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ヒョウモントカゲモドキの病気【神経障害②ウカノ】
前回、うちでお世話しているヒョウモントカゲモドキのニニギが神経障害を起こした記事を書きました。
詳しくは下記note参照
この時、ニニギと共に飼い主の寿命も縮むかと思ったのですが、病院で処置を受け、その日の夜に投薬等済ませた後、やっと一息ついたタイミングで他の子のお世話をしていました。
そして気づいてしまったのです。
『隣りのケージのウカノの様子がおかしい…』ということに。
ウカノとは2020年7月にご縁があってお迎えしたリューシスティック(マーフィーパターンレス)のオス。
ベビーでのお迎え当時から餌食いも良く順調に成長し、脱皮トラブルや病気や怪我も無く、これといったトラブルの無い(ペットシーツの下に潜るのはパネヒの火傷問題があるので止めて欲しいくらい)一般的に飼いやすいとされる部類のヒョウモントカゲモドキです。
そのせいか、気持ち他に手を取られがちな子(ある意味うちには問題児がいる)よりは過度に構う事が少ない子だったという面もあります。
餌にしても、これは食べないや、カルシウム剤やビタミン剤をつけると嫌がるという偏食も無く、活餌(コオロギ)も冷凍コオロギも人工フードも何でも良く食べる子ではありました。
そんな、ウカノの何がおかしいというと、昨日は他の子同様に餌の日だったのですが、食べたけれど冷凍コオロギを1匹しか食べませんでした。(普段は確実に3匹は食べるしもっと欲しがる)
1匹でも食べたならええやん?そんなお腹減って無いだけやろう?
いつもならそう思って様子を見るところですが、今回の神経障害起こしたばかりのニニギの事もあり、ウカノまで変に大人しいのが気になってボディチェックする為、持ち上げるようにハンドリング。
するとなんということでしょう。
持ち上げるといつもなら掴まれたら、わー!やめろー!逃げろー!と多少触られ慣れてなくて暴れがちな子なのに嫌に大人しく、嫌な硬さの身体の緊張具合、そして閉じない嫌な感じにぼんやりとした眼...
そうこの症状は昨晩のニニギとほぼ同じ状態。
ニニギの時程、強めの虚脱症状が出てるという訳では無く、まだいつもと同じような動きをしたり、顔も上げたりしますが明らかにいつもとは違う反応。
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からの...死んだ魚のような目...(虚無)
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え?虚脱してる??
え?脱水??
床に置いて見ても下半身がぐにゃっと力が入らないような感じでふらふらぐにゃぐにゃとスローペースで歩きます。下手したらひっくり返るようなふらふら具合。
口を開こうとすると抵抗する無くパカーンと開いて目は一点を見つめるようにボーッとしてる。
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四肢の力の抜け具合と、真っ直ぐ歩け無い事に代謝性骨疾患(くる病)等の不安も出てきます。
これ、またあかんやつだ。
背中に冷たいものが走り、焦るものの今日行ってきたばかりの病院はもう終わっている時間でどうしようもありません。
とりあえず、何か困った事があったら相談しようと思っている、普段から仲良くしているレオパブリーダーのAさん(ウカノの実家)にSOSを送ると、くる病疑いなら応急処置としてビタミンD3入りのカルシウムがあるならそれをシリンジであげてみてというアドバイスを受けました。
しかし、うちはビタミンD3無配合のノーマルカルシウムしか用意が無く、以前はD3入りのカルシウム剤も使用していたのですが、ビタミン剤として使用しているネクトンREPにD3が配合されているのでそちらばかり使用するようになりD3配合のカルシウム剤は購入は控える事に。
よって、とりあえずネクトンREPとノーマルカルシウム剤を混ぜて水で溶いてスポイトで飲ませました。急激な過剰摂取にはならないかなという心配はあるものの、適量がよくわかりません。
ウカノ自身は水分だと思ったのか、ぺろぺろと少し舐めるような素振りで飲んでくれたの安心しました。
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それでも、手や足をピクピク震わせる動作が気になり(手足の痺れや震えが神経障害の初期症状と言われいるらしい)、自己判断の極みではあるのですが、ニニギに処方された薬を飲ませる事に。
薬の内容は下記の混合水溶液。
バイトリル(抗生剤)
ホリゾン(ジアゼパム)
ビタメジン(各種ビタミンB配合薬)
グルコン酸カルシウム
恐らく、ウカノを病院へ連れて行ったとしてもほぼ同じ内容の薬が処方されるだろうと推測。幸いウカノとニニギは同じような体型であり、体重で微調整されてるはずの薬の容量も問題無いはず。ただ、既にカルシウム剤とビタミン剤を飲ませた後なので容量の半分を飲ませることに。
その後、Webから動物病院の予約を取ろうとすると予約時間が空いているのは、3日後の9月16日(月祝)の午前中。
それまでに何かあれば動物病院へ連絡して飛び込もうと決め、応急処置後の様子を見守る事に。
翌日、2024年9月14日(土)
経過を見る為、ケージから出して歩いてもらうと昨日と比べて改善したのがはっきりとわかりました。
下肢のへたり具合が無くなり、しっかりと踏ん張れている!
