アルバカーキ・セプ局♯6 マークとズールイ2
ー アルバカーキ・セプ局にて ー
マークとズールイ捜査官は局で取り調べをしていた。
ズールイ捜査官は第1取り調べ室で夫のメイソン・ベル、マークは第2取り調べ室で妻のソフィア・ベルを取り調べをしていた。
マークのほうにディルがやってくる。
セイガル、ちょっといいか?
ああ。
外に出ると、ディルが話す。
セイガルお前がまさか犯人を連れてくるなんて思わなかったよ、あと取り調べするところも初めてみた。
まあな。
それで? どうだ?
局長が状況はどうだって、多分セイガルのことだからなにかやらかしてないか、確かめにきた。
なるほど、特になにもない。ん? ディルなにかやらかすっていうのは?
いやそこは気にするな、それで? なにかわかったのか?
母のほうは白だな、聞くところ夫のメイソンに無理やりベッドルームに運ばれたそうだ。
なんだって?
なんでも息子のことで逆上して頭を鈍器で殴られて気絶したって、その証拠に頭に大きなコブがあったよ。
てことは父のほうが黒幕ってことか。
ああ、いまズールイ捜査官が取り調べしてる。
よし、ならこっちはもういいから俺らも第2取り調べ室にいくぞ。
ああ。
2人は隣の第2取り調べ室にむかった。
そしてズールイ捜査官を呼び出し、話を聞いた。
ウィルソン、どうだった?
と、ディルが言う。
するとズールイ捜査官が話す。
完全なくずな父さんだな。すべて吐いたよ。息子さんをかなり暴言吐いてたな。大学落ちてニートしてたときも死ねとか言って息子さんはかなり精神的に病んでた。大学受かって行こうとしてたが、実際1度も登校してない。あの男は嘘しかいってなかった。
昔はもっと酷くて暴力もあったそうだ。
あれ? 暴力の線は薄いはずだろ?
ああ、だが小さいときだし、お母さんが看病したりしていまは治ってる。あといまは昔と比べて暴力はなくなったそうだ。
完全な黒なわけだな、自殺教唆だな。よし、これを局長に報告する。にしても可哀想な事件だったな。行こう。
ディルたちは局長室へと向かう。
取り調べ室は2棟の3階にある。廊下があって左右に、3つづつ取り調べ室がある。計6室がある。
取り調べ室抜けて1つ上の階に行く。エレベーターおりて保安部に入り、局長室に入った。
局長が話した。
事件はどうだ?
ディルが話す。
解決してくれました。セイガル話してくれ。
マークは局長に尋問してわかったことを話した。
なるほど、ではそのメイソンが息子を恐喝し自殺に追い込んだ。追い込まれた息子はビルの屋上から飛び降り、自殺。さらに妻には殺人未遂、自殺教唆犯ということか。では、その犯行を刑事に伝え犯人を引き渡せ。セイガル、ウィルソンは明日まで引き続き見張りを頼む。
わかりました。
ディルは刑事に話をして、その間に夫を連れてきた。妻は無実ということで釈放。
ということだ、夫を渡す。
わかった。解決してよかったよ手を焼いてたんだよ、あの男には。
そうなのか? あんたが? なんで?
それがな、我々警察が伺うと急に怒って来るな!! て叫んで取り入ってくれないんだ。まるで怒り散らかしたジャバ・ザ・ハットみたいだ。
うわ、それはやばいな、まあちょっと似てるしな。
などと、ディルとラマン刑事が話していた。
そこにズールイとマークがやってくる。夫も一緒だ。
え、セイガル?そうかお前が捜査なんて20年ぶりか?
まあな。
マークは夫を刑事に渡し、2人は先程のビルに向かう。
中に入り、次は最上階の16階に向かっていた。
エレベーターの中でお互いを話していた。
ウィルソン捜査官、どんな仕事してた?
ウィルソンかズールイでいいよ。前の局じゃあ、そんなやることなかった、事務みたいなもんさ。昔は捜査してたけど。いまはあそこは平和そのものだったからな。
そうか、実は俺は事務員中心なんだ、昔は捜査してたけど人も多くなったし、今や体力もそんなにないし。
と、2人はお互い見つ目合う。2人とも似ている、体型も太ってて、楽がすきで食べることもすき。
なんだが気が合いそうだな?
とズールイ捜査官が言う。
2人は16階の最上階につくと目の前にある階段を登った。
そして屋上の扉をあけた。すると目の前に屋上の柵の向こう側に1人の男性がいた。
その男をみて、2人は声を掛ける。
おい! そこでなにしてる!
とズールイ捜査官が言う。
うわ! びっくりしたな! だれだ!
俺たちは自殺の件で調査してる連邦捜査官だ、そこでなにしてる?
くるな! おれはもう無理だ、死ぬんだ。
なぜだ?
そこにマークがはなす。
なぜっておれは夢もないし大学も上手くいってないし、親とも上手く行ってない。なにより、大学の購買で焼きそばパンがいつも買えないのが悲しいすぎて!
と泣きそうにマークたちに話した。
マークはその最後の言葉を拾って悲しい顔をした。
そうか、それは悲しいな。おれもこの前チーズピザを頼んだのにトマトピザだった! 悲しい。
するとズールイ捜査官も話した。
おれもそんな経験あるさ!!
と3人で泣いていた。
ありがとう!! 生きるよ! 大学で焼きそばパン掴むまでは死ねない!
その意気だ! お前のなまえは?
おれはビル・ラヴェルネ。
ビルか! ビルに住むビルだな! いい名前だな。これからも生きろよ!
ああ!
とビルは柵から越えて屋上に戻ってきた。
ありがとうございます、伝わったよ。ねえ、俺でも捜査官できるかな?
出来ると思うよ! おれを見ろよ、こんな感じだができてる。
とマークが語った。
さあ、下いくぞ。送ってやる。
マークとズールイはビルの部屋まで見送った。
2人はセプ局に帰る途中、お互い握手をしていた。これはマークとズールイの劇的な出会い。
どこか通じるところがあったのだろう。マークもズールイも今後事務の仕事を頼まれ、いつしかセプ局でも有名になっていた。2人とも現場はしたくないそうだ。たしかに、この事件終わってマークは疲れすぎて2日セプ局で寝た。
ー ♯6 マークとズールイ2 ー つづく。
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