ヒョウモントカゲモドキの病気【神経障害①ニニギ】
⚠️この記事にはヒョウモントカゲモドキの病気(神経障害)に関して、少しセンシティブな内容と動画や画像が含まれます。
それは突然やってきました。
いや、もしかすると突然では無く徐々にじわじわと何らかの警鐘していたのかもしれないのですが、私が最初に感じた違和感は些細なものでした。
あれ?なんか今日は二二ちゃんの反応薄いな。
二二ちゃんとは、うちでお世話させていただいている、ヒョウモントカゲモドキのニニギ。
2021年8月1日生まれ。
オス、トレンパー系アルビノだったはず…(詳しいモルフはレオパ警察の方に突っ込まれると困るのでわかりません)
いつもはケージの前に立つと何かしらの反応をしてくれる子で、特に餌の日だったりするとソワソワと動き回ったりするのですが、この日は準備した冷凍コオロギをいつも使用している小皿に置き餌にしても全く反応を示さず。
誘導するようにピンセットで動かしてみてもつーんとした様子で食べる気配は無く、寧ろ顔を背けてしまう。
あれ?食欲無いのかな?
季節の変わり目…と言っても9月半ばであり、毎日まだまだ暑く拒食モードに入るような時期でも無いので唐突な餌食いの悪さが気になりました。
あれ?おかしいな、なんだか元気無い?と思ったのがきっかけだったのですが、眠そうにダルダルしてるけど寝ている訳では無い。
触っても無反応、持ち上げてみても嫌がらず反応が薄い。全く動かない訳でも無いが歩いても動きが悪く気力が無いような状態。
ぐったりしているように見えて触ると身体が緊張してるようで硬い虚脱感。
あ、これはおかしい……
謎の虚脱症状。
虚脱症状が起こる可能性として思い浮かぶのは、脱水や低カルシウム血症。
とりあえずビタミン剤(レプチゾル)を溶かした水をスポイトで飲ませた上で、様子を見て病院へ連れて行こうかとこの時点では安易に考えていました。
夜中、心配で気になって何度もケージを覗いてみるもシェルターにも入らず同じ場所で目を開いたままじっとしている。
二二ちゃん、眠って無い?
やはり症状としては確実におかしい。普段と比べると動かなさすぎだし、じっとはしているけど眠っている訳でも無い。
ニニギはうちへ来てから何か大きなトラブルが起こったことの無い、模範的飼いやすいとされるヒョウモントカゲモドキだったこともあり、このおかしな状態はとても心配でした。
そして、翌朝2024年9月13日
ウトウトしつつ、もう5時か……そろそろ起きねばと、ニニギが気になって横になっただけで殆ど眠れなかった寝ぼけた頭に響く衝撃。
いきなりガタガタと何かが激しく暴れるような音が爬虫類ケージから聞こえて何事??と一気に目が覚めました。
誰かが暴れていると確信しつつ、レオパのケージを覗くと、ニニギがおかしな動きをしながらケージ内をウロウロと忙しなく歩き回っているではないですか。
いや、歩き回っているというより暴れてる?何??としばらく様子をうかがっていると、呻き声のようなら苦しげな鳴き声と共に口を開いて威嚇するようやポーズをとったり、引きつけを起こしたように暴れたりと安易に手がつけられ無いような状態になりました。
痙攣を起こしてる!!