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良かった、応急処置が効いた!と安堵しつつ、緊急で診てもらう必要もは無さそうなので予定通り16日に診察してもらう事に。
その後もカルシウム剤とビタミン剤を飲ませて様子を見るか、ニニギの薬を併用するか迷った末、やはり診察を受けても同じような薬出されるだろうという自己判断の元、ニニギの薬を併用する事に。
この辺りの判断は病院へ問い合わせるのもありかと思うのですが、病院側からしたら症状診てみないと何とも判断出来ないというのが正直なところで困られる事も多いでしょう。安易になかなか良いですよとは言い難いと思うのであくまでも自己責任の伴う自己判断です。(勿論勝手にやらん方がいい場合もあります)
人間でも家族が風邪ひいた時にもらった薬、自分も風邪ひいたからわけてもらって飲もうっていうのは推奨されないですからね。診断受けてからの方が良いはず。
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後日、病院へ連れて行く予定なので移動の負荷と消化の事も考え、水分だけはしっかり飲むようにして追加で餌は与えない方向で調整します。とりあえず一昨日1匹はコオロギ食べてるので良しとしよう。
翌々日、2024年9月15日(日)
投薬してからの様子見。
四肢はしっかりしているものの動きはそれほど活発では無く、じっとしているのはホリゾンが効いて大人しくなっているのかなという印象。
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多少、温度で肌色が変わる事はあるけど部分的な皮膚の変色が気になりました。
印象としてはあまり首を上げないなという部分はありますが(後にこれはとても、重要な部分と気づきます)、他はそんなに問題は無さそうです。
2024年9月16日(月祝)
病院へ連れて行く前のチェック。
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これといった不調は見られず、正直いつもと変わらないウカノの様子に病院必要かな?とも思ってしまいますが、骨の状態等はレントゲン撮って診てもらわないとわからない事もあるので、予定通り病院へ行く事に。
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動物病院へ着いて、前回のニニギの事も含め連続で起こってしまった事案である旨を伝え診療を受けます。
心配な点は今は改善してはいるけれど何点かあったので伝えました。
・軽度だが虚脱が起こっていた。
・四肢(特に下肢)に力が入らずぐにゃぐにゃしていたので代謝性骨疾患を起こしていないか。
・手足の小刻みな震えと口の開きがあった。
・食欲が落ちている。(もしかしたら今なら食べるかもしれない)
・立て続けに飼育している子に似たような症状が出たのでこのままいけば同様の神経障害を発症しないか。
・あと、今は症状落ち着いてるのは、応急的にニニギの処方薬を飲ませたから。(すみません)
先生によれば触診した感じではこれといった骨に異常は無さそうで、今の時点では元気なのではっきりとした原因はわからないということ。(そうですよねー)
くる病の心配をしましたが、くる病とはベビーの時にカルシウム・リンが骨基質に十分に定着せず、骨塩が不十分で弱い骨ができてしまう状態の事を指す代謝性骨疾患の1つなので、アダルトに成長してからの発症はくる病というより呼び名の違う骨疾患で総称するというなるほど事案。
ど素人の私は代謝性骨疾患=くる病とひとまとめに考えてましたが、発症事案にも色々あるのですね。勉強になります。でも良くわかってません。
で、肝心のアダルト個体に骨の異常が見られるというのは食事のカルシウムやビタミンが足りてない事で起こる低カルシウム血症等。ヒトでいうところの骨が薄く脆くなったりという骨粗鬆症のような状態も発生すれば歩行に影響も出る。
血液中のカルシウム濃度が不足すると痙攣などの症状が起こるという事でしたので、ちゃんと餌の時にまぶしていたつもりのカルシウムでは足りなかったという事でしょうか。
血液検査はしてもいいけれど、どうしてもヒョウモントカゲモドキのような小さな子からは精密な結果は出にくいので、採血しても明確な判断基準にはなりにくいのであまり推奨しないと前回と同じ理由でやんわりとしない方がいいと言われた気がします。
ならばレントゲンでの診断を。
ただし、レントゲンも完璧ではなく、やはりヒョウモントカゲモドキのように小さき生き物の細かい部分は写らない可能性があるとのこと。
そうは言っても明らかな骨の曲がりや異常があれば写るはずなので、念の為に撮影してもらいました。
動物病院で使用するX線検査って犬猫は人に準じた考え方の照射らしいけど、爬虫類や小動物ってどうなんでしょうかね?
