ドゥコ - duco -4 die.三日月と友と牙
この世のどこかに幻の都市がある。
それは秘密国家、タワー都市と呼ばれた国。そのタワーは3つ聳え建ち、螺旋階段が上下に連なる。
その国は「13の塔」とも呼ばれた。その場所には伝説「己の騎士物語」がある。それは黒いマントの騎士と白いマントの騎士についての伝説物語だ。
この世にはまだまだ謎があり不可解で不思議なものが沢山、存在する。
盗まれたアドのネックレスを盗賊から取り戻し、メミニ達は先程のお店「リコルト」に戻って落ち着いて色々と話していた。
〈メミニ〉良かったわね、ネックレス戻って
〈アド〉ああ! メミニ、メルありがとうな!
〈メミニ〉いいのよ、あそうだ、アドはこれからどうするの?
〈アド〉どうしような? 旅は続ける。まだあの人を見つけてないから
〈メミニ〉あの人って?
〈アド〉母さんだよ、この世界のどこかにいる。会って大切なことを伝えないといけないんだ
〈メミニ〉そうなんだ、じゃあその旅私たちもついて行っていい?
〈アド〉え? いいのか?
〈メミニ〉いいわよ、これも縁ってことで
〈アド〉お前いいやつだな! さっそく行こうぜ! メミニ! メル!
〈メル〉メーイメーイサー!
〈アド〉こいつメーイメイサー! だって! 面白いやつだな! よろしくな!
〈メミニ〉よろしく!
メミニとメルはアドと冒険を共にし一緒にアドの母を見つける旅に出ることを決意した。
3人はお店をでた。そしてアドは外で地図を開く。
〈アド〉いまはスビトザ王国! じゃあ次はこのオリーブ国に行く、この場所スビトザから近いし、オリーブって女性のイメージがある、なにか情報あるかも!
〈メミニ〉安易だね、てかオリーブイコール女性とは限らないから
〈アド〉とにかく行こうぜ!
〈メミニ〉そうね! メル行くわよ
〈メル〉はーい!
これからスビトザ王国の東にあるオリーブ国に向かうことにした。
ある夜、この日3人は決めていたオリーブ国に向かっていてその道中で休むことにした。火を焚いて、肉や川で釣った魚を焼く。3人は腰を下ろしそれらを食べていた。
すると、そこに走って向かって来るものがいた。火からでた煙が狼煙のように空に上がっていくのが見え、おそらくその煙を敵と勘違いして獣人が襲ってきた。
その獣人は長い爪を生やし、攻撃する。その攻撃に3人は敵に気づき、戦闘態勢へと変えた。
〈アド〉うわ! なんだ!?
〈メミニ〉敵よ! あの爪に触れないで! 毒が縫ってあることがあるわ!
〈アド〉まじか!
メルは翼を開き、空中に飛ぶ。
〈アド〉なんだお前は!?
〈ヴィア〉グルルルルル
と、喉を鳴らし威嚇する。
やがて曇って見えなかった月が現れて辺りが光照らされる。
獣人をみると、ただの獣人ではなかった。黒豹獣人族だった。この辺に村や縄張りがあるのだろうか。
4人はお互い攻撃のチャンスを狙っている。すると、曇で月が隠れた。その時獣人は姿を変えた。さっきまでより細い身体だ。人間になった。いや、人間に元に戻ったと言うべきだろう。
黒髪に黒い耳を生やした普通の男の子だ。だが、眼はツンツンしていて怖いものを連想させる。冷酷な眼だ。
その男の子は話した。
〈ヴィア〉お前たち狼煙屋のもの達か?
〈メミニ〉狼煙屋?
〈ヴィア〉敵の偵察隊かと聞いている!
〈メミニ〉ちがうわ! 私たちはオリーブ国に用があってこの道を進んでただけ! てかあんた誰よ!
〈ヴィア〉曲者に名を教えはせん、お前たちはなにをしに来た? 俺らの村を滅ぼすために来たのか?
〈メミニ〉だから! 私たちは敵じゃないし! そんなことしないってば!
