完璧では無いからこそ楽しめる生き方
日本時間1月22日、イチローが米国野球殿堂入りを果たした。その快挙にもかかわらず、満票ではなく、あと1票足りない結果だった。
しかし、彼はこう語っている。
「いろんな人が、いろんなことが足りない。それを自分なりに埋めようとすることが人生だと思う。完璧じゃなくて良かった。」
この言葉は、私たちの「欲求」と「幸福」の関係をも考えさせる。
心理学者のソニア・リュボミルスキーによれば、幸福感には「ヘドニック・トレッドミル」という現象がある。これは、欲求が満たされた瞬間に一時的な幸福感を感じても、その後には再び新たな不足感が生まれ、永続的な幸福にはつながらないというものだ。
満たされない欲求や足りない部分は、時に私たちを焦らせたり苦しめたりするが、実はそれこそが人生を動かす原動力になる。
満足だけを追求するのではなく、「何が本当に必要なのか」を見極め、そのプロセスを楽しむことが大切だ。
満たすことだけに価値を見出すのではなく、足りない部分を埋める過程に喜びを見つけること。それが幸福感を育む鍵なのだ。
イチローが「完璧じゃなくて良かった」と言った背景には、足りない部分を成長の糧とし、その過程を楽しむという生き方があるように私は感じた。
足りないことを嘆くのではなく、そこに可能性を見出し、少しずつ前に進んでいきたいところだ。
足りなさは成長の余白であり、それこそが本当の幸福につながるのだと実体験からもそう思った。