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背骨真ん中辺りがなんとなく薄く写ってるかなぁ...って気がしないでもない。
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写真だけ見れば、これといった目立つ骨の薄さがある訳でも無く、代謝性骨疾患を起こしている可能性は低いとの事でした。
後、疑われたのは脱水。今は症状としては顕著に出ている訳では無いけれど、脱水を起こしていた可能性が疑われます。
その辺に関しては、思い当たる節は少なからずあるので私としても脱水からの虚脱だったのでは無いかと思っていました。
点滴をする程ではありませんが、手足の痺れが見受けられたのでお薬が出る事に。
内容は想像通り、ニニギの処方と全く同じものを2週間分処方されました。
1ヶ月程投薬続けて神経障害の発作が出ないかなどの経過をみましょうという事でこの日の診療は終了。
翌日以降、心配でペットカメラを設置しました。(飼い主は若干ストーカー気質があります)休憩の度にチェックしてましたが、保湿用のスポンジの上でスヤスヤしてました。
いいぞ、脱水しないようしっかり皮膚からも保水しておくれ。
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病院行く前に撮った時もいつもと変わらぬ元気な姿……と思っていましたが、後日撮った写真はちゃんと首を上げてのポージングがしっかりと出来ています。
思い返せば、元気に見えてもずっと首が下がり気味でした。この数日撮った写真を見返してと首を上げてる姿勢は無かったかもしれません。
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投薬は毎日2mm(約2滴)という事で、せっせと口端を引っ張って歯の隙間に流し入れて飲ませるを繰り返していました。無理やり口を開いて飲ませると誤嚥する可能性があるので、口は開かせ無い方がいいです。鼻先にちょんと落として舐めさせるといいですよというアドバイスいただきましたが、それやると絶対口開かないという硬い意思で舐めずに床に擦りつけて薬落とそうとするので、とりあえず口角を狙って投薬。
お薬、苦いんですかね?
最初少し舐めてみましたが確かに少し苦味ありました。なんだろ?抗生物質が苦いのかな?この子達も苦味とかもわかるのかな?
1週間もすると元気になりすぎて、暴れて必死に逃げるようになってしまいましたが、飲ませるのが大変なくらい暴れるということは虚脱は無く元気になっているのだと信じて。
途中から餌につけたりして誤魔化しながら1ヶ月間投薬を続けました。
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その後、ウカノは軽度の症状だった事もあり、投薬を続けて行くとどんどん調子よくなっていくのがわかりました。
とてもよく首が上がっています。動きもどんどん活発になって脱走騒ぎも起こしてしまう始末。
このに記事を書いている1ヶ月以上経った今では全く問題なく元気に過ごしています。
餌食いも良く、尿酸や糞の状態も問題無く脱皮もスムーズに済ませているので、普通に健康そうな可愛いヒョウモントカゲモドキに戻ってくれた思っています。
では、何故急にあんな症状が出ていたのか…
今思えば、恐らく大きな原因としては脱水してしまったのでは無いかと考えています。
水入れの水はちゃんと交換しているし、保湿用のスポンジを置いているのでと安心過信しているところがありましたが、当の本人が水分を飲んでいるか…というのは現場を見た事無いのでわかりません。
何より私は普段霧吹きをあまりしていなかったというのも大きいのでは無いかと考えています。時々はするものの、うっかり水がかかるとびっくりさせてしまうのが怖いのと、壁に霧吹きすると水滴跡の掃除も大変で控えていた……という飼い主のエゴ。
しかし、そんな事言ってられず、今は朝晩しっかり霧吹きをしています。少しでも水滴舐めて餌以外からの水分補給もしてくれていれば脱水を起こすような事は無いと信じて。
今年の夏は本当に暑くて、適度にエアコンを入れた部屋ではありましたが、人ですら体感がおかしくなり不調を起こすような気候ではありました。
ここ数年、毎年同じようにしていた事が通用しないというのも感じています。
投薬は一旦終了で今後同様の症状が起こらないか注意しながら観察することになりましたが、神経障害は一度発症すると再発する事も多いの聞きますので要経過観察です。
立て続けに起こった、神経障害を含んだうちの子達の不調。
同じような症状が出て不安でお困りの方がいらっしゃったとして、この記事を見て改善出来るのだと少しでも参考に、そして回復の希望になったり安心してもらえれば良いと心から願います。