その瞬間、アドは前へと飛び出した。そして、いきなり獣人の顔をぶん殴った。
〈ヴィア〉が…… は……
獣人の男の子は倒れた。
〈メミニ〉あんた、何してんのよ!?
〈ヴィア〉ん、くっ! てめぇ! 何してんのかわかってんのか!
〈アド〉敵ならそれでいい、ごちゃごちゃうるせぇんだよ、かかってこい。殴り合えば分かり合えるだろ
〈メミニ〉あちゃあ……
獣人は立ち上がり、怒りに震えていた。月が見え始め、獣人は吠える。するとシッポが生え、体は毛深くなり、黒い毛が生える。コメカミに牙の形の模様が現れ、すっかり黒豹獣人になってしまった。
〈ヴィア〉おのれ!! 我らハレルヤ族を侮辱しよって!! 八つ裂きにしてやる!
〈メミニ〉ハレルヤ族ですって!?
黒豹獣人はアドに向かって襲いかかった。
〈アド〉電鬼流・雷烈拳!
アドは雷を拳に身につけて黒豹獣人を激しく連発的に何発も撃ち込んだ。
猛烈なアドの拳に黒豹獣人は気を失ってその場で倒れてしまった。姿も元の人間へと変わる。コメカミ辺にあった牙の模様も消えた。
〈アド〉お前じゃあ俺には勝てねえよ
〈メミニ〉まったく無茶するわね、この人多分コルヌ村の住人ね
〈アド〉コルヌ村?
〈メル〉牙の末裔だよ
〈メミニ〉そう、そのコルヌ村の住人の黒豹獣人ね、とりあえずコルヌ村に運ぶわよ
〈アド〉え、まじで?
〈メミニ〉あんたがやったんでしょ、責任とりな
〈アド〉責任って、こいつから襲ってきたんだろ、なんでおれが悪くなってんだよ
〈メミニ〉悪いとは言ってない、この人にも責任がある。たしかに襲ってきたのはこの人だけど、あんたもぶっ飛ばして気絶させたんだから、運んで傷の処置するのが普通でしょ、それにちょっと気になることもあるし、この人本当は優しい人じゃないかな?
〈アド〉優しい…… ね? よく分からんけど怖い目してたぞ
〈メミニ〉それは建前なのかもよ
〈アド〉なんだそれ? わかったよ
とアドは獣人を肩に担いだ。
〈メミニ〉なにしてるの?
〈アド〉連れていくんだろ? こうさせた俺の責任あるなら俺がその村まで運んでやる
〈メミニ〉驚いた、ありがとう
〈メル〉2人とも優しいよ、行こう
3人は獣人を連れ、牙の末裔が住むというコルヌ村へと向かった。このコルヌ村での出来事、行動は後に希望となりえるかもしれない。
❀ ある小説の一節 ✿
ー 靴下のウズマン
ウズマン、靴下の中にて住む幻の妖精。人の幸せを見守る小さき守人。靴下に幸せあり ー
・リーク文字(ルーン文字)・
ー ᚲᚢᛏᚢᛋᛁᛏᚨᚾᛟᚢᛉᚢᛗᚨᚾ
ᚢᛉᚢᛗᚨᚾ ᚲᚢᛏᚢᛋᛁᛏᚨᚾᛟᚾᚨᚲᚨᚾᛁᛏᛖᛋᚢᛗᚢᛗᚨᛒᛟᚱᛟᛋᛁᚾᛟᛃᛟᚢᛋᛖᛁ
ᚺᛁᛏᛟᚾᛟᛋᛁᚨᚹᚨᛋᛖᚹᛟᛗᛁᛗᚨᛗᛟᚱᚢᛏᛁᛁᛋᚨᚲᛁᛗᛟᚱᛁᛒᛁᛏᛟ ᚲᚢᛏᚢᛋᛁᛏᚨᚾᛁᛋᛁᚨᚹᚨᛋᛖᚨᚱᛁ ー
ー 4die. 三日月と友と牙 ー つづく。