咄嗟に頭をよぎったのは神経障害の発作、何が原因かはわからないけれど明らかに異常な症状。
このまま様子を見ても落ち着くものでは無さそうで、すぐにでも病院へ連れて行かねば、下手したらこのまま死んでしまうかもしれないという危険な状態だと感じたのですが、時間は早朝6時にもまだならず…対応してくれる病院等無いのでどうする事も出来ません。
あかん、これはあかん。
とにかく病院へ行く事を前提にどういった症状が出ているのか病院で説明する為にも動画を撮影しました。
こんな非常事態に動画撮影なんて不謹慎、可哀想と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、症状を記録出来るかどうかは結構大切な事だと私は思っています。
どういった症状であったのか、上手く説明出来れば良いのですが、いざ獣医師の前に出てどうされましたか?と訊かれると、どうしても心配過ぎて症状を大袈裟に表現したり、自分はこうだと思うのですがという思い込みが入りこんだ説明をしてしまう事も多くなってしまうので、正確な状態を伝える事が出来ないという事が無いよう、私は出来るだけその時の状態を動画で残し、判断材料となるようにしています。
その時の暴れるニニギの状態は以下の動画のような感じです。
かなり激しめに神経障害の症状が出ているので見るのが辛い可哀想な動画でもありますが記録として。
閲覧される方はご注意下さい。
その後、興奮状態が続き暴れ続けたので下手に触るのはニニギにとっても飼い主にとっても危険と感じ、少し落ち着いてくれないかと見守っていたのですが、直後ローリングするように更に暴れだしました。
まるで水に打ち上げられた魚…
何とかしてあげたいけど何も出来ない、手を出すと何が起こるかわからない。
下手に触ればショック死するのでは無いかとも思えました。
実は数年前に亡くなった別の子が、暴れた直後に事切れたというトラウマがあるので怖くて安易に触るのが恐ろしく躊躇してしまいます。
そんな絶望的な状態に追い打ちをかけるようにニニギはこの後ブツリとしっぽを自切しました(;Д;)
振り回したしっぽにうっすら線が入ったかと思うと、その線からブツリとしっぽが切れてケージの床に落ちた瞬間を目の当たりにし、え?何が起こった??とわけがわからないというか、頭が真っ白になりました。
ケージ内で切れたしっぽが脊髄反射から激しく動くという阿鼻叫喚の地獄絵図。
震える手でスマホを構えながら、、え?これ現実??え?夢?えぇなんでぇ……なんで…しっぽ切れてるん??と何度も叫んでいました。(後で見返した動画に入る自分の声と言ったら……)
ビチビチ跳ねるしっぽに呆然としつつ、当のニニギ自身は自切後は少し落ち着いたような、落ち着いたというよりは糸が切れた後の人形のような完全な虚脱状態に陥ったというのが正しく、危険な状態に変わり無かったのですが痙攣を起こして暴れる回るというような状態はおさまりました。
それでも触ろうとすると口を開いて空鳴き状態で呻いて威嚇、目は完全にイッてしまっている状態。
ここで改めて気づいたのですが、ニニギはずっと目を閉じていません。
暴れ疲れて眠るような感じであれば瞼が閉じるかと思うのですが、全く閉じる気配は無く、トロンとした感じでどこか空を見つめるように開いたまま。
ダメ元で昨晩に続きレプチゾル(水溶性ビタミン)とカルシウム剤と溶かした水を飲むか舐めるかしてくれればと思い、スポイトで口元開かせて少し含ませました。通常なら口元に水滴がつけば舐めるように舌や口を動かすのですが、軽く口を開いただけで舌の動きが鈍く感じます。この状態で無理やり沢山飲ませて誤嚥させても怖いので、少し飲んで落ち着いてくれたのを確認した後は病院へ連絡して診察をしてもらう事に。
その間もぐったりフラフラぐにゃぐにゃと力が入らないのか顔を上げる事もなく、目も半分開いたままでした。
動物病院へはうちから車で1時間半…予約制なので本日の予約枠はいっぱいとの事でしたが、症状を伝えると午前枠の最後になるかもしれませんが対応するので来てくださいとの事で準備をして向かう事に。ありがてぇ…緊急対応ありがてぇ…
移動中、助手席の保冷バッグの中に入れたニニギを確認するとガタガタとひっくり返るように動いています。少しでも動いて生きている事には胸を撫で下ろすも、痙攣を起こした癲癇症状のような状態は時折起こり、プラケースの中でゴンゴンぶつかる音が聞こえて血の気が引きました。もう移動途中でも何が起こってもおかしく無い。車を運転しながら何故こんな事に……と今考えても仕方の無い事を考えては後悔し、不安は増し、ただただ手遅れになりませんように、お願いだから死なないで助かりますようにと願うばかりでした。
病院へ到着するも、ニニギの身体は硬直したように固まり動かないけど、心臓はバクバクと激しく動いている状態でした。
受付後直ぐに動物看護師の方がニニギの症状を確認してくれたので昨日からの状態を説明し、問診を記入後も比較的すぐに診察室へ呼んでもらう事が出来ました。
改めて獣医師の先生にも昨晩からの症状と今の状態と今朝の異常行動の動画を見てもらい、今の状態のチェック。
暴れ回ったけれどしっぽが切れた以外の外傷等は無く、口腔内も綺麗。
症状の診断結果としては、やはり神経障害の発作がガッツリと出ています。
なぜ、突然そのような症状が出たのか…原因を探る為に血液検査をすることも可能ではあるが、この子から採れる血液量も少なく原因特定に繋がるかは確実では無いので、そちらに負担をかけるよりも、今現在明らかに神経障害、脱水による虚脱症状が出ているのでそれを改善させる為には早急に抗生剤と神経を落ち着かせる薬を点滴をするのがベストという事でした。
抗生剤を使う理由としては、神経障害が起こる原因の一つとして腎臓なり肝臓なり何らかの内臓に負担(炎症)が起こっているのを抑える為、後は末梢神経の神経障害の症状を緩和させる効果のあるビタミン剤を。
何でも良いから早くしてあげてと思うも、説明は続きます。
獣医師曰く、既に自切してしっぽが短くなっていますが点滴する事で暴れたり自分の身に危険を感じた場合は更に自切する可能性もありますという説明。
え?既にこんなにしっぽ切れてしまいましたけどまだ短くなるんですか??という疑問に、先生は切れる時はもっと根元から切れますと。
い、嫌だ!また切れるとか恐怖しかない!!これ以上切れたらどうなるん??しっぽほとんど無いやん!!こんなになってしっぽ無いとか回復出来るの??
