【半導体】村田製作所、被災の穴水工場が5月半ばまで操業停止の報道
2024-01-17
台湾の大手経済紙『工商時報』
受動部品(パッシブコンポーネント)の村村田製作所(Murata Manufacturing)がこのほど、能登半島地震で被災したインダクタを生産する穴水村田製作所(石川県鳳珠郡穴水町)が少なくとも24年5月半ばまで操業を停止するため、同業の代替品を採用するよう提案する内容の通知を顧客宛に送ったことが分かったと報じた。同紙はまた、村田からの通知を受け、台湾Yageo(国巨)傘下のChilisin(奇力新)や、台湾TAI-TECH(台慶科)といった台湾系受動部品業者のもとに最近、顧客からの問い合わせが来ていると報じた。
村田製作所穴水工場地震による停工の影響
特殊型電感の転注
村田製作所が能登半島地震で被災した穴水工場を5月中旬まで操業停止すると発表した。同工場はLQHシリーズの電感を製造しており、同製品は特殊型電感として、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル機器、ネットワーク機器などに広く使われている。
村田は、穴水工場の操業停止に伴い、LQHシリーズの電感を同社以外のメーカーの製品に切り替えるよう、顧客に要請している。
LQHシリーズは、規格が特殊なため、同製品を製造できるメーカーは限られている。また、操業停止期間が長いため、影響は大きくなりそうだ。
被動部品の庫存消化と転注
被動部品は、長期間続いた需要回復に伴い、庫存が積み上がっていた。しかし、能登半島地震の影響で、村田の穴水工場が操業停止したことで、特殊型電感の供給が逼迫し、転注が進む可能性がある。
台湾のChilisin(奇力新)と台湾TAI-TECH(台慶科)は、LQHシリーズの電感を製造している。両社は、村田の穴水工場からの転注を獲得する可能性がある。
一方、被動部品の大手メーカー、台湾Yageo(国巨)は、庫存消化が進み、第二四半期末には完了する見通しを示している。台湾TAI-TECH(台慶科)は、ヤマトの庫存消化に伴い、ネットワーク機器向けの受注が回復しており、第二四半期に成長を再開する可能性がある。