生きてきたジミー・マッギルに灯る、一筋の人生の希望。

HHMの駐車場や法律事務所「Wexler McGill」の外、二人の部屋のベランダ、ベッドで横になってるところ、映画を観ながらソファに座っているところ、そして最後の刑務所。似たアングル、似たポーズだけど、それぞれ違うシチュエーション。「こういう可能性だってあるだろ?」と最後に笑いを誘うジミーの話し口調に、キムのクスっと笑う流れ。一緒にいる二人の関係性はまさにベター・コール・ソウルの主題だったと思う。

また「ウォルター登場以前の様々な人から見たアルバカーキを舞台にした物語」とした理由は、主人公としてソウル・グッドマンになっていくジミー・マッギル以外に、ハワードの言うところの「賢くて有望なのに、こんな人生を選んでしまった」キム・ウェクスラー、正直冷血な仕事人と思っていたマイク・エルマントラウト、正直あそこまで大活躍すると思っていなかったナチョ・バルガ(イグナシオ・バルガ)、メスラボを作るまでの相当の苦労と困難が待ち受けるガス・フリング(グスタボ・フリング)など、多くのサブ主人公たちが、自分の人生を生きているところを喜怒哀楽・苦難・葛藤含め描き切ってくれたところにあると思う。そこまで詳しくは覚えていないが、ブレイキング・バッドでウォルターとジェシー以外が主人公になるエピソードはそんなに多くなかった気がしている(BCS推しすぎる)。

時間があったら「Something Stupid」という曲を聴いてほしい。まるで映画ラ・ラ・ランドのオープニング曲みたいに、物語の総まとめが曲に詰め込まれていた。作中で該当の曲が流れたモンタージュシーンを見て、歌詞を見て、気づけば泣いていた。

シナモンロールを差し入れに行ったときのフランクというセキュリティルームのおじさんの言う通り、「時に人生は浮き沈みがある」というセリフは、本家ブレイキング・バッド、スピンオフのベター・コール・ソウル、そして私たちの人生にも共通することだと思える。

私としては本家ブレイキング・バッドよりも高い評価をしている。みんなが人間らしくて、怖ければ怯えるし、嬉しければ喜ぶ。ムカつけばキレるし、悲しければ泣く。登場人物に共通する人生を生きる上で必要な嘘、絶対ついちゃいけない嘘、ウォルター&スカイラーとジミー&キムの対比など、総じてあのユニバースに奥行きと深みを与える面が多かった。

もちろんすべて自分が思ったことと、色々な人の意見を織り交ぜたところがあるので、賛同していただいても、いただかなくても構わない。捉え方は人それぞれだから。

※キムとジミーが離れ離れになるところがあまりにリアルすぎて、あまりにショックが多すぎて、久しぶりに元カノの夢をその日に見たのはまた別の話である。

いいなと思ったら応援しよう!