……でも点滴しなきゃ神経障害の改善見込め無い。
切れて欲しく無い、でも辛いけど切れたら切れたで、もうそれは仕方ない、一瞬でぐるぐる考えた末、とにかく点滴してもらって回復をさせるしかないので、お願いしますとお応えするしかありませんでした。
ニニギは家へ来た時から元々再生尾の子です。生まれてすぐくらいにブリーダーさんのところの同居兄弟(通称アッニ)と喧嘩して自切した(切れたしっぽは兄が食べた)らしく、家へ来た時はちょこんとした再生尾だったものが、立派な再生尾として成長してくれていたのですが、そのしっぽすら切れてしまった……。しっぽ再再生出来るのかという不安もありましたが、もう既に失ってしまったものは元には戻らないので、今の現状が少しでも改善出来るなら、やれる事はやってもらいたいという藁にもすがる心情。
主に、神経障害は生まれながら持っているエニグマのような先天的なものと、後天的に起こる場合は代謝性骨疾患や低カルシウム血症等、腎臓や内臓に負担がかかり(炎症が起こった場合等)に起こる事が多いとされているそうです。
また、モルフ的な話でいけばニニギは神経障害が出るような遺伝は入っていないはずなのですが、ヒョウモントカゲモドキのように長年人為的にブリードが繰り返されてモルフ化されている子は、突発的な神経障害症状はどの子であっても、起こる可能性としてはゼロでは無い。遺伝子が弱くなっていて何が起こってもおかしく無いとの事でした。
勿論、お迎えした先のブリーダーさんは信頼出来る方ですが、親世代だけでなく、その前からずっと累代している限り、先祖がどうとかわからんといえばわからないんですよね。
もっと詳しく血液検査やなんやらすれば数値的な事での判断はつきやすいとは思うのですが起こってしまった事の後付けにしかならないようにも思えます。
また、一度発症した神経障害は完全に治るというのは稀であり、何かしら後遺症であったり症状は残る事がほとんどで一生付き合う事になる可能性が高いとも。どんな症状が出るかは見守るしかないようで、そのせいで寿命が他の子より短くなるかもしれないリスクであったり。聞けば聞くほど気持ちが沈みます……何故こんな事に_:( _ ́ཫ`):_
点滴は皮下注射で10分くらいで終わるとのことで、何処に針を刺すのかな?…と思っていたのですが背中に刺されたようでした。
点滴の内容はバイトリル注とコバラミン。
動物病院でよくお世話になる抗生剤の代表バイトリルとビタミンB12の安定の組み合わせです。
赤く腫れたみたいになってますが、徐々に薬が吸収して腫れたような膨らみは直ぐにおさまりますとの事。
ぐったりしていたせいで暴れる事なく点滴は無事に終わり、更なる自切も無く、点滴前は四肢がぐにゃんと力なく伸びていたのですが、点滴後は少し腕を立てれるようになり、目と肌に張りや色も戻ったように思えて少し安心する事が出来ました。
勿論、投薬もしてもらいこの日からお薬生活のスタートです。
処方薬は水溶薬で下記のものを溶かしたものでした。
バイトリル(抗生剤)
ホリゾン(神経の緊急を落ち着かせる)
ビタメジン(複合ビタミンB製剤)
グルコン酸カルシウム(カルシウム)
2週間分の薬の処方をしてもらい、診察は様子みて1ヶ月後で良いと言っていただきましたが…そんなに間空けてええのん?って不安になったのですが、あまり連れ回すのも負担になるであろうと考えると、容態が悪化しない限りは適正な診察予定だとも思います。
まだまだ不安は尽きませんが、とにかく危険な状態は脱した……と信じて、また1時間半かけて帰宅。(地味に遠いけど慣れた道なのでさくさく帰宅)
帰宅後はまた暴れ回ってぶつけたりすると危ないので、ケージ内の陶器のシェルターは撤去し、紙のどんぶりを切った簡易のシェルターを用意してお部屋に戻ってもらいました。本人は相当疲れているのでしょう、目は開いたまま閉じずでしたが、とにかく今はそっとしておこうと思い様子を見ることに。
そっとしておこうとは思いつつ、容態が気になって何度もケージを覗いてしまったのですが、気づくと何度も口を空開きして鳴くような動作はしていました。そりゃそんなすぐに治るものでもないという事は理解しているのてすが明らかにまだおかしいのですよね。ふ
昨晩のような虚脱感は無くなったのは点滴のおかげだと思いますし、動けるのは改善の証と信じて暫く投薬を続けようと思います。
心配過ぎて何も手につかないって感じでしたが、投薬した後はどうする事も出来ず。後はニニギの体力や生きる力に頼るしかないとそっと静かに見守る事に……
夕方には少し落ち着いたのかウロウロ動く姿も見れたので、大丈夫、回復してる、大丈夫…そう信じて、その日は薬を飲ませておやすみなさい。
いや、飼い主心配で全然眠れ無かったですけどね。ペットカメラでずっと確認してました。
そしてもう一つ別の問題も発生して血の気引いたんですけどね...。
翌朝、動かなくなって冷たくなってしまっていたら……という恐怖と不安を抱えながら、ケージを覗くとニニギは紙丼シェルターの中で眠っていました。
目はちゃんと閉じています。この目を閉じている状態久しぶりに見た気分。軽く触ると生存確認をするとちゃんと生きてくれてます。
眠っているところ申し訳無かったのですが、
ちゃんと動けるか確認の為少し外に出てもらうと、昨日まではだらんとしていた手足がしっかりと力が入って曲がるように戻っていました。気持ち眼力も戻ってくれて、これは回復している!峠は超えた!!という安堵。
めちゃくちゃホッとしました。
このまま順調に回復して神経障害の発作が出なければ良いのですが、投薬を続けての様子見です。
背中の点滴の痕がピンクで痛々しいけれど、本人はそんなに気にして無さそうなのでこのまま赤みが引くのを待ちます。
まだまだしんどいはずなので安静に…徐々に治っていって欲しいです。
今回、ニニギが神経障害を起こしてしまったのですが、今年に入ってからかXで度々神経障害を起こしたであろうレオパのポストを目にする事が何度かありました。
なんか、最近よく見かけるなぁと思って、その原因について色々考察する記事や動画も見ていたのですが、正直、急にこんなになるってなんなん?怖ッと思いつつ何処か他人事でピンと来ない。うちの子はそういうの無いしなーと、モルフもそんな怪しいの無いからと安易に思っていた部分もあります。
でもなりました。
原因はわかりません。
原因として気になっている事は多数ありますがその辺の話はまた別の機会にするとして。
実際、神経障害が起こってしまった時どうすれば良いか…応急的な事で私がした事といえば、カルシウム剤(ネクトンrep)やビタミン剤(レプチゾル)を溶かした水を飲ませたくらいでした。それが良いかどうかはわかりません、過去に見聞きした飼育者さんの経験談からの自己判断です。
ただ、脱水や低カルシウム血症を疑うなら応急処置としてはありだと思っています。こういう処置をする時、あくまで自己責任だと思いますがやって悪い事で無いならやれる事はやろう精神。(あくまで自己責任)
とにかく早急に信頼出来る病院へ、それが一番だなと思っています。
素人がこうした方が良いよ、これで良くなったよというのはあくまでアドバイスであり、
治療では無いと思っているので最終的な手段は獣医師に指示を仰ぎたいと思っています。
今回の事で、【レオパ 神経障害】【ヒョウモントカゲモドキ 神経障害】というワードを沢山検索しました。
神経障害を起こしてしまった子がその後どうなったかが気になって、Xを始めSNS関連や他ブログ系の内容も拝見しました。
気になったの症状が起こった後、どういう処置をしてどうなったのか……今も元気にしているのか?とても気になります。
でも、意外と出て来ないんですよね。Xでリアルタイムで呟いてる方はいらっしゃったのですが、情報量が多くポストは直ぐに流れてしまう。まとめてあるものがなかなか見当たらず。
あったとしても予後どうなったのかはっきりとわからなかったり、続きが無いってそういう事なのかな?とネガティブに思う事もあったり。
今後、自分を含め他に同じような体験をした方の参考になればという気持ちで経過を記すべく、また回復していく経過を続きとしてまとめたら投稿したいと思います。
この後、ニニギは順調に回復して行くのですが、まさかうちの飼育環境でこんなに事になるなんて……という事が起こるのですがまた次回_:( _ ́ཫ`):_